昨日、残業してて、ふとスマホに目をやると、ノーベル文学賞のニュース。ふむ、カズオイシグロ? 誰だっけ? また、村上春樹はダメだったってことね。ん? カズオイシグロってあれか? 確か、あれの作者か?と検索したら、やはり「私を離さないで」の作者に間違いない。まだ最近読んだばかりの本の作者がノーベル文学賞を取るとは奇遇だ。文学作品なんてめったに読まない私がこれを読んだのは、生物学者の福岡伸一の本で紹介されてたから。タイトル画像は、その表紙。最近見なくなったカセットテープ。主人公が大事にしているカセットテープに入っている曲がこの小説と同じタイトルの「私を離さないで(Never Let Me Go)」。SFです。未来ではありますが、そう遠くもないような未来。主人公らは(おそらくイギリスの)片田舎の寄宿舎で暮らし、学ぶ少年・少女であり”提供者”。人間に臓器を提供するために作られた提供者。彼らはやがてその使命を知り、自分たちに生殖能力がないことも知っています。そして多くても3度も”提供”すれば、その使命を終えることも。彼らも恋愛したり、長生きすることを夢見たり、通りがかりで見た人が自分に似ていると遺伝学上の親ではないかとソワソワしたり。でも身勝手な人間に反抗しようとはしない。従順に使命に従います。心理描写が主のストーリーで、抑揚も少なく、少女漫画にありがちなムードの作品です。読んだ後で検索してみると、予想通りではありましたが、映画化されてたんですね。そして不覚にも知らなかったんですが、日本でテレビドラマ化もされてた。それもまだ最近。でも、もう観ようとは思わないな。辛いもん。