私が選んだ今年のドイツ各メーカー関連のビッグニュース&来年の展望、今回はアウディ編です。
…ビッグニュース(ベスト4)…
①9月…新型A3・S3スポーツバックの待ちに待った日本導入
9月3日、昨秋のパリサロンで公開された新型A3スポーツバックと、今年3月のジュネーブショーで公開された、同じく新型で高性能なS3スポーツバックがようやく日本上陸を果たしました。(後述する1.4TFSIの140馬力仕様とS3スポーツバックの販売開始は先月から)
先代モデルの日本導入が2004年秋(S3スポーツバックは2009年2月に導入)で車自体が熟成の域に達していたことや、兄弟車であるVW・ゴルフⅦが発表時点ですでに市場投入されていたことなどから、「やっとA3も新型になったか…」というユーザーやファンからの声は間違いなく多かったことでしょう。
そんな日本仕様に用意されたエンジンは、A3が1.4TFSI(122馬力と気筒休止システム“COD”付きの140馬力)と1.8TFSI(180馬力)、S3は先代と同じ2.0TFSIですが、ドイツ本国仕様が300馬力を発生するのに対し、日本仕様は20馬力ダウンの280馬力にディチューンされています。
この新型の特徴といえば、ゴルフⅦと同じ新世代のMQBプラットフォームを採用したこともそうですが、本国などではすでに展開されている情報サービスの「アウディ コネクト」を、日本仕様で初めて導入したこともニュースでした。
また今年は、スポーツバックの2バリエーションの日本導入以外にも、4ドアセダンやPHV(プラグインハイブリッド)車の「e-トロン」、天然ガス自動車の「g-トロン」、さらには9月のフランクフルトショーでカブリオレが追加発表されるなど、A3にとっては話題の多い1年となりましたね。
《『ランド・オブ・クワトロ』キャンペーンの日本版サイト》
②「ランド・オブ・クワトロ」キャンペーン、日本市場などでも展開
すでに本国では昨冬から展開している「ランド・オブ・クワトロ」キャンペーンが、今年に入り日本や韓国、オーストラリア市場などにおいても展開されるようになりました。(CMは各国共通で独自制作となっています。)
このうち日本版は、
3月下旬に童謡「春が来た」をCMソングに起用した春編と、
7月にはこちらも童謡の『あめふり』をCMソングに起用した雨編がオンエアーされましたが、どれも本当に傑作といえる内容でした。
来年以降もキャンペーンは継続されるのか期待したいところです。
《RS6アバント》
③高性能モデル(R8とS/RSシリーズ)の新型が続々登場&日本上陸
今年は例年以上に高性能モデルの発表が多かった年でもありました。まず1月のデトロイトショーでRS7スポーツバックとS Q5のガソリンエンジン搭載車(本国仕様などではディーゼルエンジンを搭載)、3月のジュネーブショーではRSモデル初のSUVである「RS Q3」と先述のS3スポーツバック、4月の上海モーターショーではS3セダン、そして9月のフランクフルトショーでは、S8がベースのA8とともにマイチェンモデルが公開されました。
また日本市場においても、従来のTT RSをベースに大幅な改良が加えられた「TT RSプラス」のクーペが2月、R8のマイチェンモデルが3月、RS4アバントの新型が4月、S3スポーツバックが9月、S Q5・RS5カブリオレ・RS6アバント・RS7スポーツバックが10月にそれぞれ発表されました。
とくにR8とRS6アバントは、それぞれ専用のCMがオンエアーされたこともあり、販売に関してはかなりの気合いが入っているんだなぁと感じました。
《マイク・ロッケンフェラーがドライブした、アウディスポーツ・チームフェニックスのRS5 DTM(#19)》
④9月&10月…DTM(ドイツツーリングカー選手権)でドライバーとチームタイトルの2冠を達成
今シーズンのDTMにおけるアウディ勢は、昨シーズンにドライバー・チーム・メーカーの3冠を復帰初年度であったBMW勢に奪われた反省から、それまでのA5 DTMをベースにさらなる改良を施したRS5 DTMで、3チーム(チーム・アブトスポーツライン、チームフェニックス、チームロズベルグ)から8台ずつをエントリーさせ、最強の布陣でシーズンに臨みました。
結果、5月の第2戦 イギリス・ブランズハッチと8月の第6戦 ロシア・モスクワレースウェイでそれぞれ1勝を挙げたチームフェニックスのマイク・ロッケンフェラー(#19)が、9月の第9戦 オランダ・ザントフールトで2位入賞を果たしたのと同時に、自身初のドライバーズタイトルを決めたほか、翌10月に開催された最終戦のドイツ・ホッケンハイムでは、見事チームタイトルも獲得するというシーズンとなりました。
来年発表・発売の主な市販モデルは…
来年前半…A1のマイチェンモデル&S1(A1ベースの高性能モデル)
〃 後半…次期TTクーペ&R8
時期不明…A6/S6/A7スポーツバック/S7スポーツバックのマイチェンモデル
【日本導入予定】A3/S3セダン、A8/S8のマイチェンモデル、RS Q3
来年のモータースポーツ活動は…
DTM参戦の概要についてはまだ発表されていませんが、FIA WEC世界耐久選手権(ル・マン24時間レースを含む)では、LMP1マシンのR18 e-トロン クワトロの2014年モデルでシーズンを戦うほか、アメリカのGrand-Amとアメリカンル・マンシリーズ(ALMS)が統合して生まれた新シリーズ「ユナイテッド・スポーツカー・チャンピオンシップ(USCC)」では、GTデイトナクラスにFIA GT3規定マシンのR8 LMSウルトラが、複数のチームからエントリーすることがすでに発表されています。
次回は、ゴルフⅦがヨーロッパ/世界/日本のカー・オブ・ザ・イヤーをそれぞれ受賞したほか、ポロR WRCがラリー参戦初年度にして大活躍を演じたVW編です。
Posted at 2013/12/29 16:07:16 |
ドイツ車(アウディ) | クルマ