
この「箱を開けたら」シリーズで、ソードフィッシュの比較記事を書く日が来ようとはねぇ。長生きはするもんですなぁ。
実機については説明の必要はないですよね? 有名な機体ですもんね。えっ? ある?
じゃ、いつものように、引用だらけの実機解説。
フェアリー・ソードフィッシュ(Swordfish:メカジキの意)は、1940年11月にイタリア海軍の要港であるタラントを夜襲し、イタリア艦隊に重大な損害を与えましたが、その名を後世に残すことになった活躍は何と言っても翌年のドイツの戦艦ビスマルク追撃戦での活躍でしょう。
まず、ビスマルクから説明しなきゃいけませんね。
ビスマルクの艦名は言うまでもなくあの”鉄血宰相”の異名を持つオットー・フォン・ビスマルクから取ったものです。それだけでもドイツ海軍のこの戦艦に対する入れ込みようが分かりますが、実際、当時のドイツの科学力の粋を集めた艦でした。
ヒトラーがビスマルクを視察したときの写真です。第三帝国海軍の象徴であったに違いありません。
1941年5月、イギリス海軍は自国戦艦を沈められた恨みを晴らすべくビスマルクを追いかけ、途中で見失うなどしながらも追いすがり、空母アークロイヤル搭載のソードフィッシュがビスマルクに対して雷撃を敢行し、操舵装置に損傷を与えてビスマルク撃沈に一役かったわけです。
複葉、鋼管構造、布張り、最大速度222 km/h。いくら大戦初期と言えども時代遅れの機体でした。しかし、使い勝手はよかったようで、後から登場してくる新型機を押しのけ、一部では終戦まで使われたようです。
で、やっとキットについて。
まずは、この古いキットから。
複雑な素性のキットのようです。ボックスアートの左上にはCOOPERATIVA Moulded in Russia と書いてあり、このCOOPERATIVAがメーカー名で、ロシアのメーカーのように思われます。ところが・・・
箱の側面に貼られたコピー用紙を見ると、MPMの名と共に Made in Czeck Republic と。
MPMは確かにチェコの模型メーカーですが、一体どうなってんでしょう?
気になって調べてみると、このキット、元々はイギリスのフロッグというメーカーの金型を使ったものらしい。で、そのフロッグのソードフィッシュは長らく決定版と呼ばれたものではあるらしいのですが。しかし、フロッグの金型って下手すりゃ40年位前?
胴体と主翼等のパーツ。
さすがに寄る年波には勝てず、変形やバリが目立ちます。でも年月を考えればこんなもんでしょう。
上記の側面の紙には Upgraded kit と書いてあります。その Upgraded てのはこのことを言ってるんでしょう。
主要なプラパーツとは別の袋に、Mk.Ⅲ用のプラパーツ、エッチング、レジンパーツが入っていました。
これらのアクセサリーパーツを使い切れば、コクピットはこうなるらしい。ま、簡単じゃなさそうですが。
因みに買ったのは数年前で、お値段は1500円。このお値段なら文句は言いません。
続いて、出たばかりのエアフィックスの1/72 ソードフィッシュ。
おそらくは、イタリアのタラント夜襲を再現したCGですね。結構、大きな箱です。旧式複葉機と言えども三人乗りの攻撃機ですから、零戦などの単発戦闘機に比べるとずっと大きい。その最新のキットが1521円。日本のメーカーでは絶対にできない価格設定。
最近のエアフィックスのキットは単調なやや太目の筋彫りで全体が覆われていることが多く、それがこの古い機体には合わないんじゃないかと危惧されていましたが、なかなか表情豊かなモールドです。この辺が自国機に対する愛でしょうか。
このキットの組説。エッチングやレジンを使わなくてもこの再現度! やはり自国機への愛情か? しかし、完成後はほとんど見えないのでは?
そしてこのキットの見せ場は、主翼を折りたたんだ状態を再現できること。1/72のキットでは初めてのことだと思います。
冒頭で言ったように有名機ですし、いずれは形にしたいんですが、翼間の張線というハードルが・・・。模型暦は長い方だと思いますが、私、まだ張線はやったことがない・・・・。
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Posted at
2012/02/19 00:14:05