
事の発端は、Facebookのお友達であるTさん(女性:高校の同級生)のお友達の木谷愛子さんからの友達申請でした。私はFacebookでは碌な活動はしておらず、ほとんどみんカラのブログのリンクを張っているだけです。ですから、どうして私なんかにという戸惑いもありましたが、これまでも会ったことも無い人から似たような友達申請はちょくちょくあって、友達になったもののその後はほとんど交流が無い人も何人かいるので、「ま、いいか」と軽い気持ちで了承しました。
ところがこの人は友達になるとすぐにFacebookのメッセンジャーでLINEに乗り換えて交流したいと誘ってきました。私は疑問にも思わずそれに応じ、その後LINEでの長文ラリーが続くことになります。
詐欺の被害者が「振り返ってみると怪しいことばかりだった」なんて言ってるのをテレビで見たりしますが、このLINEへの誘導も詐欺の一般的な手口らしいですね。
で、LINEで知らされた、この木谷と言う女性の生い立ちなんですが、父親は中国人で母親が日本人。生まれは東京でしたが、6歳の時に両親が離婚して父親に引き取られて中国へ。9歳の時に父親が飲酒運転で事故死。以来、叔母さんに引き取られて香港で暮らし、現在は43歳の独身(後にバツイチであると明かされる)、子供なし。仕事は食品検査士とピアノ講師を掛け持ち。日本で暮らす母親が高齢になってきたので、二か月後には帰国して母親と一宮市で暮らしたい。
よくできた設定でしょ。
ロマンス詐欺を取り上げたワイドショーで言ってましたが、ロマンス詐欺の被害者で一番多いのは男女ともに60代。私はターゲットど真ん中。
こんな生い立ちの43歳の独身女性がいたら、60代の男なら誰だって力になってあげたいってと思いますよね。
私はFacebookで岐阜市在住であることを明かしてます。岐阜市から愛知県一宮市までは車で30分ほどのところで、遠からず近からずでまた絶妙の距離感。
この時点で私は100%事実だと信じてました。
最初はお互いの共通の趣味である(私の趣味を知って合わせてきただけだと思いますが)登山の話から始まり、帰国後はコーヒーでも飲みながら山の話をしたいねなんて言われました。近い将来の二人の関係をイメージさせようとしていたんですね。
やがて育ての親である叔母さんがちょくちょく話の中に登場するようになり、その叔母さんに投資を教えてもらって成功しているなんて話が出てくるようになって「ん? ちょっと匂うかなっ?」て感じも。ところがこの叔母さんてのが凄い人だってことが明かされます。
本人の写真も実名も出しちゃいますが、北京大学の経済学部の院長(日本で言えば学部長に当たると思います)を勤め、東京大学で講演もしたことがある孫祁祥がその叔母さんだって言うんですよ。私、こういう権威に弱いんですよ。すぐにひれ伏します。今、考えれば「もっとましな嘘つけっ!」て話ですが、この時点で信じてました。スゲーな!と。
もし孫祁祥教授と連絡が取れるなら、あなたの名前が詐欺に使われてますよと教えてあげたいよ。
で、彼女(男かも知れないが)のLINEですが、いつも長文で観念的と言うか宗教的と言うか詐欺とはかけ離れた話をするんですよ。LINEの回数も多くて一日に5回くらいのこともありました。とにかくマメ。
実際のスクリーンショットを貼ります。
私はいつも因があって必ず果があると信じて、善良な人、“善縁”を植えて、“善果”を得ます。すべてに因果の循環があり、私が今このような良い生活をしているのは私が善良な人だからです 人によって人生は違うし、価値観も違う。この世界では、コミュニケーションと理解が特に重要になっています。私たちはお互いの違いを受け入れ、自分の観点とは正反対の声を尊重することを学ぶ必要があります。このような寛容さと理解は、私たちの生活をより豊かにするだろう✨✨ 一人一人の人生の旅はそれぞれ異なっていても、すべての瞬間を大切にして、すべての可能性を抱擁してこそ、私たちの生命をより充実させることができます。
こんな文章がほとんど毎回散りばめられていて、「ああ、きっと信仰心が厚く純粋な人なんだろうなぁ」と思わせてくれるんです。ただ、正直、こんな部分はウザいとも思ってましたが。おそらく何かのコピペでしょうけどね。
不自然な日本語もあります。帰国に備えて日本語の教室に通っていて、私とのLINEのやりとりでは翻訳ソフトも使っていると言っていました。
で、最初に送られてきた画像(というか動画でしたが)がこれ。
手元だけの動画で、曲はドビュッシーの「月光」。ピアノの講師であると聞いてはいましたが、弾いてるところを見たいとか頼んだわけじゃないんですよ。唐突に送られてきました。まあ、どっかで拾ってきた動画だと思いますが。
後から思うわけですが、自分の設定に合わせた画像や動画を、相手との会話の展開に合わせて出すために、いろいろな素材が予め用意してあるんでしょうね。詐欺も簡単じゃないですよ。
そして、これも頼んでないのに突然送られてきた自分の写真。
この写真で疑いが生じてきました。だってこれで43歳だって言うんですよ。これも拾ってきた画像であることが後に分かりますが、この時点ではまだ分かっていません。分かっていないが故に、噓っぽいと思いつつも信じたい気持ちも生じてくるんですよ、男としては。恥ずかしながら、その時、鼻の下が伸びていたことは否定しません。
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2024/12/05 23:16:19