1月に我が家に来たOK号(S2000)と2009年から15年半保有しているBT32改(Z4Mロードスター)パッケージ的に丸かぶりに見える2台を所有者の目線から比較してみます。
どちらもノーマルではないので、あくまで僕が保有している個体の比較です。
両車とも FRの2シーターオープンで ロングノーズショートデッキで重量配分も50:50
■サイズ(ホイールベース)
OK号:4130×1750×1285mm(2400) BT32改:4120×1780×1300mm(2495)
トレッド幅は OK号:1470/1510mm BT32改: 1485/1515mm
恐ろしいほどに似たサイズ感です。 全体サイズに比べてホイールベースはOK号の方が100mm近く短いことがターンインの挙動の違いに影響している可能性があります。
全長が同じでホイールベースがかなり違うことでその差は前後のオーバーハングに割り振られています。BT32改は どんな車と比べても前後のオーバーハングが切り詰められたデザインになってます。
どちらもロングノーズになってますけど、その長さはBT32改のほうが5cm近く長くFウインドウの角度はOK号の方が立っています。
実際の着座位置バランスもBT32改の方がより後ろに座っていることになります。
車内は同じサイズの車とは思えないくらいBT32改のほうがゆったりとしています。
■重量
OK号:1200kg BT32改:1410kg
同じサイズなのに 200kg近くの差があります。
その差を感じるのは 主にコーナーのターンインとコーナー出口で横Gがかかった状態でアクセルを踏む時に感じますが、滑って怖いのは圧倒的にOK号 いきなりズバッと逝くので心臓に悪い。
BT32改もシートをバケットに変えれば軽く50kg以上軽くなるとは思われる。
■エンジン
OK号:F22C改 AGMコンプリート 295.6PS/7900rpm トルク 27.6kgm/6500rpm
ボア/ストローク/圧縮比 87.5/90.7mm/12.3 DOHC4気筒VTEC
BT32改:S54B32 PPSロムチューン 360PS/7900rpm トルク 37.7kgm/4900rpm
ボア/ストローク/圧縮比 87.0/91mm/11.5 DOHC6気筒ダブルVANOS
どちらもレブ8000rpmを誇る高回転NAで そのピストンスピードは24m/s付近を誇ります。
ボア/ストロークもほとんど同じで メカチューン仕上げのOK号の圧縮比は12.3と恐ろしく高くなっています。
S54も圧縮比が高いので粒感の有る爆発(ホントは燃焼)感を感じますが、OK号の方はそれが際立ちます。
どちらもスペック上は最高出力をレブエンド付近で絞り出すピーキーなエンジンに見えますが、どちらも4000rpmも回していればかなりの加速を見せてくれて比較的扱いやすい特性です。
どちらもバルブ可変機構を備えてますが、OK号はVTECで2段階にしか切り替わらないのですが、BT32改のほうはWバノスで吸排気の各カムシャフトの位相を 連続的に変化させるものです。
そのためOK号はVTECの切り替わる5600rpmを境に爆発的な加速を見せてくれますが、BT32改はバルブ可変を感じさせず回すほどに上り詰めていくような加速感になっていて全く異なる感覚です。
実加速自体は車重とギヤ比の関係で80km/hくらいまではOK号が速く、それ以上でBT32改のほうが加速が速い感じで回転の伸びを感じるのはBT32改です。
アクセルに対するレスポンスはどちらもすごいのですが、OK号の方は6000rpm越えた領域だとアクセルに対する出力変化が大きくてパーシャルはやりにくくBT32改はアクセルと後輪が直結したかのようなコントロールが可能です。
同じような理由とトルクの関係から アクセルターンはBT32改のほうがかなりやりやすいです。
■コーナリング
OK号はターンインが速く 切れ味の鋭いコーナリングを魅せてくれる。
切り返しも車重のイナーシャを感じさせずにズバッと切り返しができる。
エンジンを極力後ろに配置させたフロントミッドシップが効いてると思う。
リヤウイングの効果でスピードが増すほどにリヤがしっとり落ち着いてくれる。
ステアリングの自在感はあるものの 同時に”いつリヤがズバッと流れるのか?”というヒヤヒヤ感もある。特にエンジンが6000rpm以上の回転に入った状態では爆発的にパワーが出て 超昔の2stバイクみたいでリヤのブレークがいつ起こるのか?という状態。
BT32改はターンインでアンダーが出ることもないけどターンインが速いというわけでもない。コーナリング自体は速いわけではないけどエンジンとのマッチングのお陰でアクセルで向きを変化させる挙動を楽しめる。
S時の切り返しではOK号に比べるとどうしても車重のイナーシャを感じるシーンが多い。
■ブレーキ
OK号:ローターはCSOの330mm2Φピースローターキット キャリパーはノーマル
BT32改:ROTORA製 F380mmΦ6ポッド R355mmΦ4ポッド
効きに関してはBT32改の圧勝 で比べる次元でもない。
ただし、パッドの関係でコントロール性は若干OK号が勝る。
■サスペンション
OK号:スーパーオーリンズDFV特注仕様+ハイパコスプリング
ピロブッシュ+強化ブッシュ
BT32改:ビルシュタインB12キット(スプリング:アイバッハPRO)
ピロブッシュ+強化ブッシュ
OK号は一般道を無視した峠&サーキット仕様で明確に乗り心地悪しで異音も多い
BT32改は硬さはあるがしっとりとした味わいでラグジュアリーな感じで外乱へのふところも深い。
どちらも峠レベルでの走りには不満はない出来だけど、安心感はBT32改のほうが上
■実燃費
朝の散歩で同じコースを走って変える燃費で
OK号:7km/L BT32改:5km/L ちなみに黄ィスポは9〜10
■走るよろこび
似たようなパッケージのくせに全然味わいが違います。
OK号はローギヤードで爆発的加速を魅せるエンジンを味わいながら切れ味鋭いコーナリングを楽しむ車。
BT32改は超絶気持ち良い回転感覚と伸びを魅せてくれるエンジンを味わいながら アクセルで曲げをコントロールできるコーナリングを楽しむ車。
乗る人が乗れば速いだろうOK号 決して競う車ではないBT32改
いかがでしょう 僕が2台保有している意味 わかっていただけましたでしょうか?