V8エンジン車縮小＝次期BEV版登場に向けた布石？？(現行カイエンシリーズMC版公開)

現行のMC版に当たるカイエンがSUVタイプ・クーペともにワールドプレミアされました。

すでに先行公開済みのインパネはこちらで触れておりますが、対する外観はMC前に比べて中規模であるものの、前後デザインが新バンパーやマトリクスLEDヘッドライトの採用込みで見直されたため、エレガントかつたくましい雰囲気がより増したことにはすごく合点がいきます。

ヘッドライトに関してはオプションながらHDマトリクスLEDヘッドライトが設定され、そちらは高解像度のLEDやセンサーを埋め込むことでハイビーム点灯時に600m先の距離まで照らせるほか、他車とそのドライバーへの眩惑防止を可能にしたそうです。言うならばメルセデスが現行S・Cクラス/EQE・S/AMG SL等々で採用した“DIGITAL LIGHT”のポルシェ版ですよね。

MCに伴い搭載エンジンが大きく変更されたのは“S”グレードで、それまで3.0V6だったのを4.0V8に置き換え格上げを図ったスペックは474hp/600Nm、0-100km/h加速：4.7秒、最高速度：273km/hとなったようです。実はその内容絡みでいろいろ調べていたら、MC前のGTSに与えられた4.0エンジンと性能面で近いことが判明し、GTS用は460hp/620Nm、0-100km/h加速：4.5秒（スポーツクロノパッケージ装着車の場合）、最高速度：270km/hでしたから、そのぶん人によっては「GTS要らずでは？」と捉えがちになるのが想像できたほどのパワーアップだなと思いました。

ただ今回のMCではV8搭載グレードがターボGT（クーペのみ、MCからは北米など一部市場に限り販売）と上述の“S”という構成に縮小されてしまいました。背景として、エンジン特性から排ガスや騒音規制への対応でそうせざるを得なかったのも考えられる一方、恐らく一番の理由はV8並みの出力とトルクを誇ったグレードも用意するはずの次期BEV版とでキャラクター分けを図るための布石ではないかと推測しています。



ちなみに上海ショーでのワールドプレミアと並行して日本仕様の予約受注も始まり、初期ラインナップはSUV/クーペ共通のベースグレードとE-ハイブリッド（ともに3.0V6搭載）、そしてSグレードからなる内容とした模様です。

いっそうラグジュアリーに、また高性能に。
ポルシェ新型カイエン、全国のポルシェ正規販売店にて予約受注開始。#ポルシェ #カイエン #Cayenne #パフォーマンス pic.twitter.com/5fslRb9Wjw

— ポルシェジャパン (@PorscheJP) 2023年4月18日