
いささか身の丈に合わぬことを語ろうとしています。
イギリス滞在中の宿を振り返ったブログの中で、時差に慣れずに早朝からブラブラと宿の周辺を散策したことを書きましたが、それが私にとって結構な収穫になりました。
くどいようですが、もう一度イギリスの地図をご覧ください。
赤丸に白抜きの星がRIAT会場のフェアフォード空軍基地。その右上の青丸に白抜きのベッドのマークが4泊目に泊った The Golden Pheasant Hotel 。基地の右の緑の丸に白抜きのベッドのマークが5泊目に泊った The George Hotel 。
基地の左上の黄色い丸に白抜きの家のマークが、古い町並みで有名なコッツウォルズ。↓
基地の上の方の紫の丸に白抜きの家のマークは、シェークスピアの生家(↓)があるストラトフォード・アポン・エイヴォン。
なんでシェークスピアの生家まで持ち出すかと言うと、イギリス滞在中、The Golden Pheasant Hotel 周辺の町並みの写真(タイトル画像)を「何シテル?」でアップしたときに、鈍行電車さんから「シェイクスピア生家の近くでしょうか。新婚旅行で行きました。いいところですね〜」とのコメントをいただいたからです。
そこではなかったわけですが、まあ、ここで示した5か所、概ね近いと言える範囲でしょうか。
改めて The Golden Pheasant Hotel の周辺の町並みを厚めにご覧いただきましょう。
ハンギングのフラワーポットが効果的に彩を添えています。
続いてThe George Hotel 周辺の街並み並み。
どちらもきれな街並みだと思いませんか?
前回のブログでご紹介したロンドンの都心のような何でもありのデザインはここでは見られず、整って調和のとれた街並みが続いています。この街並みのどこに美しさを感じるんでしょうか?
まず、2階建てばかりで建物の高さが揃っている。屋根の形も勾配屋根ばかりで揃っている。全ての建物の建設年代が同時期とは考えられませんが、揃っているように感じられます。
では、日本の街並みはと言うと・・・。
現場の近くで拾った風景ですが、日本中に似たような街並みがあると思います。
街並みを評価する軸として建物の 高さや大きさ、色、形、素材 があると思います。上の写真の住宅はおそらく近い時期に建設されたものばかりだと思われますが、色も形も不揃い。階数も揃っていません。ところが、実は素材という点では揃っています。外壁のほぼ全てが窯業系サイディングボードで覆われています。現在の窯業系サイディングボードは、形も色も自由自在です。表面の凸凹はプレスによってタイル状にしたりレンガ状にできますし、色はインクジェットプリンターと同様の仕組みで好きなように着色できます。いまや日本中の一戸建て住宅の外壁はこれだと言っても過言ではない状況です。
次に、私の近所で最近、特にひどいと思う街並みを。
近所の歯科病院です。副医院長でもある院長の奥さんは、度々全国ネットの番組に登場したりしているので、ご存知の方もおいでかも知れません。ここで言いたいのは、もちろん歯科病院としての評価ではありません。
建物の大きさ、形、色の他に西洋の様式建築を模した饒舌なデザインのこの建物を、容赦なくこの地に挿入した無神経さです。更に夜は7色の光でライトアップしたりして、まるでラブホ。近くを通るたびにこちらが恥ずかしくなります。
こんなのも。
幹線道路沿いだとは言え、南北には一戸建て住宅が建っていると言うのに高層マンションが建設中。
このようにイギリスの整った街並みと乱雑な日本のそれとは大きな差があるわけですが、建物の高さや大きさ、色、形、素材色、形、素材の不揃いの他にも日本の街並みを台無しにしているものがあります。それは電柱・電線。
ロンドン 100%
パリ 100%
ハンブルク 100%
香港 95%
台北 95%
シンガポール 93%
ニューヨーク 83%
ソウル 46%
ジャカルタ 35%
東京23区 8%
大阪 6%
上記は世界の主要都市の電線の地中化率です。東京、大阪は先進国にだけでなく、ソウル、香港、台北にも大きく遅れています。
先日の台風21号はこの地方にも大きな被害をもたらし、あちこちで停電が発生しました。その原因として多かったのが、電柱の倒壊や倒木による電線の切断でした。
単に景観の観点だけでなく、防災の面でも電線の地中化を急ぐべきでしょう。地震の被害に対しても電線の地中化は有効なはずです。それを今までしてこなかったのは、電力会社と行政の怠慢だと思います。
もちろん、その工事には多額の費用がかかりますし、地中化後のメンテナンスはこれまで以上の費用がかかるでしょう。しかし、この状態で「先進国でござい」とは言ってられないと思います。
冒頭のイギリスの街並みは、どちらも田舎町です。狭い町で周囲は広大な畑に囲まれています。そんな街でも電線はほとんど見えない。日本にできないはずはないと思うのですが。
一気に最後まで書こうかと思いましたが、長すぎて途中で飽きられそうなので、今回はここまでに。
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Posted at
2018/10/14 00:17:16