
空冷エンジン時代の名車“タイプⅡ”を現代に甦らせたルックスで、数年前のコンセプト公開時から話題をさらっていたID.Buzzの市販版がワールドプレミアされました。
今回は乗用車版に加え、商用車版で後方にユーロパレット2枚を並べるスペースを設けた“カーゴ”も同時発表されたようですね。
上述どおり“タイプⅡ”のイメージを色濃く残しつつ、VW最新のデザイン言語も取り入れた内外装は
(同じプラットフォームを採用するID.3等々に倣って)見るからに未来的だと思わせてくれて、かつカラーのポップな色使いが魅力的なのも良きポイントです。ちなみにURL先のインパネ画像にある前後ライト調整のボタンは恐らく現行ゴルフ(Ⅷ)あたりと共通で、物理式ではなく静電タッチ式が奢られたと思われます。
ゆくゆく4WD(前後輪モーター)仕様やロングWB版を投入することも明言したようですが、当初は“カーゴ”も含め、150kW/204hp
(ただ201hpと表記している記事もいくつかありましたが…)の後輪1モーターを積んだモデルのみが先んじて明らかにされました。
通な方ならVWグループ汎用のEVアーキテクチャー“MEB”を使ったことと上記のモーター出力で「おや!?」と感付かれたでしょうが、中身は先ごろ日本仕様が発表されたアウディQ4 e-tronの“40”グレードと概ね同じ内容でございます。当然コスト云々の関係から、モーター型式や手がけたサプライヤーはQ4のそちらと共通のはずなので…。
ID.Buzzは今秋にデリバリーが始まる欧州各国のほか、北米市場での販売も決まっているらしく、その証拠として来月開幕のニューヨークショー
(ここ2年はコロナ禍で中止となったため、実に3年ぶりの開催ですね)ではアメリカンプレミアを果たすことになったようです。
今のところ日本市場への導入については未定らしいです…が、デビューから四半世紀経ってもなお健在なタイプⅡの根強い人気と、市場環境の制約でBEVミニバンが国産車含めて皆無であること以外に、正規導入してもおかしくないような条件を1つ見つけました。
それは、私が数か月前に某正規ディーラーのブログを見て初めて知った
シャランの日本仕様販売終了です。同車は昨年末に我が国向けの生産を終えていたようで、後継モデルに関しては設定するか未定だという話らしいです。
シャランはID.Buzzと同じく後席スライドドアを持ち、サイズ的に大柄なポジションといえたモデルですし、先述したID.BuzzのロングWB版はどうやら7~8人乗り仕様
(今回発表された乗用車版は5人乗り仕様)として売り出す模様なので、とくに2m近く(1985mm)の全幅で扱いやすさも気になる方がいらっしゃるのは致し方ないにせよ、条件が整えばシャランの抜けた穴をひとまずカバー出来そうでは?と思い、その答えに辿り着いたわけです。果たしてそれは叶うのかな?
Posted at 2022/03/14 22:19:09 |
ドイツ車(VW) | クルマ