真木ようこですよ、真木よう子。そう、最近トヨタのSAIのCMでよく見る真木よう子。あのCM、気になりませんか?
さて、運転席の男性と助手席の真木よう子はどういう関係に見えますか? 中には、普通の男女、つまり未婚の男女に見えるって方もいらっしゃるかも知れませんね。でもね、スタートから9秒のところで(一瞬ですが)写る、ハンドルに置いた男の手を見てください。これが未婚の、せいぜい30代の男の手の甲に見えますか? 血管が浮き出た手の甲は、そうは見えないでしょ。
私はこのCMは、不倫を挑発する女と、そこそこ年配の男の組み合わせに見えます。そしてトヨタもそれを狙ってやってます。証拠もあります。9月15日付の産経新聞の記事です。
デザイン一発合格のトヨタ「SAI」 トヨタ社長「かーっこいい!」
開発者に聞いたインタビュー部分を引用しますと・・・
「客層を広げたいと思っている。初代モデルを開発したときは、団塊の世代の価値観はシンプルで健全な価値観をもっているだろうと思っていた。ただ、自分が段々その年に近づくと、色気はずっと持っているし、枯れていないぞ、と(笑)。シンプルな価値観だけではないことに気づいた。もうひとつ、彼らには30~40代の息子さんがいる。その人たちは色気のど真ん中。父親が車を買うときに『サイがいいよ』とアドバイスしたり、サイがほしいから親父に買ってもらおう、ということになるかもしれない」
ね、確信犯でしょ。30~40代の息子さんが団塊の世代の親父におねだりするって発想は噴飯ものですが、やはりメインのターゲットは団塊の世代。つまり今や職場での現役を降りた人達なんです。そんな人達が若い女に挑発されるなんて夢ですよね。夢を見せて商品を売る、ある意味王道です。宣伝に性的な要素を忍び込ませて気を引くのも昔からある王道ですから、これはこれでいいのかも知れません。ただ、団塊の世代が、そう簡単にトヨタが描いた夢を見てくれるかな?
上のインタビューでトヨタはもう一つ白状してますよね。客層を広げたい・・・つまり、今までSAIは狭い客層にしか売れなかったと。
世の中には車種にこだわりなどなくて、車は動けばそれでいいと思ってる人が少なからずいます。しかし団塊の世代ともなれば、ヴィッツやカローラでもいいかとなると、それはちょっと・・・と言う人も多い。SAIってそんな人向けの車だと思っていました。特に強い個性も無いけれど、ハイブリッドだし、環境にも優しくしてるっぽくて、そこそこステータスも表現してるし・・・って人が買う車ですよね。
トヨタのように下から上まで広範なラインナップを揃えている自動車会社では、そんな人たち向けの車も必要でしょう。ある意味、初めから、少なくとも爆発的なヒットなど期待していない車が。末期のコロナなんてそんな位置づけの車じゃなかったでしょうか?
最初に今回のSAIを見たとき、フルモデルチェンジかと思いました。大胆に変わって派手な顔つきになりましたからね。ところが、よく聞いてみるとマイナーチェンジ。トヨタ社内にどんな事情があったのかは分かりませんが、このSAIに大胆にテコ入れする方針転換が決定されたんでしょうね。そしてCMに真木よう子の起用です。
ここで、突然ですが、昔、中部地方でやってたローカルCMをご覧ください。「店員は無愛想だがカメラは安い」をキャッチフレーズに一頃は盛んにテレビCMを打ってた、アサヒドーカメラってお店のCM集です。ワハハ本舗のCMも面白いんですが、今回ご注目いただきたいのは、1分45秒からの「ミカとパパの物語」。
アサヒドーカメラ CM 詰め合わせ その1
当時、中部地方の親父たちはこのCMをニヤニヤしながら見てました。ところが、不倫を連想させるという横槍で放送打ち切り!
何を言いたいかってぇと、不倫を連想させるCMは危険だってこと。もちろん、道徳の話じゃありません。CMの製作側にとってリスクがあるんじゃないかってことです。SAIのCMは確かに微妙ではありますが、そういう危険性が全くないとは言いきれない。裏を返せば、SAIはそれくらいの危険を冒してでも売りたい、つまりモデル存続の危機だってことでしょう。それくらい焦ってる。
そう言えば、佐藤浩一が出てるマークXのCMも臭いよなぁ。ま、それはともかく、このCMで勘違いしたチョイ悪親父たちにSAIがバカ売れして息を吹き返したら、その時はトヨタのCM戦略に頭を下げましょう。そんなに商売は簡単じゃないと思いますが。だって、今までのSAIは女性も乗れましたが、こんなCM打たれたら女性は選択しにくくなりますしね。
私が、たとえば次の車としてこのSAIを選ぶかと聞かれれば、否ですね。だって夜はこんなんなるんですよ。こっ恥ずかしくて乗れません。
あ、でも、もれなく助手席に真木ようこが付いてくるなら、全生活を投げ打ってでも買います!
Posted at 2013/09/16 23:32:13 | |
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