2005年08月20日
sunlake航海日誌:ソーラーカーレースって?製作編
良いデザインが出来たとして次にある楽しみは”作る喜び!
ものを作る楽しさ 子供の頃はみな経験しているこの楽しみを
大人になってからも 続けている人は少ない。
車のドレスアップやチューンアップなんかもそれと似たようなものではないのだろうか?
ソーラーカーの場合、モーター、ホイール、タイヤなんかは既製品を購入するが
その他のシャーシ、カウル、サスペンション、ステアリングシステム、電装系など
ほぼワンオフで製作する。
すなわち、自分達で考えて作るのだ。
まあ、実際に旋盤や溶接などは鉄工所に頼んだりするのだが、
考えたものをイメージどおりに作ってもらうのはなかなか難しい。
シャーシは大きく分けてアルミのスペースフレームかカーボンFRPのモノコック
の2タイプに分けられる。
高強度のアルミ溶接は高度の技術を必要とするので実際の作成はプロに任せることになる。
カーボンFRPもプリプレグを使いバキュームで仕上げるそれはすごく難しく素人では難しい。
しかし、常温キュアタイプのエポキシを使ったハンドレイアップ法だと素人でもOKで僕らはこの方法でシャーシを作っている。
ハンドレイアップ法で作成するシャーシの利点は製作後にでも手直しが容易に出来ることと
電装系その他の取り付けが簡単に出来るということである。
ハンドレイアップ工法のCFRPはオートクレーブなんかで仕上げるものよりも強度は大幅に落ちてしまうが、大きさを極力小さくして剛性を上げて対応。
そうするとWウイッシュボーンのAアームを極力長く出来、アライメント変化を極力抑えることができる。
ホイールベースも超ショートに仕上げてクイックなコーナリング性能を実現させる。
といったようにウイークポイントをメリットに変えてしまうことも出来る。
物事のメリット、デメリットは表裏一体の関係にあり、使えるシチュエーションでそれが逆転することもある。
それを考えながら作成して上手く行ったときには格段の喜びがある。
でも、考えたこと作成したものがすべて上手く行くわけではない。
むしろ失敗する事が圧倒的に多いのだ。
だからこそ上手く行ったとき、作成したマシンで数々の屈辱を乗り越えて上る表彰台に価値がある。
作成には全体を考える者も必要だし、各パーツを真剣に考えていく者も必要で
それぞれに誇りと喜びがある。
自分で考え作ったものがあの鈴鹿サーキットのフルコースを駆け抜けていく
場合によっては僕たちのようにマレーシアやギリシャといった遠く異国の地で走らせることもできる。
そんな喜びのある競技はめったに無い。
ギリシャのレースなんてスピードレンジが違うだけでまんまWRCみないなもんだった。
スタッフ自体も本物のラリー運営スタッフがやってくれてたらしい。
日本では絶対に出来ない公道でのSS 我々でも120km/h トップチームでは155Km/hも出して駆け抜けた。
自分で作ってるんでドライビングしながらいろいろ心配事が頭に浮かんで来るのだが
それもまた楽しい。
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Solar Car | クルマ
Posted at
2005/10/02 19:40:50
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