■いやクルマの鍵のことなんですけど、僕はかなり、か・な・り、ウルサいと自認しています。というか、クルマの鍵というのは、写真のようなもので既に機能MAXなんじゃないかなと思っているわけです。つまり、Cクラスの鍵もBMWの鍵も、これで立派に完結していると信じてます。つまり気に入ってます。
■じゃあ鍵の何にウルサいのかというと、今時流行のインテリジェント・キー、これは全くユーザーインターフェイスを無視したものだ、と思っているわけです。つまり僕は、インテリジェント・キーに対して常に一言言いたいくらい、ムカついているわけですw
■以前にも自分のブログで長い話を書いたことがあるんです(リンクしようと思ったら消えてました)が、この手のキーには本当に腹立たしさを感じてます。というのもウチにもインテリジェント・キーを備えるロードスターがあるんですが、自分で生活の中で使ってみても「こりゃアカン」と思うし、仕事でこうした種類のキーを備えたクルマに乗ると、そりゃもう大変です。絶対インテリジェントじゃない、と思います。
■そもそもインテリジェント・キーというのはつまり、手にしていないくても施錠/解錠ができ、キーシリンダーに鍵をささずともエンジンがかけられる…というものですが、百歩譲って手にしていなくても施錠/解錠ができる点は便利だとして、やっぱ始動から停止まで、つまり最低限でも運転中は鍵の所在は明らかじゃなければいけないと強く思っていたりします。いやもっといえばクルマの側にいるときには、鍵がどこにあるかを意識させてはいけない、と思うのです。
■インテリジェントキーは鍵をささずに始動できて走れるため、鍵を使わずにクルマが使えるので便利なようですし鍵がどこにあるかを意識しないように思えますが、実は全く逆なんです。インテリジェント・キーはある程度の範囲内にあれば始動ができるし走れるのですが、実は鍵の存在を意識せず…にはならず、鍵の存在を忘れてしまうんですね。で、結果鍵が必要になった時に、あたふたするわけです。
■例えばバレーパーキングでクルマを預ける時、ガソリンスタンドで洗車をする時、他人にクルマを預ける時…これがインテリジェントキーだと非常に面倒が起こるわけです。僕は六本木ヒルズのハイアットのバレーパーキングにクルマを預け、急いでいたので駆け足でその場を立ち去ったことがあるのですが、約6時間後にポケットの中に鍵が…パーキングの人いわく「お客さんはエンジン止めずにいってくれたので助かりました。あれでエンジン切っていかれたらエントランスに置きっぱなしになります」と。ガソリンスタンドで洗車をお願いして店内に入ると「外からスイマセン、お客さん、鍵!」と言われます。他人にクルマを預けて電車に乗っていたら電話がかかってきて、「河口さん、鍵もっていってません?」と言った具合で本当に不便。また別の機会に他人にクルマを預けた時には、その人の目の前で、「あれ? 鍵どこだっけ?」と鞄探してもないし、でもエンジンかかるなら車内にあるだろうってなるし、いろいろ探したわけです。不便です。
■でもインテリジェントキーはキーシリンダーに鍵ささず、服のポッケやバッグに入れておけるから便利だっていうのがメーカーの説明じゃないですか! でもそれが不便を招くのです。インテリジェントキーは鍵を使わずに操作できるから、鍵のことなんて意識しないんじゃなくて、すっかり忘れちゃうんですよ。あー、ムカムカ。
■翻って写真のようなキーを考えてみましょう。確かに手に鍵を持たないと施錠/解錠できないし、それをシリンダーもしくはスロットに差し込まなければ使えないから不便なのかもしれません、その点では。しかし、先に遭遇したような状況では、不便は全くないわけです。例えばバレーパーキングでは例えその場でエンジン停止をしても、鍵はシリンダーやスロットに残ってますから、そのまま降りれば良い。またガソリンスタンドでも、エンジンのオフは鍵を使うもしくは鍵の刺さったスロットの側のボタンを押すから、鍵は残される。さらに他人にクルマを預ける時も同じです。全く無意識で受け渡し等ができて、全く不便がないわけです。なぜならこの方式ならキーなりその付近を操作してエンジンを止めたりするからほぼ無意識に操作して問題ないし、エンジンとめなきゃ鍵は確実にそこにあることが無意識に分かっていますから。
■この手のキーにはインテリジェントをはじめ、スマート、アドバンスド…いろんな名称がありますが、ひとつも当てはまってないのが実際です。これは単に自動車メーカーの商品企画部門の方々が、机の上で考えた便利で魅力的な新世代の装備(というつもりのもの)なのです。
■で、これをオプションでつけてもらえばその分利益が出る…そういう意味で作り手や売り手にとってのインテリジェンスでありアドバンスでありスマートである鍵なのです。これはもうユーザー・インターフェイスの根底を覆すような装備、と僕は思っています。じゃあなんで自分のロードスターにつけたのか? それはサイドエアバッグをどうしても付けたくて仕方なくなのです。サイドエアバッグはこの鍵とセット・オプションでなければつかないので…ね、ほんとは欲しくないのに利益に貢献してますよね?
■まあ百歩譲ってインテリジェント機能で解錠/施錠ができるのは便利だとは思います。が、少なくとも車内に入ったら、鍵の所在は無意識で明らかな場所になければインテリジェントではないと思います。その後の動作が。そう考えると、インテリジェントキーを今後も展開するなら、スロットを用意してそこに収めなければ始動しない…ということくらい考えてほしいなぁと思います、国産メーカー様ぜひよろしくおねがいます。
■ちなみにクラウンに、腕時計型インテリジェントキーというのがありますが、これは家庭不和まで生むものだと思います。これでスタンドにって洗車をお願いすると、店員さんに「お客さん、鍵!」といわれて時計を外して渡すわけです。で、洗車終わってクルマに乗って家に帰る。面倒だから時計は鞄かポッケに…すると奥さんに、なんで腕時計してないの?w と突っ込まれますよw
■というワケで、鍵は写真にあるようなリモコンキーで十分便利じゃないですか。それでもインテリジェントを謳いたいなら、ドアノブに触れるだけで解錠/施錠できるのは良いですが、少なくともその後始動時に鍵をどこかにささなければいけないようにしておいてくださいな、国産メーカーの商品企画様。机の上だけで考えてモノ作られて押し付けられても困るわけです。実際に使うのはウチらなんですから
■と、いつになくアツいと思いませんか? そのくらい鍵に関してはウルサい僕なのですw
■失礼いたしました。でも、こういうものを平気で許して新しいとかいっちゃダメだと思いますよ、ユーザーとしても。
ブログ一覧 |
Cクラス生活 | 日記
Posted at
2007/10/19 00:32:47