
週一の投稿を心がけておりましたが、かなり間が開いてしまいました。
まあ、身から出た錆と申しますか、仕事でかなり凹む出来事があって、何もする気にならない日々が続いており、むしろ問題はこれからという状態ですが、何とか気を取り直すくらいには落ち着いてきましたので、忘れられちゃう前にここらで一発上げておきますか。
で、軽いネタでリハビリしたいところですが、そこそこ重いネタです。そして長いです。でも、どうしても書き留めておきたいネタでもあります。
相変わらず自粛の日々ですから、御用とお急ぎでない方は最後までお付き合いください。
私のブログでは過去にチラッとその名を挙げたこともありますが、タイトルの竹内久美子って誰だか分かる人は少ないのかな? 皆無?
私と竹内久美子との出会いは、妹が勧めてくれた一冊の本でした。タイトルは「
そんなバカな! ―遺伝子と神について―」。発行は1991年とのことなので、その時私は33歳ですが、読んだのはもう少し後だったかも知れません。
この本はいくつかの章で構成されていて、最初に紹介されていた話だと記憶していますが、ある種の吸虫は鳥に寄生して、その卵は鳥の糞に紛れて排泄される。カタツムリがその糞を食べて吸虫はカタツムリの体内で孵化しカタツムリに寄生する。やがて吸虫は宿主であるカタツムリの神経をいじってあの二本の触角を激しく振動させて目立つように仕向け、それを見つけた鳥がそのカタツムリを食べて吸虫は鳥に寄生する。そんな循環を繰り返している生物がいるという話でした。これを聞いた編集者が「そんなバカな!」と叫んだのが、そのままこの本のタイトルになったそうです。
その他にも、動物についてだけでなく、人間の母親が浮気した息子には寛容で、逆に嫁を責める理由だとか、興味を引く話が幾つも載ってて、一発でファンになりました。その後、本屋で彼女の新刊を見つける度に買って読んでいました。どれも面白く読めました。そして彼女の本を通じて動物行動学という学問の存在を知りました。
私が40代の頃は、SNSと言えばmixiで、現在のこの「みんカラ」よりも積極的に取り組んでいたような気がします。で、mixiのコミュニティーの中に竹内久美子のそれを見つけ、参加しました。その頃になると私も世間には竹内久美子に対する批判も結構あることを知るようになりましたが、そのコミュニティーの中には批判めいた書き込みは見当たらない状況でした。そこで、どんなことを書いたか忘れてしまいましたが「ちょっと外の風を入れてやれ」くらいの軽い気持ちで何か書き込みました。しかし、それが一部のメンバーの気に障ったらしく、私をコミュニティーから退会させろとの訴えがコミュニティーの管理人に届いたようです。
管理人から来たメッセージによると、私が書き込みの中で「動物行動学者である竹内久美子は・・・」と書いたことが事実誤認であるから退会させよという要望があるとのことでした。当時の私は、彼女は京都大学の動物行動学の研究室の研究者であると思い込んでいたので、何の迷いもなくそう書いてしまいましたが、そう言われて彼女の本の裏表紙などの著者略歴を見ると、かつて京都大学の動物行動学の研究室に在籍していたことは間違いありませんが、現在の職業については「著述業」とだけ。確かに「学者」とか「研究者」などとは書いてありません。そう、作家のようなもんだったんです。
これに気付かなかった自分を恥じましたが、事実誤認ならそう指摘だけすればいいものを、いきなり退会要求とは乱暴なと腹が立ちました。今なら、「あ、そう。」と、さっさと退会するところですが、当時は(今に比べれば)若くて、退会させられるなんて不名誉は避けたいという気持ちが強かったんですね。
そこで、管理人に「悪意はない。ちょっと外の風を入れてみたかっただけ」と反論しましたが、「竹内久美子を批判したいなら自分でその趣旨のコミュニティーを立ち上げればいい」と返されました。バカな私は、そのコミュニティーが彼女に対する批判を許さない性格の、賛同者や擁護者ばかりのコミュニティーだったことを、この時になって知るわけです。外の風を入れちゃいけなかったんです。
一方で管理人は懐の広いところも見せて、私に「一か月の猶予をあげるから反論したいなら反論してみて」と言ってきました。私は、その後一か月かけて、持っている彼女の本を全て読み返し、読んでない本は図書館で借りて精読しました。その時点で出版されていた彼女の本は全て目を通したと思います。そして、彼女自身の言葉ではないものの、他の人が「あとがき」や対談などで彼女を「動物行動学者」と呼んでいる事例を複数見つけ、それを彼女が容認していることや、学者というものは、教授や助教授などとは違ってはっきりした資格ではなくて誰でも名乗れるものだから、彼女を学者と呼んでも差し支えないと言い切りました。
この長文の反論は受け入れられ、何とか退会は免れました。
余談ですが、この反論を読んでくれたハンドルネーム「宇宙〇〇〇」さんから「よく書けていた」とお褒めのメッセージをいただき、その後、お友達になりました。後になって段々と分かってきたことですが、この方、ハンドルネームの「宇宙」は伊達じゃなくて、実際に日本の航空機やロケットの開発に携わっていた方でした。
今回、このブログを書くにあたり、何年かぶりにmixiを開いて竹内久美子コミュニティーの私の書き込みを確認しようとしましたが、いつの間にか退会させられていたようで、中に入れませんでした。これには笑いました。あの反論は一体何だったの?
