先日の土曜日、ソフトテニス部に所属する次女の対外試合があって、朝早くから各務ヶ原市の中学校まで送ってやりました。
私の娘ですから運動関係のセンスはまるでありませんが、せっかくだから試合の様子でも撮ってやろうかと聞くと、
「頼むから絶対に止めて! 終わったら携帯に電話するから、それまでどっか行ってて!」
と、えらい剣幕。
まあ、友達に親を見られたくない年頃というものに、私自身、記憶がないわけでもないので、あっさりと引き下がりました。これも想定内の出来事。
こんなこともあろうかと、時間をつぶす場所も前もって考えておりました。前回にも触れました、私の鳥撮りのきっかけを作ってくれたBirderさんから、各務ヶ原市の蘇原自然公園にもカワセミが来ると聞いていましたので、そこに行ってみることにしました。
駐車場に車を停め、カメラを抱えて公園に入ると、すぐに三脚をセットした5・6人のカメラマンが目に入りました。ちょっとした広場の中央に1mくらいの高さのモミジの切り株が立っていて、一枝だけ紅葉した葉をつけています。それを取り囲むようにカメラがセットされていました。
ああ、ここがカワセミの・・・? いや、待てよ。池も小川もないところにカワセミが来るわけない。他の鳥か?
「あのぅ、どんな鳥が来るんですか?」
「ルリビタキ」
ルリビタキ? まあ、鳥に興味を持ち始めて日が浅いんですから、知らなくて当然ですが、その姿を想像すらできません。でも「瑠璃」。この響きには惹かれます。
瑠璃色(るりいろ)は、濃い赤味の青。名は、半貴石の瑠璃(ラピスラズリ、英: lapis lazuli)による。
(Wikipediaなどからの引用文は斜体で表示しております)
ところで、私以上の世代で瑠璃色と聞いて何を思い出すかと言えばこれ。
「ぼ、ぼ、僕らは少年探偵団・・・」で始まる「少年探偵団の歌」。
なんで「勇気凛々、瑠璃の色」なのか? っま、悩んでも仕方ないですね。
当時は瑠璃色がどんな色かなんて考えもしなかったなぁ。
しかし、この動画、少年探偵団の姑息さが笑わせてくれます。
で、私もその姿をカメラに納めようと、カメラマンさん達に混ぜてもらってルリビタキを待つことにしました。
こういう集団て、どことなく排他的な雰囲気が漂うものですが、初対面の私を暖かく迎えてくれたようで、待ってる間に私にリンゴやガムまでくれました。
運が良かったのか、いつもこうなのかは分かりませんが、それほど待つことなくルリビタキ君は現れてくれました。
瑠璃色ってこんな色なんだと確認しながらシャッターを切りました。一時間ほどの間にルリビタキ君は二回現れてくれ、お陰でこのような写真が撮れました。
どうしてルリビタキさんじゃなくて、ルリビタキ君なのか? 例によって全身瑠璃色なのはオスだけ。メスは尻尾が瑠璃色なだけで、全体的には薄緑っぽい褐色でオスに比べるとかなり地味です。
ルリビタキがどんな姿かは分かったんですが、いつもここにいる鳥なのか? 調べてみました。
夏季はユーラシア大陸の亜寒帯やヒマラヤ山脈で繁殖し、冬季はユーラシア大陸南部で越冬する。日本では基亜種が夏季に本州中部以北、四国で繁殖し、冬季になると本州中部以南で越冬(留鳥)する。
この「留鳥」って?
一年を通して、繁殖地(はんしょくち)と越冬(えっとう)を同じ場所で行う鳥のことを留鳥(りゅうちょう)といいます。
日本で見られる鳥の多くは留鳥が多いです。キジバト、セグロセキレイ、ヒヨドリなどは留鳥の代表的な例です。ハシブトガラスやハシボソガラスなどのカラスも留鳥です。
ところで、私が撮ったこの写真、ピントが甘いことは置いといて、何かでき過ぎのような気がしませんか? いや、自慢じゃないです。
赤いモミジを背景に緑の苔の上に瑠璃色の鳥。
実は種も仕掛けもあります。これは人工のステージなんです。
鈍感な私はカメラを構えてから暫くして気づいたんですが、考えてみれば広場の真ん中にこんな切り株が残ってるはずありません。
切り株は、シャッタースピードが稼げるように、日の当たる広場の真ん中に置き、その上に苔を載せ、背景に紅葉したモミジの枝を取り付けてありました。そして苔の上に餌をセットすれば、お腹を空かせたルリビタキ君がステージに乗ってくれると言う寸法。
正直、これに気付いたときは「ここまでするか」と思いました。
でも、松尾池のカワセミやカモも餌付けされてるようなもんだし、森の中を歩き回ってもルリビタキと出会える確率はかなり低い・・・・。ましてや私のような俄かバードウォッチャーには。
このカメラマンさん達も全然後ろめたさを感じていない訳でもないんです。
「こんな風にして撮ったなんて、サークルのメンバーには言えないもんなぁ」なんて言葉も聞こえてきました。
作為的な絵作りはともかく、野鳥を餌付けしてよいものか? モラルなんて言葉が浮かんできましたが、彼らの仕込みに便乗させてもらっている私に彼らを責める資格はありません。
ルリビタキが飛び立つと、カメラマンの一人がピンセットで透明の容器に入った何かを苔の上に載せています。他の人に聞いてみるとミルワームというものらしい。帰ってから調べてみると・・・
お見苦しいものをお見せしました。
ミールワーム(mealworm)、あるいはミルワームは、幼虫を飼育動物の生餌とするために飼育・増殖されているゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫の総称。加熱して人間が食べることもでき、ピーナッツのような味がする。
「人間が食べることもでき」だと?
誰か本当にピーナッツのような味がするのか試してくださいよ。私は口に入れようとは思いません。
ルリビタキのまずまずの成果が得られ、私はカメラマンさん達に挨拶してその場を切り上げ、カワセミを求めて移動することにしました。
結果からいうと、カワセミには会えませんでしたが、代わりに撮れたのがこれ。

(最後の2枚はトリミングしてあります)
ハクセキレイです。我が家や実家周辺でも良く見る、気になってた鳥です。この固体は右の羽を痛めているようですね。
ハクセキレイについても調べてみると、こんなことが・・・・
日本では北海道、本州で繁殖し、冬に多く見られる。1950年代には本州では青森県、岩手県でしか繁殖していなかったが、以後次第に南下し、1960年代には山形県、1970年代には神奈川県、1980年代には兵庫県、広島県まで広がった。海岸地方に限られていたものが、1970年代後半に川沿いに内陸へ入り、1980年代には長野県で繁殖が記録された。
今では良く見る鳥ですが、確かに子供の頃には見なかったような気がします。
しかし、これって温暖化の証拠なんでしょうか?
ん? 逆か! 寒冷化の証拠??
Posted at 2010/12/02 22:36:55 | |
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