
趣味の模型は1/72の飛行機がメインですが、同じ1/72のAFV(装甲戦闘車両/AFV(Armored Fighting Vehicle):攻撃武装・防御用装甲板のある戦闘用車両)も作ります。
先日模型屋で見かけて購入したのがこれ。1/72の大戦中のソ連軍戦車T-34。
大戦中の戦車と言えばドイツだとお思いの方も多いでしょう。しかし、このT-34の出現がドイツ軍を震撼させ、その後の各国戦車にいかに大きな影響を与えたかは、模型ファン以外にはあまり知られていないのかも知れません。
今回、お伝えしたいのは、実車じゃなくてこの戦車のキットについて。
いわゆるスナップキットと呼ばれる接着剤不要のキットです。この箱絵の砲身先端の下のあたりに赤い文字で MY FIRST MODEL KIT と書いてあるのが読めるでしょうか。そう、普通、スナップキットと言えば、年少者や初心者向けのキットであるのが普通です。さすがにこの年で自分のことを初心者だとは思っていませんが、安かったし(1512円)ZVEZDA(ズベズダ:ロシアの模型メーカー)の初めてのAFVキットでもあり、好奇心で買ってみました。
ところが、家で箱を開けてみて、その内容に驚きました。
凄い精度! あっという間に形になります。
接着剤なしでここまでできる! しかも表面の彫刻も精密で、決して子供向けではない。
1/72の戦車模型で苦労するのがキャタピラの取り付けですが、それも難なくピタリと決まる!
↑同じ1/72スケールのロシア軍戦車T-72との比較。キットはドイツのレベル社製。2年くらい放置してあるものです。
こうして見ると、車体が大きく、砲身も長く太くなったのに、車高は逆に低くなったことが分かります。
このT-34に驚いて、同時に発売されたドイツ軍のタイガーⅠも買ってみました。
こちらも凄い! 何が凄いかって、スライド金型を多用した一体成型がハンパない!
普通のプラスチックモデルの射出成型は、上下の1軸方向にだけ金型が合わさり、その間に溶けたプラスチックを流し込んで成型しますが、スライド金型だと別軸方向からも金型を合わて成型し、複雑な形状のものを一度で成型できます。ただし、金型の精度が求められます。
シャーシ。これが一体成型ですよ。組み立てなくても既にこの形。今までのキットなら少なくとも3パーツの構成になっている部分です。
砲塔。側面までちゃんとモールドがある! これも普通は2パーツ、いや、もっと多いな。
転輪。ここまで一体成型。しかもそれぞれ分離しているように見える。
砲身。さすがに砲口は開いてないが、開けるのはユーザーでも簡単にできる。ここも普通なら2パーツのところ。
キャタピラ。他のパーツと同様の硬質のプラスチックに見えるのだが・・・・
こうして、曲げて取り付けろという指示。できるのか? この説明書どおりにできるとしたら、キャタピラの取り付けもピタリと、しかも簡単にできることになるが。
日本は今でも模型大国であることには違いないと思います。しかし、模型も他の工業製品同様に途上国にお株を奪われ始めています。韓国、中国も今やかなりの品質のキットを送り出し、日本の模型メーカーを脅かしています。
そこに突然現れたのがこのロシアの模型メーカーズベズダ。できたばかりのメーカーではありませんが、最近、急に品質を上げてきました。しかも他社とは趣の異なる進化。
模型ファンとしては喜ばしいことですが、日本のメーカーはますます苦しむことになりそうです。
評価・・・★★★★ (5点満点)
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Posted at
2011/02/02 00:48:39