
すでにTTは生産終了を発表済み、加えてフラッグシップのR8も現行限りでフェードアウトが決まっているため、今後アウディに純粋な2ドアスポーツカーは用意されない…と啼泣寸前に思っていたら、現在各々の後継モデルはMEB
(Q4 e-tron採用)やPPE
(次期A6/Q6 e-tronほか採用)など既存プラットフォームの知見も取り入れた専用アーキテクチャー採用のうえで開発中らしいです。
いずれもエンジン車時代から多くのユーザーを集めてきた存在であり、R8に至ってはモータースポーツのDNAを注ぎ込んだ「アウディスポーツ」ブランドの顔という位置づけも為されており、将来他車にも採用するであろうテクノロジーやデザインの手本となるモデルが無いと商業的に寂しい部分はあるので、伝統を継承しつつ時代の潮流に乗った高性能BEVとして生まれ変わらせる計画を立てたのは、ファンの立場で言わせても大拍手もののニュースですね。
しかしこれまでの常で考えると、専用アーキテクチャーを採算性は高く取りづらいスポーツカーのためにわざわざ起こさせたぶん、アウディ単独では開発コストを良い塩梅でペイ出来そうにないという判断もあり、恐らくは過去2世代のR8がランボルギーニ
(ガヤルド→ウラカン)と、e-tron GTがポルシェ
(タイカン)と関係を築いてきたように、メカニズム自体をVWグループ内の他ブランド車にも活用することでコスト抑制を図り、ブランド各々の連携を生かした行く末になりそうなはずです。
※トップ画像は2018年の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」及びパリサロンで公開したコンセプト『PB18 e-tron』です。発表当時は前輪1つ・後輪2つの3モーター式採用で680hpの総合出力を得ていたこと、アルミやカーボン素材を多用して軽量化も図られていたこと、そして4.5m台半ばの全長にエクステリアのデザイン面で(R8に持つ予てからのイメージと少々重なる印象を受けたほど)次期型の登場を示唆したものでは?と思っていました。その公開からすでに5年経っているものの、R8後継車に採用するパッケージング諸々の思想は時代に沿ったリファインを施しつつ、踏襲される部分も少なからずありそうな予感はしています。
Posted at 2023/10/16 19:10:00 |
ドイツ車(アウディ) | ニュース