またしても身の丈に合わぬことを語ろうとしています。
実は私、一時的に死刑廃止論者でした。
これだけで私がこれから何について語ろうとしているのかお分かりになる方もいらっしゃることでしょうね。そう、京アニ事件の青葉被告についてです。
死刑廃止論に傾いた理由は3つほどあります。
Ⅰ.冤罪だった場合に死刑執行してしまったら取り返しがつかないことになる
2.人を殺したことに対する罰としてその者を殺すことは矛盾していないか
3.死刑は主に低開発国に残る残酷な制度では無いのか
3.についての図です。
図の中のピンクが死刑を存続させている国です。アメリカもピンクになっていますが、ご存じのように州によって法律が違うので過半の州で死刑制度が廃止されています。
日本の近隣国で言えば、フィリピンは死刑廃止、韓国は事実上廃止しています。ウクライナと戦争中のあのロシアですら事実上廃止です。G7の中で死刑制度が存続しているのは日本だけ。何でもかんでも他の先進国と同様にしなければならないわけではないでしょうが、どちらかと言えば低開発国に死刑制度が残っていると言える現状ではないでしょうか。
日本の国民世論は死刑存続派が多数と言われており、その制度がある以上、36人もの犠牲者を出した青葉被告にそれを適用しないで、一体誰に適用するのかって話ですよね。おそらくは最高裁まで争ったところで死刑判決が覆ることはないでしょう。元死刑廃止論者として積極的に肯定はしたくありませんが、私もやむを得ないと思います。
ただ、今回の場合、特殊な条件があるんですよ。彼が自らの犯行のせいで招いたこととは言え、現在は自立すらできない障害者である点です。一体、どうやって彼の死刑を執行するんでしょうか?
死刑執行の手順や死刑台の構造も法令で細かく定められており、日本においては絞首刑以外の執行方法はありません。死刑囚に目隠しをして立たせ、首に縄をかけて足元の床が割れて吊るされるという手順ですね。つまり死刑囚が自立できることを前提にしているわけです。
寝たきりの青葉被告をどうやって死刑台の上まで上がらせるのか。刑務官が両脇を抱えて上がらせたとして、青葉死刑囚の首に縄をかけてから刑務官が手を離したら、床が割れる前に死刑執行が始まってしまいます。床が割れる直前まで刑務官が両脇で支えて立たせておくという方法も考えられますが、この時の刑務官の心理的負担を考えると想像しただけで胸が重くなります。自分のすぐ隣で死刑囚がストンと落ちていくわけですからね。
これまでに日本で何人が死刑執行されたのか知りませんが、障害者が死刑執行された前例があるのではないかと調べてみました。
まずはChatGPT。一言で言えば、密室の中で行われていることなので分りませんという回答でした。次にAIではなく人が質問に答えるQ&Aのサイトでも聞いてみました。こちらも実態は分からないが、死刑台に運ばれる死刑囚は泣き喚いて暴れるそうだから、多くの死刑囚が刑務官に抱えられて台に登るわけで、障害者であろうと無かろうと関係あるまいとの回答をいただきました。
ま、正確な回答は得られなかったってことです。
健常者か障害者かで量刑が変わるなんてことはおかしいでしょう。もし障害者だから死刑を免れることができるとしたら、犯行後に障害が残るようなケガを自ら負うなんてことが起こり得えます。
以前にも書いた記憶ですが、死刑囚を吊るすのは検察や裁判官ではなく国民全員だと私は思っています。ですから吊るされた死刑囚の首にかかる力の一億分の一くらいは私であり、あなたが引っ引っ張る力です。
元死刑廃止論者として健常者なら躊躇なく吊るせとも言い難い気持ちがありますが、障害者を吊るすってことにどうしても心の引っ掛かりを消せない私です。
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2024/01/27 23:13:20