最近母親を亡くしたばかりの私ですが、他にも私が好きだった、ある意味、私の一部とも思える著名な方々が相次いで亡くなっています。
漫画家 松本零士、アメリカの音楽家 バートバカラック、そして坂本龍一。
坂本龍一の訃報が流れた時に、「ラストエンペラーの・・・」とか「戦場のメリークリスマスの・・・」とかで報じられたんですよね。確かにラストエンペラーの音楽はアカデミー賞作曲賞を日本人として初めて受賞していますから訃報に際して触れられるべきかもしれませんが、ラストエンペラーの曲って皆さんすぐに思い出せますか? 私、戦場のメリークリスマスの曲はすぐに思い出せますが、残念ながらラストエンペラーに関しては全く思い出せません。これって私だけかな?
ラストエンペラーのアカデミー賞作曲賞については、最近観た映画の一場面を思い出しますね。
映画「モリコーネ 映画が恋した音楽家」のトレーラーです。
ちょうど60秒あたりで「ラストエンペラー」の坂本龍一の受賞が発表され、唇をかむエンニオ・モリコーネが映し出されます。
エンニオ・モリコーネと言えば映画音楽の大御所ですよ。それに比べたら坂本龍一なんて映画音楽に限って言えばですが、ぽっと出の一発屋もいいとこ。エンニオ・モリコーネは平静を装いながらも悔しかっただろうと思います。
彼は後に2016年に6度目のノミネートで87歳にしてやっと受賞します。遅すぎましたね。
で、坂本龍一の話に戻りますが、私にとっては彼の映画音楽なんてどーでもいい。才能ある人でしたから作曲もプロデュースも編曲も精力的に手がけ、YMOの活動もありましたよね。その中で私に一番刺さってたのは80年代に彼が編曲した楽曲の数々ですね。
1985年資生堂春のキャンペーンソング
1982年 アルバム『Cliché』(クリシェ)の1曲
2曲とも大貫妙子の楽曲ですが、編曲はどちらも坂本龍一。軽く、弾むようで、歯切れのいい音。これが私が好きな坂本龍一の音。
遡りますが、77年のアルバム「SUNSHOWER」の中の楽曲「都会」。
これも好きな曲です。やはり編曲は坂本龍一。Wikipediaの解説を読むと当時流行っていたクロスオーバーの影響云々とか書いてありますが、私は少しフォークの匂いも感じたりするのですが私がおかしいのかな?
このブログを書くために関連情報を知らべている中で、坂本龍一と大貫妙子が若い頃に一時同居していたことを初めて知りました。
2本の映画音楽以降、私の視界から坂本龍一は消えていましたが、彼は全く予期せぬ形で突然再登場します。ちょうど2001年のこと。
坂本龍一がボサノバ? え?そんな人だったっけ? 私はあっけにとられました。しかし、私が所有する坂本龍一のアルバムはこの1枚だけ。
ボサノバの生みの親である、アントニオ・カルロス・ジョビンのバックメンバーだったモレレンバウム夫妻との共作で、アントニオ・カルロス・ジョビンの家で、生前彼が弾いていたピアノで録音したという、どっぷりとアントニオ・カルロス・ジョビンに浸かったアルバムでした。
ただ、「イパネマの娘」に代表されるような一般受けのするボサノバではなく、全体的に地味です。でも癒される。
アルバムの中から、いくらかでもボサノバらしい曲を拾うとするとこれかな。
ただシンプルにピアノを弾くだけで80年代の面影はありません。
最期は体調の変化を放置して手遅れになったことを後悔していたようですね。
Posted at 2023/04/10 22:29:03 | |
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音楽 | 日記