
もう1週間以上前のことなんですね。まだ昨日のことのような気がしてます。
総火演の模様を順を追ってご紹介します。合計1000枚くらい撮りました。そこから抜粋してアップします。長くなりそうです。
まずは開演前の整地作業。思えば工兵さんたちは陸自の中にあって影が薄い存在だと思います。そんな彼らにも総火演で出番を・・・ということなんでしょうね、きっと。一応きれいに見えるように隊列を組んでの作業です。注目すべきは座席に座っていないこと。立って運転してます。
撮影の腕章をした女性隊員。女性隊員は会場で3人見ましたが、迷彩服に身を包み、ヘルメットまで被っていたのはこの人だけでした。顔が分かる写真も撮りましたが、差しさわりがあるといけないのでこれにしときます。カメラはニコンですね。
望遠レンズで撮った8時46分の富士山頂。この頃はまだどうにか山頂が見えてました。この後すぐに雲に覆われましたが、何とか雨には降られずに済みました。
ここからいよいよ開演。
演習場は舞台みたいな構成になってまして、舞台の左右から役者よろしく、各種装備が登場します。左右の端には大型のオーロラビジョンが用意されています。
まずは、96式装輪装甲車。陸上自衛隊で初めて制式採用された装輪装甲兵員輸送車です。
実は、総火演に行くことが決まる前に偶然、この車両に関する記事をネットで読むことがあり、興味を持っていました。その記事と言うのが、軍事ジャーナリスト清谷 信一氏が書いた「
コマツが防衛事業から撤退すべき5つの理由」。
清谷氏が言うところによると、「この装甲車に限らず陸自の装備品は欧米に比べると調達費用は概ね3倍。その上、性能は低い。とても諸外国に軍用装甲車として売れるレベルの製品とはいえない。」だそうです。確かに欧米の装甲車は地雷による被害を想定して船底型の車体です。それに比べてこれはただの箱。納税者として欧米に比べて3倍の調達費用は聞き捨てなりませんが、輸出できない以上、売れる売れないを考えても意味がないでしょう。それに陸自の車両が敵の地雷を警戒せざるを得ない状況ってのは、それはもう上陸を許してるってことで・・・・。
203㎜自走榴弾砲。陸自最大口径の砲です。
乗員さんたちのアップ。普段の演習でもフェイスペインティングするんでしょうか? それとも今日だけの晴れ舞台のお化粧?
青いヘルメットは観客に説明する時に分かりやすく区別できるようにです。
87式砲側弾薬車。203mm自走りゅう弾砲に随伴して弾薬と乗員を輸送し、継続的に弾薬を供給するための車両だそうです。(Wikipedia見ながら打ってます)
99式自走105㎜榴弾砲。
砲塔を横に向けると長大な大砲が際立ちますね。
203㎜と155㎜が揃って射撃。赤い旗はこれからこの車両が射撃しますよという観客に対する合図。
口径は大きい砲ですが、音は後から出てくる戦車に比べるとそうでもありません。
射撃数秒後、場内アナウンスで「今、着弾!」、その直後に山肌に煙。
kumiさんの情報では2週間も前から休みもなく練習してるそうですから、正確で当たり前なんですが、複数の種類の砲から撃って同時に着弾させる技術は見事。観客席から歓声と拍手が起こります。
96式多目的誘導システム。車両はかつてメガクルーザーの名で市販もされていたトヨタのものですな。これは誘導弾の噴煙がやばいので、観客から離れた場所で発射します。
軽装甲機動車から誘導弾を発射したところ。この写真だけ見ると、発射した人が黒こげになっちゃうんじゃないかと心配になりますが、後ろから見ると、噴煙はV字型に左右後方に分かれてますから大丈夫。
89式装甲戦闘車。戦車に随伴する装甲兵員輸送車に武装と装甲を施した車両として開発された、日本初の歩兵戦闘車なんだそうです。
軽快に動いておりました。車体側面に丸いのが3つありますが、ガンポート、つまりここから銃を突きだして撃つこともできるようです。ただ、装甲的には弱くなるそうですが。
ここからヘリに移りますが、写真を整理してて思いましたね。やっぱり俺は飛行機屋さんなんだと。ヘリの写真がやたら多い。
攻撃ヘリAH-1SがTOWミサイルを発射したところ。TOWミサイルは有線の誘導ミサイルです。顎下にある、3本の砲身を束ねたM197ガトリング砲もTOWも前席の乗員が担当します。パイロットは後席。
正面面積を小さくした設計がよく分かるショット。
我ながらよく撮れてる。
観測ヘリOH-1。川崎重工製で、多分、岐阜で作られてると思います。写真としては、お尻が切れてるのが惜しい。
そしてAH-64Dアパッチ! これを見たかった。西側最強の攻撃ヘリです。湿度が高くて空気中の水分が凝結してローターブレードの軌跡が白く尾を引いています。
アパッチを初めて見れたことは素直にうれしかったんですが、これも納税者としては複雑なものが・・・。
アパッチはスバルの富士重工がライセンス生産して防衛省に納入しましたが、最初の納入予定は62機。ところが防衛省は、アメリカのボーイング社が生産ラインを閉じたこともあって、調達を10機で打ち切ってしまいます。富士重工は、生産に必要な設備投資、ライセンス料を62機に分けて価格に上乗せする予定だったために大慌て。結局、調達企業が防衛省を相手に350億円を請求する裁判を起こすという異例の事態に。3月には東京地裁で富士重工が敗訴し、特別損失297億円を計上するという騒ぎになっています。
富士重工の契約も甘いが、62機を10機で打ち切る定見の無さもどうかと。
OH-1とAH-64D。
機首顎下のチェインガンを射撃中のAH-64D。白煙の中の薬莢がお分かりいただけるでしょうか。ローターの上の鏡餅はレーダーです。
87式自走高射機関砲。部隊内ではガンタンクと呼ばれてるなんて資料がありますが、確かにガンダムかマクロスに出てきそうな形してます。
この対空車両の砲は2門ですが、同じスイス・エリコン社製の砲を積んだドイツのゲパルト対空戦車は4門。性能差が気になるところ。
これも観客のすぐそばで発砲するのは問題があるようで、離れたところで射撃。
そして、いよいよ戦車の登場。
まずは74式。得意の姿勢制御機能を披露。
90式。これが現在の主力でしょうか。
申し遅れましたが、夏のボーナスでカメラを新調しました。ペンタックスのK-3という機種で、カタログによれば最大秒間8.3コマ撮れるそうです。でも・・・、雑誌でよく見かける発射火炎が思うように撮れてたのは上の一枚だけ。
軽快な起動で後退し退場する90式。
そして新型の10式。
前段はこれで終わり。盛り上がる後段は次回。
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2014/09/03 00:28:37