
小説も読みますが、最近は生物学や経済関係の本を読むことが多い私です。
しかし、世の中にはいろんな学問があるもんですね。今回を含めて3回に渡ってご紹介するのは内田亮子著「生命をつなぐ進化のふしぎ」という本の一節なんですが、サブタイトルには「生物人類学への招待」とあります。
文化人類学は聞いたことありますが、生物人類学・・・さて?
抜書きは、今日のブログのタイトルにもなっている「パートナーと生きる」と題された章の一節で、ダンバーという研究者の成果についての記述。
興味深いことに、食べ物、身体の大きさ、そして捕食者との関係も大きく異なるにもかかわらず、それぞれの動物群内で雌雄のつがい(ペア)がユニットとなって生活している種が他よりも身体の大きさに比して顕著に大きな脳を持つ傾向が明らかになったのだ。鳥類では、単年でつがいになる種よりも、何年にもわたってつがいを続ける種の脳の方がさらに大きい。
ペアになる種が大きい脳を持っているのは、鳥や霊長類では雌雄両方による子育てと関係するのではないか、とも考えられる。しかし、肉食動物と草食動物では雄の子育て関与はほとんどないので、それだけではないらしい。そこで、異性のパートナーとうまく暮らす、連れ合うということ自体が、脳にとって大変な負荷のかかることで社会情報処理の必要性が高いという可能性が浮上してくる。因果関係については更なる検証が必要ではあるが、興味深い研究成果である。
さらに別のページにはこんなことも書いてあります。
現代人の脳の容量は体重のほぼ2%なのに対し、摂取されるエネルギーの25%を消費しており、非常に燃費が悪い臓器である。
これは現代人の例ですが、脳のランニングコストが高いのは生物全般に当てはまることでしょう。
つまり、生物は社会性を帯びた生活、その中でも特に固定的なパートナーとうまく生きる技術を磨くために、ただでさえコストがかかる脳と言う臓器を更に大きくしてきたらしいということのようです。
その見返りは確実に自分の子孫を残すことでしょうね。乱婚であれば自分の子であるかどうか分かりませんからね。
しかし、考えようによっては、そうまでして特定のパートナーと生きなきゃなんないの?って気もしますよね。何となく・・・・悲しい進化のような気も・・・・・。
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Posted at
2011/05/26 22:51:13