
多くの方は「今更そんな分かり切ったこと解説されても・・・」かも知れませんが、そうでもない方のために、私流の航空機の模型と背景の合成写真の作り方を、B-17Gの例を参考にしてご説明したいと思います。
<用意するもの>
・合成したい模型
・背景の画像 自分で撮影した写真や著作権フリーのものが望ましい
・画像編集ソフト
私は Adobe Photoshop Elements 11 を使っていて、それで説明させていただきますが、他にも同様の機能を持つソフトはたくさんありますので、どれでも。古いソフトでも複数のレイヤーを重ねられれば問題ありません。フリーソフトでもGIMPなんて高度なことができるソフトがありますし。
<作業の手順>
① 背景の選択
適当な背景を選びます。今回はこれ。
昨年イギリスに行ったときに機上から撮った、おそらくオランダの景色。オランダ上空ならB-17が飛んでても不思議はない。
右下に窓の角が写り込んでるので、これが入らない部分でトリミングして使います。

トリミング以外にもコントラストや明るさを調整しています。
こうした遠方から撮った地上の景色なら、縦横比を変えてもまず不自然に見えることはないでしょう。背景が空と雲だけならもっと自由に変形できます。
※ 注意したいのは光の方向。後でキットを撮影する時に光の方向を背景と揃えて、でき上りを自然な画像にするためです。
② キットの撮影
私の場合、撮影場所はいつも我が家の2階のベランダ、と言うか物干し場。
自然光の下で撮るのを持ち味としていますので、こんな風に物干し竿から釣り糸で吊って撮影します。こんな状態ですから風のない日を選ぶ必要があります。
今回はこの撮影中に風で揺れたせいで、胴体に差し込んであるだけの主翼が胴体から外れ、ベランダの床に墜落! 一瞬、心臓が止まりました。その修復に手間取ったために、”暑中見舞い”が”残暑見舞い”になってしまいました。
※ 後で機体だけを切り抜くので、できるだけ高画素で、絞りぎみで(つまり被写界深度を深くして)撮影します。できれば機体のバックは無地で単色な壁などが望ましい。
いろんなアングルでたくさん撮って、気に入ったのを選びます。当然、三脚での撮影になります。
ジェット機であれば、ここで撮影は終わりですが、プロペラ機の場合はそうは行きません。
上の写真とどこが違うか分かりますか?
実はプロペラを60度回転させています。なぜそんなことをするのか?
後でご説明します。
素材は揃ったので、後はパソコンでの作業。
③ ソフトで目的の大きさと画素数のキャンバスを設定する。
今回は暑中見舞いですので、葉書大で300dpiのキャンバスです。画素設定は300dpi程度で十分です。
この白いキャンバスの上に画像を乗っけていくわけですね。で、これはこれで一旦保存して、撮影した機体の画像を開きます。
④ そして、この画像から機体だけを切り抜きます。
多角形選択ツールなどを駆使してひたすらいらない背景を削除して、対象だけの画像にします。込み入った細部の作業は画像を拡大して行います。全行程の中で一番根気がいる作業です。
できあがりがこちら。
⑤ 中途半端にプロペラが残ってることにお気づきでしょう。
これから、それを消します。
左主翼内側のエンジンを例に説明します。
要するに右側の画像のプロペラの無い部分を左の画像のプロペラがある部分に移植して下の画像のように徐々にプロペラを消して行く作業です。そして最終的にエンジンとスピナーだけにします。これを4つのエンジンで行うわけですね。
単純なコピー&ペーストだと思われるかもしれませんが、ほぼ同時に撮った画像でも微妙に角度や明るさが違っていたりするので、微調整が必要です。
ですから、忙しいよい子は絶対に真似しないように。
できあがりがこちら。
後から考えれば、今回はスピナーとプロペラブレードが別々のアクセサリーパーツを使ったわけですから、エンジンにスピナーだけ取り付けて撮影すれば、この作業は不要だったわけです。アホですね。
⑥ 次に組み立てたプロペラを真正面から撮影します。背景は白い紙などにすれば、後の作業が楽です。撮影後、背景を消してプロペラを切り抜きます。
市松模様は背景が無色透明であることの記号です。
で、これに回転のエフェクトをかけます。
プロペラを楕円選択ツールで選択して上のツールバーで
フィルター → ぼかし → ぼかし(放射状) とクリックしていくと、
こんな表示が出ますので、上の方のスライドバーを左右に動かして”量”を調節して、好みの回転量(回転の勢い?)にしてください。
すると・・・あら、不思議。回転してるプロペラの出来上がり。
ああ、面倒臭くなってきた。
今回はここまで。
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Posted at
2019/10/29 21:59:02