”駆けぬけるおっさん”が 旬な試乗記をお届けする Fisher's Blog
本日の試乗記は ロータスのニューコンセプトかー ”エヴォーラ(EVORA)”です。
世界で唯一の2+2シーター・ミッドシップエンジンを積むこのロータスのニューカマー
雑誌などでは絶賛の嵐ですが
実際のところはどうなんでしょうか?
街中のみの試乗となりますが
僕の乗ってるZ4M、 先日試乗したばかりの
TTRSなどと比較しつつ
インプレッションを少しばかり・・・・
■主要スペック比較
エヴォーラ(EVORA)” Z4Mロードスター(以下Z4Mと呼ぶ)
サイズ 4370×1850×1230mm 4120×1780×1300mm
重量 1390Kg 1430kg
ホイールベース 2575mm 2495mm
パワー 280PS/6600rpm 343ps/7900rpm
トルク 35.7kgm/4660rpm 37.2kgm/4900rpm
エンジン V型6気筒NA 3456cc 直列6気筒NA 3245cc
ミッション 6MT ゲトラグ製6MT
0-100km加速 4.9sec(0-96km) 5.0sec
■写真よりかっこいいエクステリア
ネットや雑誌で写真見てたときは、「フロントの感じが細そうでいまいちだなあ」
と思ってたんですが、実車は文句無くカッコイイです。
スーパーカーの雰囲気をかもし出してます。
実際 試乗に出るときのとおりを行く人たちの羨望のまなざしは
なかなか気分が良いです。
Z4Mもエキゾチックな目立つ車だけど
エヴォーラはスーパーカーチックな外観の前ではかすんでしまうでしょう。
フォトギャラリーに写真載せましたのでどうぞ
■質感の高い内装
アウディ、BMWなんかと比べるともひとつですが・・・
ロータスとしてみるとすごいことだと思います。
赤い内装の展示車なんかすごく良かったです。
ハンドルのニギリはもう少し太いほうが好みだけど質感は高く良い感じでした。
バケットシートも薄めでしっかりしててしっくり来るすわり心地でした。
■ポジション
ロータスらしく手動でシートを一番前に・・・
あれ?ペダルが遠いぞ・・・
僕の足は短いんですが、それでも他の車ではアジャストできないほどではなかった・・・
エリーゼ、エキシージは問題なかったけどエヴォーラは大柄な人向けですね。
ハンドルはテレスコ&チルトがあって バケットシートもしっくり来ます。
僕には若干ペダルが遠かったけど全体的にはしっくり来るポジションに調整できました。
普通の足の長さの人ならまず問題無いでしょう。
■走行インプレ
・重いクラッチ
最近の車としては異例に重いクラッチです。
Z4Mの1.5倍以上は重い 渋滞では辛そうです。
・長めのシフトストローク:
シフトストロークは最近の流行からすると明確に長く大きい部類だと思います。
シフトリンクはしっかりしててシフトの位置は明確に判って操作もしやすいですが
なんか機械的なリンクの存在をいつでも感じさせるのはフィールとしては気持ち良くないです。
また、クラッチをつないだ直後に”ベアリングの音”と言われたシャリーンという音も
あんまり気持ち良いもんではありません。
シフト操作自体は3.5Lと大排気量にもかかわらずスコンスコンと入れることが出来るし
Z4Mみたいに難しくはないですがTTRSみたいに素早く操作するのは難しいという感じです。
・重いハンドリング:
「クラッチの重さとシンクロさせるため」と説明されましたけど
油圧パワステの付いたパワステも最近の車としては異例に重いです。
重いと思ってたZ4Mよりも重いです。
油圧アシストが少ない分ステアフィールはなかなか良い感覚です。
路面の感じがつかみ易くなっている。
直進時もコーナリング中も一貫して路面インフォメーションを伝えてくれます。
それでいて不要なキックバックも気にならないという絶妙な味付けで
「さすが!ロータス」と感心させられます。
・エンジンは やはりイマイチだなあ:
エヴォーラのエンジンはトヨタ製3.5リッターV6「2GR-FE」
これは”エスティマ”、”ブレイドマスター”と同じ横置きV6エンジン
3456cc と排気量はZ4Mの1割増しなのだが パワーは20%ほどZ4Mのほうがパワフル。
まあミニバンと同じエンジンなので期待はしてなかったけど
やっぱ官能性はいまいち
エヴォーラの重量は1390kgと Z4Mの1430kgと近いので
よくあの出力で 4.9sec(0-96km)の加速が出来るなあ と思っていた。
街中なので1速しか全力でアクセル踏めなかったのだが・・・・・
ほんまかなあ・・・(4.9sec(0-96km))
Z4Mの1速はタコが目で追えないほど速くものすごいド迫力の加速感なのだが
エヴォーラのは普通。
TTRSは確かにスピードの上がりも速かったけど
エヴォーラのデータ取りはよっぽど上手い人がやったのか?
