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■予選は最悪の17番手。そんなミスを仲間がスタートで救ってくれてうれしかった。だので僕も頑張ってトップ3内でバトンを渡すことができた。

■でも順調にはいかないのがレース。結局再び最後のスティントを担当した時には17位、そこからは全開で走るも13位までしか追い上げられなかった。残念。

■最後のスティントは猛暑がまだ漂っていたけれど、少し身体の回りを流れていく夜風を感じながら走ることができた。全開、だけどとっても冴え渡っている感じをずっとキープすることができた。

■その時、僕は自分が走っているのを俯瞰することができた、ような気がした。まず、ロードスターを操る僕を俯瞰で見て、それが走る筑波サーキットを俯瞰で見て、さらに上空から夜の帳の中に浮かび上がるサーキットを米粒ようなロードスターが走っていて…それをいま、自分が操っているのだ、という意識。それはおそらく、ロードスターに屋根がないからだろう。オープンは大気とつながっているだけでなく、意識を自在に上空にまで連れて行ってくれる。そんな感じすらある。

■2010年の９月４日、宇宙の中の地球の、日本の中の茨城の、筑波サーキットの中をロードスターで走る僕。そんな俯瞰の感覚があったのだった。

■生きている。そう思った。