こちらは先月末にドイツ本国で発表された、現行M2クーペをベースとする「M2レーシング」です。
日本国内でいえば、'22よりミニ・チャレンジ・ジャパンと合同(『BMW&MINI Racing』として)で各サーキットを転戦し開催中であるM2 CSレーシングシリーズ用マシンの後継・新型に当たります。
この新しいM2レーシングで注目すべきは搭載されたエンジン…というのも、
先代CSレーシング (同じ入門用マシンで過去に遡ればM235iレーシングから) ではベースの市販モデルに準ずる3L直6が積まれていたものの、新型レーシングではなんと市販モデルと別に、2シリーズクーペの220i/230i用と同じB48系直4がボンネット内に収まることになったのです。
313hp・420Nmというスペックが与えられた模様なので、ざっくり言うと同系ユニットで数ある仕様から、(あちらは駆動方式が4駆のため、その制御との相性も考慮し)吸排気系の見直しやターボのブースト圧まで上げた新型M135 xDriveや現行X1・2のM35i xDrive等々向けが選ばれたと思えば伝わりやすいでしょうかね。
市販モデルからのエンジン換装(と排気量のダウンサイズ)に踏み切った理由としては
海外記事 のほか、
Studie・“BOB”鈴木会長も自身のnoteで綴っている とおり、車両価格の低コスト化実現が挙げられているようです。
そう考えると、仮に市販モデルと同じS58系直6を積ませた場合、同一エンジンで上級のM4 GT4に性能面や想定価格で近づく恐れや、昨今の物価高でチーム運営・マシン維持にも負担が掛かってしまう可能性すらあったと思います。
加えて、そもそも同車はモータースポーツ入門用マシンのため、とくに将来を目指す若手ドライバーがこれより下のカテゴリーからステップアップできるよう、ハードルをグンと下げたい思惑もあったのであれば、本国開発陣の目指した低コスト化は実に合理的で“わかりみが深い”な~と考えさせられるのではないでしょうか。
なお上述した「BMW&MINI Racing」の公式サイトには、
新型レーシングの特設ページが早くも開設 されています。来月より予約受注がスタートするらしく、つまり納車タイミングの早いチームによっては、恐らく3~4月の春頃にスケジュールが組まれるはずの来季開幕戦からグリッドに並ぶ可能性も無くはないと推測できるので、果たして台数がどれぐらい出るのか気になるところです。
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Posted at 2025/05/08 22:41:13 |
ドイツ車(BMW/BMWアルピナ)&BMWミニ | スポーツ