正直なことを言おう
昨年のX'masイブの日まで S2000という車 そんなに興味はなかった。
我が家には 世界の名機S54エンジン搭載のZ4Mがあるから・・・・
しかし その思いは 昨年のX'masイブの日を境に 急変することになる・・・・
X’masイブの日に 走り仲間内のLINEでショッキングな話が出た。
明確には書いてないけど
S2000の御大が 魂こめて大切にしてきたS2000を譲るよ・・・的なことが書き込まれていた。
僕が東京から関西に引っ越して来春で10年
以来 S2000の御大とはホームで約10年にわたり 一緒に走ってきた。
77歳の高齢にも関わらず 切れのある走り、おしゃれで頭の回転も早くカッコイイ
「あんなふうに年を取りながらカーライフ楽しみたいな・・・」
僕は勝手に憧れていた・・・・
心配になって 速攻 個人LINEで確認すると 降りる意思を固めたらしい。
え? もう会えない? 当たり前のように毎週早朝さっそうと現れる黒いS2000
あの姿 目に焼き付けておきたい!!
ということで12/27仕事納めをAMで切り上げて 急遽 お付き合いいただいた。

記念写真取って 今までの思い出や S2000について色々語り合った。
毎週のように早朝会って話は聞いてたんだけど 御大のS2000に対する愛情はすごい
惜しみなくかけたメンテ費用も予想を遥かに超えていた。

距離こそ19万Kmだけど 御大が心血注いでチューニングとこまめなメンテを行ってきたマシン。まだまだ一流の実力を持っている。

乗ってみる? とキーを渡してくれた。
実はこのマシンに乗るのは3回目
1度目はほぼノーマルのとき
2度目はOHついでに 実車合わせでチューニングして”300PSになったよ!”って喜んでいたとき。
1度目は「まあ こんなもんだろうな・・」という印象
2度目は 「すげえなあ こいつ」と感動はしたけど 欲しいなどとは思わなかった。
そして今回の3度目
御大としては完成形 という1200kgに軽量化された車体にオーリンズのサスにハイパコのハイレートスプリング入れて固めた足、エンジンは300PSを誇る。
パワーウエイトレシオはうちのBT32改とほぼ同じ。
2度目の試乗よりは高速セクションでの今回の試乗。
操作性は極めてソリッドでS54を凌駕するレスポンス、5600rpmからVTECに切り替わってからのフケ感は 昔のバイクの感じで弾けるような爆発感はZ4MのS54に似ている。
コーナリングはうちのBT32改と比べると曲がる曲がる。
低いギヤ比のクロスレシオのミッションなんですぐに吹けきってシフトが忙しいのが実にいい感じだ。ああ・・・ここまで仕上げてたんだ・・・・

車の感動もそこそこに・・・
僕には 御大がS2000を降りるということが受け入れられなかった。
車降りてからも 「ホンマに降りるんですか?」「時間には逆らえないよ」
このやりとり この一日で何回やっただろう・・・・・
車の行き先が決まったから降りるのではない。
年齢から来る自分の状態を冷静に見極めた結果だ ・・・・
そんな判断ができる 素晴らしい先輩!
思い出は限りなくある。 −8℃の猛烈な寒さの中 一緒に駆け抜けたことも・・・・

こうやって車並べるのも多分最後

走りながら別れるよりも きちんと見送りたくて 後ろ姿を目に焼き付けた。
帰宅してからも もやもやした気持ちは晴れず 翌日はもっともやもやした気持ちに切り替わっていた。
車の行き先は 面倒見てもらっている車屋さんに「誰か居ないか?」と声かけているだけという。
「わけ解んないやつには乗って欲しくない」持ち主でもないのに理不尽な想いもこみ上げてきた。
”自分が乗ったら?”そんな思いも浮かんできたが・・・・
今でもサラリーマンとしてあるまじき贅沢なカーライフ・・・・
無理だよな〜〜〜 と思いつつ 抑えられない想い
さらに1日 頭の中を色んな思いがめぐり・・・・ ついに妻に相談した。
のっけから 駄目とは言われなかった。
御大の話はいつも家でしているので どこぞの駄馬とは違ってサラブレッドなのはなんとなくわかってくれるみたい。
翌日 OKがでて 年末に 御大にLINEで購入意思を伝えた。
「お年玉に間に合ったね」それが返事だった。

というわけで こいつがもうじき我が家の一員になります。