もう、1週間前のことになりそうですが、11月27日の日曜日、航空自衛隊岐阜基地の航空祭に行ってきました。
かつては車で出掛けたこともありましたが、酷い渋滞に巻き込まれ、なかなか会場にたどり着けなかった忘れがたい記憶があります。今回は手堅く電車で向かうことにして、朝、名鉄新岐阜駅から8時過ぎの名鉄電車に乗り、会場近くの駅まで。車内はカメラバッグを背負ったオタク臭漂う男どもと子連れの家族で満員に近い状態。あ、俺もその一人か。
お天気は微妙でした。ギリギリ”晴れ”の内に入るかどうかってところ。全体に薄雲がかかり、青空と呼べる状態ではありませんでした。
昨年末に買ったカメラと150-500㎜のズームレンズで、飛び回る飛行機をどこまで追えるかを知ることも今回の目的の一つでしたが、この天候と逆光のせいか、歩留まりは悪く、ボツ写真を量産してしまいました。腕がどうこうという以前に、私がカメラとレンズの特性をよく把握していないんでしょうね。精進せねば。
ま、そんな中でもいくらか見れるものをご覧頂きたいと思いますが、全部で何枚撮ったと思います? カメラとパソコンを繋いでデータを転送するときに表示された枚数を見て、自分で噴いてしまいました。 1640! まあ、よくも撮ったもんです。これが昔のフィルムカメラなら、フィルム代とプリント代で給料が全て飛んでいくんじゃないかな。
F-15ですね。低空を飛んでくれるので、真横からの姿が撮れます。天候は背景を見ていただければ分かりますね。こんな具合です。
アフターバーナーを焚いたF-15の後姿。トリミングしてあります。
航空自衛隊岐阜基地をWikipediaで引くと、
日本国内に現存する飛行場では最も長い歴史を持つ。現在では、航空自衛隊で運用する航空機等の装備品に関する試験を行う部隊、飛行開発実験団を擁している。その為、航空自衛隊が運用する機種の大部分が配備されており、秋の航空祭では異機種混合飛行が見ることが出来、多くのファンが訪れる。
とあります。他の基地では特定の機種しか見ることができませんが、この岐阜基地では航空自衛隊のほとんどの機種が揃います。
で、お次は、言わずと知れたF-4ファントム。
こちらもアフターバーナーを焚いた斜め後ろからのショット。(トリミング)
そう言えば、このファントムの後継機であるF-Xを決める期限て、先月じゃなかったっけ?
ヴェイパーを引いて飛ぶF-2。ヴェイパーって何かって? またしてもWikipediaに頼ると・・・
ヴェイパー(Vapour)とは、航空機で起こる現象。一例としては、戦闘機が運動するときに、機体の一部(主翼の付け根、翼端等)からこぼれた空気が急減圧されることにより、空気中に含まれる水分が凝結作用により発生する。 航空ショーなどで戦闘機が高機動飛行を行う際に発生を確認しやすい。 また、湿度が高い時はより低速でも発生しやすい。
この日は湿度が高かったって証明のようなもんですな。
展示飛行を終えて着陸したF-2。こうして見るとF-2もカッコいいな。F-2は無理やり作られたF-16の双子みたいで好きになれず、キットも持ってないんですが、買ってみようかなぁ。
隣の小牧基地(飛行機なら5分もかからないような位置関係)から飛来したC-130輸送機。いまや自衛隊の国際貢献には欠かせない機体です。
この後、後ろのカーゴドアを開いたまま飛んだり、岐阜基地の滑走路横の芝生に着陸したり、更には地上でプロペラを逆回転させてバックしたりと、その能力を見せ付けていました。
今回、初めて見る機体がいくつかありましたが、この空中給油機KC-767もその一つ。小牧基地を飛び立ち、空中で岐阜基地のF-15と会合し、模擬空中給油を見せてくれました。
こんな低高度では実際に給油はできないと思いますが、もう少し近づいて実感を感じさせる距離で飛んで欲しかった。
しかし、このKC-767がとんでもないことをしてくれたんです!
