
NetNews‥軽井沢スキーバス転落事故から7年 「悲しさ 何年たっても変わらない」
https://news.yahoo.co.jp/articles/078083ae3cf3c00f274b1587dc2074a58a956819
もう7年も経過するんですね。
この事故は、2000年に自由化された運輸に関わる規制緩和を見直す切っ掛けとなったと思います。
2000年当時、政治は規制緩和することによる自由化が私達の暮らしを豊かにするとのキャチコピーでドンドン自由化の波が押し寄せた時代です。
自分化により選択制となり豊かな暮らしになるものと言われた時代です。
いま考えればまだまだ景気が良かった時代、イケイケドンドンだったのかと思います。
郵政民営化など行政改革が行われ、旅客運送事業の新規参入の規制緩和を実施するとこになり、多数の貸切バス事業者が増えた結果、価格競争が激化、運賃ダンピングが横行しサービス対価は大幅に下がりしました。
選択肢が増えたことで、顧客が業者を選ぶことができるようになったのです。
行政が言っていた通りになり、規制緩和にて利用者は安い代金でサービスを受けることが可能となりました。
そのかわり失ったものも大きかった。
もちろん自由化以降も安全運行をして適正な運賃によるサービスを提供されている企業さんも多数あります。
参入してきた一部の企業では、安全を犠牲にして収益を求める企業があったためこのような事故が起きたものと思います。
当時、規制緩和には低価格化によって安全面が損なわれるという考えもありましたが、政治家は「規制緩和により問題を起こすような業者は淘汰されるから問題なし」としていたと思います。
高まるインバウンド需要に応じて、新規参入事業者は薄利多売による営業が目立った時期であります。
そのため顧客からすると安いが当たり前となり、選択は価格重視一辺倒となってしまいました。
特に季節波動による閑散期の客の取り合いにはタンピングが横行し、適正価格が指定されているにも関わらず低価格化か進みました。
行政の方針からは、安全が確保できない業者は行政処分により退場させるので「淘汰される」との考えですが、裏を返せば行政処分に匹敵する死亡事故を起こした後でなければ退場させられないとも言えます。
こうして業界全般が、価格競争となり安全確保に関するコストは削られることとなりました。
7年前のこの事故の際、ネットでどんなスキーツアーだったか調べた記憶があります。
旅行代理店の企画ものスキーツアー商品に大学生が応募、このバスに乗ることで残念ながら事故は起きてしまいました。
将来有望とされる若者が犠牲になるとても痛ましい事故でありました。
ただこのツアー代金を調べたらびっくりするぐらいの格安だった記憶があります。
ツアー申し込みを受けてから空きているバスに配車し、値段を叩いてバスを手配したようにも当時報道されていたと思います。
バス事業者からすると運行するのであれば席は空いているより安くても空気を運んでいるよりはマシとなる訳です。
こうすることで格安ツアーが売りに出せる構図が出来上がってしまいました。
2泊3日ぐらいのスキー旅行、初日は移動バスでの車中泊、ホテル一泊と2日分のリフト代を合わせて格安料金の設定でツアーを募集していたようです。
このツアー代金見て、バス代金はいくらなの??と、思ったぐらい激安ツアー料金であったと記憶してます。
常識的に考えたら、この金額では対価を考えると原価割れしてしまい売れる商品ではないと思われる低価格設定でした。
当然そこには何かが犠牲となっている訳です。
バスは目的地に向かったら、当然帰ってこなくてはなりません。
もちろん空席で帰っては収益が上がりませんから、安くしてでも席を埋めるのです。
スーパーの惣菜コーナーの値下げと同じ様な原理ですね。
スーパの場合は、余ったら破棄するにも産業廃棄にコストがかかるため安く捌いたほうがいい一方で、定価で売れる機械損もあるので、サービスとなるバスとは一緒になりませんが‥。
収益を優先するあまり、長距離運行のあとも十分な休息を取ることなく、また客を乗せて帰路につくのです。
当時は何でもありのような貸切バス事業だったと思います。
極端に言えばの旅行売り手がバス会社に「いくらで走ってくれるの?」とふっかけられ、買い叩かれた挙げ句にやっと仕事をもらうような状況だったと思います。
当時、地元で走っていたら貸切バスに聞いた話ですが、50人乗り満車で一日貸切3万円とかて仕事を受けていたとか言ってました。
これは年間通して仕事をもらう上で季節的に安く受ける場合もあるかわりに、需要シーズンではその分高い設定で受注する業界アルアルです。
運送事業者は、運行管理を行い安全対策をしなければなりませんが、安全運行させるため運行管理者を専任しても実際は何もせず収益を得るのみで、管理していないずさんなバス会社もあったようです。
管理しないので、免許あるドライバーにいきなり乗ったこともない大型バスを運行させ、経験や技術が伴わないまま運行し、結果的に事故を起こしてしまうのです。
何れにしても旅客運送業は安全確保するため運行管理を行わなければなりません。
それが格安ツアーを選んだ結果、安全が担保されなバスに乗ることとなってしまい、大事故に巻き込まれるその後の運命が大きく変わってしまうことになるのです‥とても残念な話ですね。
乗客も乗る側としてそれを理解し、安全に対する対価はいくらに匹敵するのか、この事業者は安全なのかを注視し、業者選定しなければならない時代となっているのです。
知床遊覧船も同様に安全確保が出来てないため重大事故となってしまいました。
正直言って、この交通機関が安全なのか顧客が知りうる事は出来ませんよね。
まぁ、国土交通省の事故報告統計でも見てでかい事故を起し行政処分されていることを知れば、乗らないという選択肢もあるかもしれませんが一般的にそこまですると人はほとんどいませんもんね。
これら重大事故の度に規制強化する方向に向かっていますが、残念ながら大型バス重大事故は一向になくなりません。
更に現在は、ドライバー不足によって長時間労働を強いられ無理な運行をせざるを得なくなっている現状がここにあります。
特に新型コロナで運輸業界を去った職業ドライバーは多く、その人達はすでに違う業種にいるため戻ってくる期待は皆無でしょうね。
人材不足の中で高まる需要に対応するため、ますます労働時間は長くなる一方で、賃金は思った以上に上がらす、ドライバー不足を補おうと募集しても一向に集まらない負のスパイラルに陥ってます。
この状況は、運輸業界全般になっており、バスだけではなく、タクシーやトラック貨物についても同様だと思います。
その内、人物を移動したくても手段がなくなる可能性すらあると思いますよ。
国民の生活を守るために行政として対策が急務です。
労基によるドライバー別最低賃金を設定し、その最低賃金をカバーでいるだけの需要と供給バランスで適正な運賃を算出しべきです。
そうしないと、職業ドライバーはのなり手はいなくなってしまうでしょう。
人口減少に直面する近未来の運輸の姿とは、どのような形になるのか心配です。
何れにしても人物を運送する運輸機関である以上、安全運行を犠牲にしてはならないと思います。
適正なコストと競争によるサービス向上が期待されます。
こう言った痛ましい事故が無くなることを祈ります。
エキゾチック〜ジャパン!