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宝塚過激団のブログ一覧

2015年01月11日 イイね!

大型車のはなし ―日本から輸出される大型車 バス篇―

大型車のはなし ―日本から輸出される大型車 バス篇―今度はバスの輸出について。まず、ここで扱う「バス」とは、日本で言うマイクロバスより大きなバスのことで、「ハイエース」「キャラバン」など1BOX車の派生モデルのバスは除外させていただきます。あまり知らないから(笑) タイトル画像は、私が香港の太子(プリンスエドワード)で撮影した、日本では見られない全長10m級のふそう「エアロバス」です。実際に乗りましたが、座席が天龍工業製だったから日本製とみて間違いないでしょう。

予め白状しておきますが…本文中の写真は、大部分が公式サイトから拝借した写真です(謝)

日本からバスが輸出され始めたのは、トラックが初めて輸出された翌年で、こちらもまた乗用車よりも早く輸出が始まっています。ただ全てが日本製ではなく、カミンズなど海外メーカー製のエンジンを搭載していることも多かったようですが。
現在日本から輸出されるバスは、国内で販売される台数の数倍に及ぶ規模で、輸出されるバスの大部分は小型バス…日本で言う「マイクロバス」が圧倒的に多いですね。その中でもトヨタのマイクロバス「コースター」の人気は絶大で、国によってはランドクルーザーなみの人気と信頼を獲得しているほどです。


意外な世界戦略車! トヨタ・コースターの輸出仕様です

北米と西ヨーロッパ以外(衝突安全性を考慮して、その面で有利なボンネットバスが主流だからだそうです)の世界各国に輸出されていますが、特に中東諸国と中国の販売台数が多いそうです。現地では油田や建設現場の作業員の送迎やスクールバス、路線バスに用いられることが中心で、車両故障による延着で作業の進捗や企業活動に悪影響が及んでは困るから、たとえ高価でも信頼性の高い日本車が売れるのだそうです。信頼性だけでなく、同じ小型バスでもボンネットバスと違い、車体の全体を客室として使えるスペース効率の良さも、人気の一因ですね。例えば香港では、マイクロバス(特にコースター)がミニバスとして重宝され、よく目にする日本車のうちの1台です。メーカーも香港のミニバス向けの専用の車型を設定していて、現地で行先表示器などを装着してから販売しているそうです。もちろん、これまたトラック同様に規格品のヘッドライトやシュノーケルを装備するなど、輸出向けならではの仕様もたくさんあります。

マイクロバスと比較して、大型バスの輸出は少な目です。しかもボデーまで含めた完成車として輸出されることは稀で、大部分がシャシのみの輸出に留まります。


ボルボのシャシの写真で恐縮ですが…日本から大型バスを輸出する時は、こんな姿です。これを「ベアシャシ」と言います

以前は完成車として輸出されることが多かったのですが、1990年代以降は完成車の輸出が無くなり、つい最近まで途絶えていたのが現状です。トラック同様、シャシのみであれば積載スペースや重量を軽減できますし、輸出先の実情に合ったボデーを架装できるからです。

何しろ海外(特に発展途上国)では、ルーフ上に荷物を満載したり、車内に人間だけでなく家禽類を「同乗」させるなど、日本では思いもつかない凄まじい使い方をしますから! シャシのみ輸出というだけでも、現地の技術レベルに合わせ、完全に組み立てて輸出する形態から、足回りやエンジンどころかフレームすらバラバラの状態で船積み→現地の工場で組み立てる(=ノックダウン生産)形態まで、さまざまです。
そしてトラック同様、輸出向けは多彩な仕様が存在します。現地の環境規制に合わせて昔のエンジンを搭載しているのはもちろん、日本の大型バス同様のリアエンジン仕様(乗用車で例えればRR)からトラックベースのフロントエンジン(同FR)を小型バス用シャシとしたやつまで、実に多彩です。特に後者はヘッドライトをもトラック用を流用することが多いので、日本ではけして見られないスタイルの車体でも、フロントマスクにベース車の面影が残っていることが多いですね。


