”駆けぬけるおっさん”が 旬な試乗記をお届けする Fisher's Blog
本日の試乗記は 発表されたのだけど国内正式発売日も決定していない
JAGUAR F-TYPEの頂点グレード V8Sです。
Fタイプは全世界的に人気らしく 日本には2013年モデルは玉がなくて回ってこなくて
未だ個人登録の車は無いらしく Dラの試乗車もV6がほとんどだとか・・・
・・・ということで このV8S試乗記 個人ブログとしては非常に珍しいものになると思われます。
今回の試乗は高速道も走らせていただきました。
パフォーマンス的には
SL63AMGと近いので
素人目線で感じたままを書きます。
■主要スペック比較
SL63AMG JAGUAR F-TYPE V8S
サイズ 4645×1875×1310mm 4470×1925×1310mm
重量 1880Kg 1810kg
ホイールベース 2585mm 2620mm
パワー 564PS/5500rpm 495ps/6500rpm
トルク 91.8kgm/2250~5750rpm 67.3kgm/2500rpm
エンジン V型8気筒ツインターボ 5461cc V型8気筒スーパーチャージャー゙ 4999cc
ミッション パドルシフト付7AT パドルシフト付8AT
0-100km加速 4.2sec 4.3sec
オープン機構 電動メタルトップ 電動幌
価格 約2300万円 1250万円
■エクステリア
ロングノーズ&ショートキャビンという共通した特徴を持つ2台ですが
見た目の特徴ははかなり異なります。
SL63が直線を貴重としたデザインなのに対して
Fタイプは長大な巾を活かしたなまめかしい曲線をうまく使ってます。
巾は Fタイプのほうが広いのに ワイド感はSL63AMGのほうが強く感じます。
Fタイプ
SL63AMG
真横から見てみると
Fタイプも最近の車としては 古典的なシートポジションが後ろのスタイルですけど
Z4Mほどでは無い
↑Fタイプ
↑Z4M
Fタイプは リヤの造形が特に美しいので 斜め後ろから見た姿がベストアングルだと思います。
幌を閉じた姿もなかなかかっこいいので
エクステリア的には すごく良い感じですが、ヘッドライト形状が少し残念だと思います。
■内装など
FタイプもZ4Mと比較すると 凄く高級感漂いますが
お値段が倍位する SL63AMGと比較すると さすがに安っぽく感じます。
オプションのパフォーマンスシートは凄く良い感じですが
ステアリングはデザインも握りの感触もいまひとつのイメージを受けました。
メーター関係はオーソドックスな感じで視認性も良く 馴染みやすい感じ
V8Sで 素敵なのが このダイナミックシステム
V8Sのみにオプション可能なこのシステムは
Dunamic-iインフォメーションディスプレイを装備してて
重力加速度メーター、LAPタイム、スロットル、ステアリング、ブレーキなどの情報を
スクリーンに表示できるし リアルタイムだけでなく グラフにして表示できるというのが
非常に面白いです。
さらにこのダイナミックシステムはダイナミックモード(V6にもある)選択時にサス、エンジン、シフトなどの特性を好みに変更できるというものです。
この車のウイークポイントが このトランク
容量的にはZ4Mに近い200Lとなってますが 形状が最悪でして
深さが無いので 少し大きめのものはまず載せられない。
荷物は載らないと割り切るしかなさそうです。
■エンジン&シフト
まずエンジン始動時の音が「これ 良いの??」って言うくらい派手な音で目覚めます。
同じV8なんですが SL63AMGはドロドロした感じですが
Fタイプのは常にレーシーな感じの排気音を響かせます。
非常に官能的です さすがDucatiがチューンしただけはある。
また 排気音はDualというボタンで静か目と派手目に切り替えることが出来ます。
加速はさすが495「PSのクルマです
DSC切ってないのに アクセルベタ踏みすると2速でもホイールスピン連発します。
しかも トルコンATを感じさせないダイレクト感
なにも説明しなかったら ツインクラッチと思ってしまうくらいです。
(試乗中 ずっとダイナミックモードで運転してましたので そのモードのみの挙動かもしれません)
そのダイレクトな感触によって SL63AMGよりも加速感は強烈です。
2、3速の加速で感覚的にZ4Mを明確に上回る強烈な加速です。
ちなみに1、2速だと 発進加速ではない 動いている途中からの加速で1Gを記録しました。
実際の速さはともかく 加速感でZ4Mを明確に上回ると感じた数少ない車です。
(
SLSでもZ4Mと同じくらいにしか感じなかったくらいですから・・・)
排気音は 加速時も実に官能的で「回せ、回せ!」って言ってくるような感覚です。
回転の伸びも意外にもあります。
唯一 気になったのが 最近流行の 擬似バックファイヤ音
A45AMGの擬似バックファイヤ音よりは遙かに出来がいいですが、そんなもんはわざとやるもんでは無いです(Z4Mは自然と発生しますけど・・・)
この点を除けば エンジン・排気温に不満は無いです。
■ステア・ブレーキ・乗り心地
ステアは走り出しから一貫して軽いです。
SL63AMGほど軽くも無いし あえて油圧にこだわったパワステということもあるので
悪くは無い しかしZ4Mと比較するとステアインフォメーションが掴み難いです。
サスはダイナミックモードでは明確に堅く締め上げられてますが、角がとれた硬さで不快では無い。
ボディの剛性感は十分で ギャップ通過時も低級なきしみ音などは皆無です。
高速の合流手前のS字でギュイーンとやってみましたけど
なかなか気持ちの良いコーナリング挙動でした(メーターで0.7G程度)
ワインディングで真剣に走ってみてもなかなか面白そうな車と予感しました。
ブレーキはフロント380mm径の巨大なものが付いてます。
ローター温度が上がっていない状態では 少し効きが甘く感じました。
ストロークの奥でコントロールするタイプのようです。
■総合インプレ
良い意味でジャガーらしくない チョイ悪(かなり悪い)系のスポーツカーです。
メルセデスよりも明確に そしてBMWのNEWZ4よりもさらに明確にスポーツカー的な走りです。
惜しいのは 高級感のためにこてこてに重くなっていること
チョイ乗りでは重量感を感じさせることは無かったですが、峠では絶対に気になってくるはず。
もっとも1925mmという巾が もともと峠には不向きとは思いますけど・・・
高級感があって ワイルドなスポーツカー どんな人が似合うのか?
日本において どんなとこを走るのが似合うのか? さっぱりわからないですけど
車の魅力は 凄く高い車です。