空中給油場面から始まりますのでそれもご覧になっていただきたいのですが、問題はその後。
滑走路南側、つまり順光側からの撮影です。
救難場面以降は飛ばしてください。
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私がいたのは、滑走路北側で、下の動画と同じような光景を目にしたわけです。
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会場全体がどよめきに包まれまれ、私も見ていて思わず「オーッ」と声が出てしまいました。他の基地から飛来した戦闘機などが、帰り際に翼を振って挨拶して帰ることはよくありますが、旅客機ベースの飛行機があの高度であの機動ですよ。KC-767は一度も岐阜基地に降りずに小牧に帰りましたが、きっとパイロットは上官に大目玉を食らったと思います。
でも、お祭りですからね。目立ったもん勝ちですよね。しかし、これは後々までの語り草になりそうです。いいもん見せてもらいました。
ところで、戦闘機の空中給油と言えば、私以上の世代だと思い出す話があります。
日本に導入された初期のファントムには背中に空中給油装置があり、給油機があれば空中給油ができる状態でした。ところが1973年に、当時の社会党や共産党が周辺国に脅威を与えるとしてそれを追求。政府はすぐにばれるような嘘をついてまで逃れようとしたため、結局、ファントムから空中給油装置を外すことになったという経緯がありました。それが今や自前の空中給油機を持つようになったわけですから、隔世の感というやつですね。
ここからは、地上展示機についてご紹介します。
これも今回初お目見えの航空自衛隊の次期輸送機XC-2。私の昨年1月のブログ「
やっと飛んだ 」でご紹介した機体です。これは2号機になります。
私が注目してるのはその塗装。今までの自衛隊機のどれにも似ていない塗装です。しかもセンスがいい! 一体、だれのデザインなんでしょう。でも何に溶け込もうとする迷彩なのかが分からない。誰か教えて。
観客と比べてみると、いかに大きな機体か分かると思います。これで自衛隊の国際貢献の幅も広がるってことですが、PKOに参加するかどうかで国会で揉めてた時期を思い出すと、これも隔世の感です。
因みに、インドがこの機体に興味を示しているとどっかの雑誌で読んだことがありますね。輸送機だから武器じゃないでしょ。輸出してもいいんじゃない? ダメ?
UH-60J。ヘリだって、派手な機動じゃ負けてません。機体を傾けたまま飛び回ってました。
はるばる三沢基地から来たE-2C早期警戒機。どことなくユーモラスな顔をしてます。導入のきっかけは、例のベレンコ中尉のミグ25事件でしたっけ。
三重県にある陸自明野基地から来たAH-1。コブラと呼ばれる攻撃ヘリです。コブラは岐阜基地航空祭の常連ですが、明野にはアパッチもあるはず。一度、アパッチをよこしてもらえんだろうか。
入間基地から来たRF-4E。偵察用のファントム。基地開設50周年の記念塗装機で、当時のF86の塗装を模した塗装。
格納庫内で展示されていた、F-15用のF-100エンジンを排気口から撮った写真。中はこうなってます。
上のエンジンの排気口を横から見たところ。導入の頃は排気口にカバーがかけられていたんですが、米空軍がカバーを外してから、自衛隊も外すようになりました。これを模型で表現するのは大変です。
ここからは、航空祭の華、ブルーインパルス。
滑走路にきれいにならんだブルーインパルス。機番がないのは予備機。
パイロットの一人は地元の加納高校出身だと紹介されてました。
4機揃って離陸。あとは説明の必要はないでしょう。ご覧ください。あ、例のハートに矢だとかスタークロスだとかは、いい写真が撮れなかったんで、割愛させていただきます。
場内に「ブルーインパルスからの一足早いクリスマスプレゼントです。」とアナウンスが流れ、始まったのがこの演技。初めて見ました。
クリスマスツリーなんだそうです。スモークも含めてツリーなのかと思ってましたが、3機で作る三角形が上下に二つ重なってモミの木を表してるんだそうです。
着陸するとすぐに整備が始まります。整備士さん達の名前も紹介されてました。滑走路でできる整備なんて限られると思うんですが、整備も含めて展示なんでしょうね。
3月に東日本大震災が起き、現地で捜索や復旧活動に従事する自衛隊員を見て、「ああ、今年の航空祭は一つもないな」と思いました。偶然に難を逃れたとは言え、ブルーインパルスのホームベースはあの松島空港の松島基地ですし、当時は日本中に自粛ムードが漂い、航空祭ができるような雰囲気じゃありませんでしたからね。
おそらく自粛すべしとの意見もあったと思います。それがこうしてちゃんと実施され、私達の目を楽しませてくれました。英断だったのかも知れません。