いすゞのリアエンジンの輸出専用シャシ「LT434」に販売国の架装メーカーでボデーを架装したバスです。個人的にはなかなか優れたデザイン、特にバックミラーは日本のよりも進んでいるデザインだと思います


台湾で活躍する、フロントエンジンでトラックベースのいすゞ・NQRシャシを用いた路線バスです。ヘッドライトにベース車(日本名エルフ)の面影がありますね。Wikipediaより

また、国内の販売台数よりも圧倒的に輸出される台数が多いからか、国内向けとは商売方法が随分と異なります。いすゞと日野はバス事業を統合して、この2社で同じバスを生産・販売していますが、輸出向けについてはそれぞれが独自の設計のバス用シャシを生産・輸出しています。それどころか、バス事業から撤退した筈のUDトラックスですが、実は輸出用に限っては細々ながらも生産を継続しているのです。しかもインド(だったかな?)にバス用の工場を建設したというからびっくり!

完全な完成車としての輸出が久しく途絶えていた大型バスですが、最近その輸出が復活しました。それはふそうの大型路線バス「エアロスター」で、オーストラリアで現地名「MP300」として販売されています。


オーストラリアで販売されているMP300です。日本のエアロスターとの違いは殆どありませんね

日本国内のバス市場が年々縮小する一方で工場の稼働率を維持する事、海外のライバルメーカー(特に中韓)のバスは完成車として輸出されることが多い事、ボデーにも日本の品質を提供する事などが理由のようです。オーストラリアが選ばれたのは、比較的ふそうブランドの強い市場で、そして何より日本と同じ左車線走行・右ハンドルなので最小限の現地対応で済むからだそうです。実際に投入してみたところなかなか好評で、日本車ならではの品質や信頼性だけでなく、(事実上)同一メーカーのシャシとボデーで一体生産されるから、シャシとボデーのメーカーが別々なのと比較して納期が短く、後者の3分の2程度で納車できるとか。またクレーム発生時の責任の所在がはっきりしているのも、意外なメリットとのこと。是非、この調子で大型車の完成車輸出を定着させていって欲しいですね。

以上で、輸出ネタは終了です。

参考文献;バスラマ インターナショナル 
Posted at 2015/01/11 06:11:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2015年01月11日 イイね!

大型車のはなし ―日本から輸出される大型車 トラック篇―

大型車のはなし ―日本から輸出される大型車 トラック篇―今年初の大型車ネタは、日本から輸出される大型車についてです。大型車というより「商用車」という括りに近いのが現状ではありますが。まずはトラックについて解説してみましょう。タイトル画像は、大黒ふ頭で撮影したサウジアラビアに輸出されるいすゞ・ギガ(海外名CまたはEシリーズ)です。尚、今回のネタでは、拾い物画像を多数使用していることを予め白状しておきます(謝)

日本で製造された乗用車が海外に大量に輸出されているのは皆さんご存知の通りですが、大型車を含む商用車も御多分に漏れず、海外にたくさん輸出されています。あまり知られていませんが、戦後の日本で製造し輸出された「車」の第一号は商用車(トラック)で、乗用車よりも早い1949年から輸出を始めています。このように商用車は、一足先に輸出できるだけの商品力を備え、当時の日本にとって喉から手が出るほど欲しい外貨獲得に貢献していたのですね。

さて、現在。日本で販売されているトラックほぼ全ての車種が海外に輸出・販売されているのが現状です。全世界で比較的万遍なく販売されるのは、日本での商品名で言う「エルフ」「キャンター」などの小型トラックで、日本からの輸出だけでなく海外の工場で現地生産された車両を販売しているほどです。海外メーカーでは小型トラックは日本のメーカーと比較して小型車が比較的手薄で、日本のメーカーほど小型車のラインナップが充実していないことがあるようです。もちろん、日本車ならではの抜群の信頼性も見逃せない要素ですが。