加速感も排気音も回転フィールも特に魅力的な部分は見付かりませんでした。
速さは十分なんでしょうけど官能的な加速はありません。
エンジンは正直 いまいちです。
・乗り心地&コーナリング:
ゆっくりとしたスピード領域では路面のゴツゴツを結構ダイレクトに伝えて”結構硬いな”
と思わせるんですが、コーナリングのロール感は比較的大きい。
TTRSよりもロールしてZ4Mよりは小さいという感じです。
コーナリングの入り始めはスパッと向きを変えて
後輪のトラクションを明確に感じながら曲がっていきます。
非常にナチュラルなコーナリングです。
ただ、スタビリティの高さはTTRSにはかなわず、トラクションの迫力はZ4Mほどではない
そして、エリーゼとかエキシージの切れ味を知ってると
「うーん もひとつ 気持ち良さにかけるかなあ」というのが正直な感想です。
やはり重量が結構重たいので、軽快差で勝負するのは無理がある
そうすると、やっぱ脱出加速のときのエンジンフィールとか圧倒的なスタビリティとか
明確な売りが必要か?
エヴォーラにTTRSの5気筒ターボ積んだら結構面白いのではないでしょうか?
それとスーパーカーチックな形状のために後方視界が悪いのと車幅をかなり意識させられる。
ワインディング走るときにはもっと気になるかもしれません。
・ブレーキはカックン
APの4ポッドということで効きは十分なのでしょう。
試す場所も無かったんですが 低速ではとにかくカックンと効くので慣れが必要でしょう。
・その他
信号待ちなんかで停まってるときは ボンネットに空いたエア抜きの穴からの熱気で陽炎が見えて
景色がゆがみます。
なんか低速で動いてるときも、その影響でウィンドウがゆがんでるような感じに見えて
酔ってしまいそうでした。
また、サンバイザーは小さすぎてまったく役に立ちません。
スポーツカーはもともと小さいことが多いのですが、
それにしてもエヴォーラのは付いてなくても良いくらいに小さいです。
運転席とナビシートが近すぎてシフトのときにあたる事がある。
恋人同士ならまだしも おっさん二人で乗るのは・・・微妙です。
乗り降りはエリーゼよりも細くなったサイドシルのおかげで乗り込みはやりやすい・・・
といってもロータスとしては ということですが
気になったのは足の前の方のサイドシルがすごく太くなってるので
足が車体中心にかなりオフセットされます。
ドライバーはまだ良いのですがナビとして乗ると 長距離ではくつろげないと思います。
■総合インプレ
エヴォーラはこのクラスとしてはステアとかコーナリングは良いんだけど エンジンが弱点です。
エリーゼのようなコーナリングの面白みがあるわけでも無く
Z4Mのようなエンジンの迫力の魅力があるわけでも無く
TTRSのような圧倒的安定性やGTとしての快適性があるわけでも無い。
それでいて価格が1000万近く・・・
どのような人が選択するのか? いまひとつわかりにくい車だと思いました。
今日は短時間の試乗でしたので
もっと長時間乗れば エヴォーラの良さが理解できるのかもしれません。
本日 応募した1週間モニターが当れば そのよさを理解することが出来るかも?