そして、過去には無かった彼女に批判的なコミュニティーも二つあることを知りましたが、活動は低調なようですね。
その頃からの事ですが、彼女の写真はどこを探しても一枚もなかったんですよ。もちろん、彼女の著作の奥付や裏表紙にも。
実は、彼女の最初の著作は「
浮気人類進化論 ―きびしい社会といいかげんな社会―」で、出版は1988年。次作が上で紹介した「そんなバカな! ―遺伝子と神について―」で1991年の出版。3年のブランクがありますが、その間、彼女はどうしていたかと言うと、引きこもってました。
「浮気人類進化論」は大きな反響もあったようですが、研究者を含めた多くの人からの強烈な批判を浴びて、それに耐えかねた彼女は体調を壊し、2年半の間、言葉も出ず、外にも出られない状態だったようです。
そんな彼女が自身の写真など公開するはずがありません。
彼女に対する批判の主な内容は、動物行動学での知見を安易に人間の行動に当てはめて、面白おかしくして展開していることでした。
しかし、2年半も引きこもっていたというのに、「そんなバカな! ―遺伝子と神について―」はそんな影を微塵も感じさせず、文体は平易かつ軽妙で楽しく読める上に、動物行動学の人間への展開も一作目通り。よく言えば、引きこもっても変節しておらず筋が通っていると言えるでしょうか。一方、彼女を批判する側から見れば、相変わらず懲りてないってことになるでしょうか。
まあ、多少疑わしかろうが面白きゃそれでいい私はその後も彼女の著作を読み続けるわけですが、1994年に発行された「
小さな悪魔の背中の窪み―血液型・病気・恋愛の真実」あたりから、「ん?」と思い始めます。
この本の中で彼女は、血液型による性格判断にはそれなりの根拠があると主張しています。例えばO型は病気全般(特に非感染症)に対して強い傾向があり、その結果積極的な性格になる。逆にA型は病気にかかりやすいので慎重な性格になるとか・・・。
なんだか説得力がありそうに聞こえますが、怪しげ。
これ以降、私も彼女の著作を単純には楽しめなくなり、ちょっと離れて見ることになります。
そして今世紀に入って、写真ではありませんが、やっと彼女の容貌の手掛かりとなるものを意外な媒体で見ることになります。それは「週刊ヤングサンデー」に連載されていた「絶望に効くクスリ」という漫画。2006年のことです。
この漫画は、作者の山田玲司が気になる人物と会って、その対談内容を連載2回分で漫画化するという、やや固めの作品で、対談相手はかなりディープな人が多くて、コミックスの12巻では7人と対談していますが、私が知ってるのは竹内久美子以外では、つい最近亡くなった山本寛斎だけです。
そこで描かれた竹内久美子は上の画像の姿で、まあ、想定内のどこにでもいそうなおばさんでしたが、彼女の大体の風貌についてはこれで初めて知ったわけです。因みに、年齢は私より一つ年上です。
まあ、別に芸能人やモデルではありませんし、引きこもっていた過去からも風貌の手掛かりはここまでかなと思っていた私に全く予期せぬことが起こります。
竹内久美子と私(2)は
こちら。
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Posted at
2020/08/02 23:58:54