一方、日本で「ギガ」「スーパーグレート」等の商品名を持つ大型トラックは、西ヨーロッパと北米では販売されていません。これは、現地で求められるサイズと比較して小さすぎるのと、ボルボ・トラックスフレイトライナー(アメリカ)、DAF(オランダ)、イヴェコ(イタリア)など、欧米では強豪メーカーがひしめいていることが関係していると思われます。

世界各国へ輸出される以上、現地の使用状況や法規制に合わせた仕様にすることは欠かせません。ハンドルの位置はもちろん、環境規制や現地(の顧客)が求める最大積載量などなど…輸出先に合わせた仕様の多彩ぶりは、乗用車の比ではありません。例えば環境規制一つとっても、環境規制のない国から「EURO5」相当の規制がある国(香港)まで、まさにバラバラ。だから日本ではとうの昔に絶版になった筈の、30年ほど前の排ガス規制に対応したエンジンが今でも輸出専用で生産されているほどです。日本で販売しているのと統一すればいいじゃないか、と思われるかもしれませんが、輸出先…特に発展途上国においては、部品調達や技術力の事情で電子制御だらけの最新エンジンの保守が出来ない事が多いので、敢えて古い仕様で生産・輸出するのです。だから、日本では絶版となった先代モデルが輸出向けとして生産・輸出されていることが乗用車以上に多いですね。そして、車両総重量30t級の「高床4軸」や車両総重量40t~50t級の「超高床3軸」「超高床4軸」という、重量やサイズ的に日本ではナンバー取得(=公道走行)が到底不可能な仕様が存在するのは、大型車ならではです。


左はオマーン向けのFシリーズ(日本名フォワード)、右はニュージーランド向けのギガです。日本国内向けとは殆ど違いが無いですね。左は増トン顔の総輪駆動で車両総重量7t級、右は低床8×4の車両総重量20t超。ハンドルの位置以外は日本国内向けと殆ど同じです


東京モーターショーで撮影した、海外専用の超高床4軸「HINO700」です。単車ながら車両総重量50t!日本国内ではナンバー取得のしようがありません

あと、国内仕様では標準装備のHIDライトの筈が、輸出仕様では規格品の角目4灯(もちろんハロゲン)に変わっている、砂塵対策のシュノーケルが付くとか、細かい部分も随分と違います。


日本では「スーパーグレート」として発売されていた、国外向けのふそうFVです。日本国内では7年程前に絶版となったこの世代が、現在も生産・輸出されています。大きなMITSUBISHIのロゴと規格品の角目4灯ライトが、独特の雰囲気を醸し出していますね。もちろん「スーパーミラー」なんかありません(笑)

日本から輸出されるだけでなく、各メーカーは世界各地に工場を持っていて、現地工場から出荷してその国で販売または周辺国に輸出しているのは乗用車と同じですね。主にタイ(いすゞやUDトラックスなど)やポルトガル(ふそう)、アメリカ(日野)とか、世界各国に存在します。日本で販売しているのとそっくり同じモデルもあれば、現地専用で日本ではお目にかかれないモデルも少なくありません。完全な専用設計の車種もあれば、日本で販売していた旧式車の部品を組み合わせた「いかにもあり合わせ」な車種もあり、なかなか面白いです。なかでも日野が北米で現地生産するボンネットトラックは、いかにもアメリカ向けらしいですね。


UDトラックスがタイで生産する、新興国専用の大型車「クエスター」で、大部分が専用の設計です


インドで生産される、車両総重量10t前後の「ふそうFI」です。中型車「ファイター」のシャシに小型車「キャンター」のキャブを組み合わせた、あり合わせ感溢れる車両ですね


