
長かった英国シリーズも、今回でようやく終わり。何と今回で22本目! よく引っ張ったなぁ~。
今回はシリーズを締めくくるにふさわしいネタをご用意しております。
先日、30歳になる職場の後輩と飲んでいた時に、これからしようとする話をしたら、そんなものがあったんですかと酷く驚いていました。そう、これは世代によって反応が分かれるでしょうね。
それは、イギリスで出会った男性用トイレのお話。
イギリスの男性用小便器は日本人からすると、異様に高い位置に設置されていて驚きます。いや、私はちゃんと届きますけどね。でも子供じゃちょっと無理な高さです。
でも今回のお話はそのことではありません。
私が子供の頃には、まだ観光地の公衆便所などにはよくこのスタイルの男性用トイレがありました。いや、観光地まで持ち出さなくても小学校がそうだったかな? 私が小学2年生までは、戦時中の兵舎を移築した木造の校舎で、その男子用トイレがそうだったかも知れません。
トイレと言うよりもやはりここは便所と言った方がふさわしいかな。大ではなく小用を足す方の便所です。それは、ただ壁に向かっていたすというスタイルのもの。便器などはありません。ただ壁に(一般的にはコンクリートの壁に)。
このスタイルは便器がないもんだから、使用する人数に制限がない。詰めて横並びになって使用すれば大勢が一度に用を足せるという優れもの。ですから、観光地の公衆便所や学校には向いていたんですね。ただ、壁に放出されたオシッコは壁を伝って下に流れ、足元の溝を流れていくわけで、オシッコが露出している時間が長くて面積も広い。従って臭気も拡散しやすいし、蠅も発生しやすい。要は今の目で見るとかなり不潔。しかも、子供はそんなこと気にしないのかも知れませんが、仕切りが無いもんだから、人様のモノがあからさまに観察できてしまう。自信のある人はいいのかも知れませんが・・・(この辺でやめておこう)。
てな具合で、主に不潔だからという理由からだと思いますが、日本では絶滅してますね。いつから見なくなったか記憶はありませんが、大人になってから見たことは無いような気がしてます。冒頭で触れたように、少なくとも現在30歳の人は見たこともないようです。
でもね、たった1週間しかいなかったイギリスなのに、私、このスタイルのトイレに3度も出会ったんですよ。
最初にそれと出会ったのは、田舎の幹線道路脇のちょっとした駐車スペースと公衆便所があるところでした。もう外観からして汚そうな便所で恐る恐る中を覗くと、この懐かしのスタイル。数十年ぶりの再会の衝撃にのけぞりました。蠅もブンブン飛び回ってましたしね。
二度目も田舎でしたが、一度目に比べると幾らかマシだったかな。
三度目はなんとRIATの会場! ま、これも田舎と言えば田舎ですが、世界中から観客が集まる場所ですよ。まさかそんなところでこのスタイルの便所に遭遇するとは思いませんでした。それも仮設トイレで。
問題のトイレはトレーラーで引っ張ってくる、下にタイヤの付いたトイレで、階段を上ってそこに入るわけですが、ズラッと小便器が並んでいるものと思って中に入ってビックリ。正面の壁にステンレスの板が張ってあって、それが腰より少し下の方で折り曲げて合って、樋のようになっていました。そしてその樋には芳香剤のかけらが散りばめてありました。
この時、幸いなことに使用者は私一人でしたが、さっきまで私の体内にあった液体がステンレス板に向かって放出され、それが下に流れ、樋に受け止められて芳香剤のかけらを縫って流れてゆく様をずーっと見送るわけですよ。これが冬だったら湯気も伴っていたでしょうね。
この時、流れゆく液体を見ながらしみじみと思いましたね。
イギリス人にはトイレに関する向上心がない
とね。
いや、男性用小便器だけじゃないですよ。人様のブログなどを読むと、イギリス国内の洗浄便座付大便器(いわゆるウォシュレット)は、ロンドンのTOTOのショールームか、超高級ホテルのスイートルームにしかないそうです。やっぱり、奴らにはトイレに関する向上心はないですね。
はい、これにて60歳の冒険譚は終わり。ま、いろいろとありましたが、好奇心の赴くままに旅することができて面白かったかな。できれば元気な内にもう一度行ってみたいが・・・叶うかな?
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2018/11/04 00:03:29