
暑くなってきましたね。現場での熱中症の発生を本気で心配しなきゃいけないシーズンです。
さて、毎年、数人の方に、その年の西暦の下二桁に因んだ機体のキットを組み立て、背景とそのキットの写真を合成して年賀状としてお送りしているって話はここで何度もしてるんでいいですよね? キットの製作が遅れて年賀状に間に合わなくて、寒中見舞いや暑中見舞いになってしまうって話ももう聞き飽きましたよね。
で、今年も暑中見舞いになってしまったわけですが、残暑見舞いにはならなくて済みそうです。一応キットは完成してますから。それが今回ご紹介するハセガワの 1/72 B-25J。
25の選択肢としては、1976年に函館に強行着陸して世間を騒がせたMiG-25なんてのもありますが、MiG-23、Su-24とソ連機(ロシア機)が続いていますし、キットは持っていますがMiG-25にあまり思い入れを抱けない。ここはやはり大戦米軍機のB-25で。
まずは実機の説明からと思うわけですが、毎回こういうのはどんな人に向けて書こうか迷います。詳しい人にとっては「今更・・・」でしかありませんからね。ま、思いつくままに書きます。
B-25で最大のエピソードと言えば、やはりドーリットル空襲でしょうね。日本軍は昭和16年12月に真珠湾を奇襲攻撃して太平洋戦争が始まり、初期には日本軍が押していたわけですが、アメリカも士気高揚の作戦を考案し、開戦の翌年の4月に、初めて東京他の都市を爆撃させます。それを率いたのがドーリットル中佐で、爆撃機は空母ホーネットから飛び立った16機のB-25でした。確かにB-25は爆撃機としては小型ですが、空母から爆撃機なんて正気の沙汰じゃありません。

ホーネットから飛び立つB-25。

離艦するB-25を見送る乗組員。
16機のB-25は東京、川崎、横須賀、名古屋、神戸などに爆弾を投下しましたが、目標を正確に攻撃できたわけではなく、戦果は大したものではありませんでした(それでも日本の死者は87名)。しかし、日本軍は予期せぬ爆撃に混乱しました。
空母から離艦したからといって空母に着艦できるわけではありません。爆撃後は中国大陸の基地に着陸する予定でしたが、1機はウラジオストクに着陸、中国大陸に向かった残りの15機も不時着だったり、空中脱出だったり。乗員の内8名が日本軍の捕虜となり、その内3名が処刑され、1名が病死しています。

連行される乗員。
作戦全体を振り返れば、あまり成功とは言い難いのですが、帰国したドーリットルは英雄扱いされます。
今月1日のウクライナの”蜘蛛の巣作戦”、日本軍の真珠湾攻撃に例えた報道もありましたが、戦果はともかく、作戦の奇抜さと敵軍の指導部のメンツを潰した点で言えば、このドーリットル空襲の方がよほど近いと思うのですが、いかがでしょうか?
やっとキットの説明。
冒頭で説明した年賀状用の写真は基本的に飛行状態としているので、乗員が乗っている必要があります。このキットには乗員のパーツはありませんので調達することになります。
以前にB-17を作った時に、韓国のLEGENDというメーカーのフィギュアを使いました。今回も同じLEGENDのフィギュアですが、リニューアルされてずっとリアルなものになっていました。
この中には航法士、無線士などもいるわけですが、人生の残り時間が気になる私としては、見えないところは手を入れないと決めているので、完成後に見えそうなクルーだけ作ります。
組み立てて墨入れをした状態。機長、副機長、爆撃手、左右銃手、機尾銃手。

右半身
操縦席の計器の裏と操縦席の下の機首への通路部分にこれでもかと釣り用の重りが詰め込んでありますが、実はこれでも足りなかったことを展示会で気づくという体たらく。

右銃手。ファレホで塗ってますが、やはり食い付きが弱い。
割と出来はいいのに、完成後は見えなくなります。

機尾銃手。これも見えなくなります。

左半身。
左右接着。

赤丸で囲った部分にヒケがあり、パテで埋めました。
クリアパーツのマスキングシールを取り寄せて貼りましたが、ピッタリとは合わない箇所もあり、一部加工したりマスキングゾルを併用したりして貼っています。
国産の安くて正確なマスキングシールがあるのを早く思い出すべきでした。
写真を撮り忘れましたが、機首のノルデン爆撃照準器のパーツは残念な形状で、しかも小さすぎる気がしたので、これもアフターパーツを取り寄せて取り付けましたが、案の定、完成後はほとんど見えなくなりました。

実物のノルデン爆撃照準器。
ノルデン爆撃照準器は当時の最高機密で、先に述べたドーリットル空襲の際には撃墜される可能性も考えてこれを外していました。
クリアパーツの透け防止とシルバーの下地を兼ねて全体に黒を吹きます。
私の場合、よくあることですが、ある程度進めてからどの機体にするか決めることがよくあります。私の理想のB-25は・・・
・グラスノーズ(機首がガラスであること。J型でも機首が金属製のソリッドノーズもあります)
・全体が無塗装のシルバーであること。
・強そうなこと。機種左右側面の2丁ずつの機銃は必須。
で、この条件に合致する機体はと探すと、意外に少ない。安っぽい機首のイラストは好みではありませんが、この現存するPANCHITOにすることに。
この機首の安っぽいイラストですが、これでも戦時のものから現代風にアレンジされているようです。
有名そうな機体だし、デカールはどこかにあるだろうと探し回ってやっとアメリカのサイトで見つけましたが、注文を受けてから印刷するという無在庫、家内工業のようなところ。価格も送料を含めて4千円以上だったような記憶。我ながらアホだと思います。自分で作ればよかった。ま、良質のデカールではありましたが。
機体全体は最近の写真を意識して、普通の銀色ではなく、ミスターカラーのSM201(スーパーファインシルバー)で塗装。結構ギラギラした感じに。特に汚し塗装はしていません。
Posted at 2025/06/22 10:34:10 | |
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