日野自動車の北米専用車「HINO600」です。車両総重量6t~15t級の中型級で、レンジャーと部品(インパネなど)を多数共用しています



各メーカーの工場で生産された輸出車が港に向かうときは、小型車以外は仮ナンバーを付けて自走で港に輸送されます。何しろそのサイズと重量ゆえ、乗用車みたいに車載車に載せようがないからです。小型車はセミトレーラ車載車で輸送されますが、小径タイヤを装備した専用の車載車が用いられます。

船積みされるときは基本的にボデーを架装されないシャシのみの「半完成車」で、現地に到着してから現地の架装メーカーでボデーを架装します。その方が船の積載スペースが小さく、軽くて済む(=より多くの車両を積載できる、つまり1台当たりの輸送コストが下がる)のと、現地の事情に合ったボデーを架装できるからです。工場出荷時点でボデーを架装されているのは、一部の小型トラックの「平ボデー」くらいのものですね。


平ボデーを架装された輸出車両。トヨタのピックアップみたいに、煽(あおり)にメーカー名を大書してありますが、右はどこの言語でしょうね?

これは余談ですが…古いトラックのエンジンをオーバーホールする時、敢えて海外(フィリピンなど)に輸出して現地の工場でOHすることが増えているそうです。これは、古いトラックが比較的多い海外の方が部品の入手が容易で、尚且つ現地の工場の方が古いエンジンに慣れているうえ、技術レベルも徐々に上がってきていることが理由だそうです。ただ…OHが完了→日本に到着して梱包を開けてびっくり。なんとエンジン全体が金色に塗られているとか、日本の常識では考えられない事もあるようですが(笑)

今回は、以上です。次回はバスの輸出について。
Posted at 2015/01/11 06:08:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | 大型車の話 | 日記
2015年01月04日 イイね!

ENDLESSがお好きな皆さんへ

ENDLESSがお好きな皆さんへここが「ENDLESS」の本社(=タイトル画像)です。私の自宅の至近距離にあります。

代表者の苗字が「花里(はなざと)」と知って、「!?」でした。実はこの苗字、「井出(いで)」「依田(よだ)」と並ぶ、佐久平では多い苗字なのです。佐久平出身なの?と思って調べたら、佐久平出身どころか本社所在地が佐久市じゃありませんか! これには驚きました。ここは佐久市の中心部から離れた住宅地で、ここが本社兼工場です。製品やレース活動等の華やかなイメージとは違い、案外小ぢんまりとした地味な社屋です。

尚、私はエンドレス以前にアフターパーツは全くわかりません…念のため(苦笑)
Posted at 2015/01/04 09:31:56 | コメント(1) | トラックバック(0) | 部品ネタ | 日記
2015年01月01日 イイね!

謹賀新年

謹賀新年あけましておめでとうございます

今年の初日の出は、直前まで晴れていたものの東の方角からにわかに雲が湧き上がり、11時現在未だに太陽を見ていません(涙) タイトル画像は、つい先ほど浅間山を撮影したものですが、こちらも雲に隠れてしまいました。

長野県に戻ってはや4年が経過しましたが、そろそろ異動になりそうな気がします。どこへ飛ばされるかわかりませんが、また東京に戻りたいナ~と淡い期待を抱いております。

あと、金銭の管理…特にクレジットカードの利用を厳密に管理しようと思っています。今まで支払いを延滞した事が無いとはいえ、そろそろ厳重にしなければ!と思い、Excelで専用の家計簿を作りました。

そして!箱替えはどうなるか!? これはもうプジョー・ジャポンの出方次第ですが、まだまだ皆目見当がつきません。


来年の今頃はどこにいる? そして三代目P嬢の襲名なるか!?

今年もよろしくお願いします。
Posted at 2015/01/01 11:44:49 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記

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「この構造、やっぱり凄い。アパートの下に電車がいます」
何シテル?   06/11 09:21
宝塚過激団と申します。何とぞよろしくお願いします。 プロフィール画像は、宇部興産専用道路で運行されているアメリカのケンワース(ただしオーストラリア製)のボ...

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