
前回のブログがトラだったから、今回はジャガーで・・・なんてわけではありませんが、今回ご紹介するのは、PLANET社の1/72 XF10F-1 Jaguarです。
猫族の機名からお分かりのように、実機はグラマン社の開発した機体です。グラマン社といえば映画「TOP GUN」でも有名になったF-14を製造した航空機メーカー(1994年にノースロップ社と合併して現在はノースロップ・グラマン社)。
F-14といえば可変翼の代表的な機体。米軍だとこの他に戦闘爆撃機のF-111、爆撃機B-1などが挙げられるでしょうか。ロシア空軍でも戦闘機だとMIG-23、MIG-27、爆撃機でもブラックジャックなんてのがありましたっけ。いずれも比較的最近の機体ばかりですが、実は私が生まれる前にも、試作機で終わりはしたものの、可変翼機が存在したことをご存知でしょうか? それが今回ご紹介するXF10F-1 Jaguarです。
例によってWikipediaの受け売りですが・・・
F10Fの開発は戦後すぐの1947年に始まりましたが、開発段階で海軍が順次要求を拡大していったために、要求仕様を満たすために1949年に思い切って可変後退翼の採用を決めました。
主翼後退角は13.5度から42.5度まで変化し、重心の変化を抑えるため、後退角を増すごとに主翼取り付け位置が前方へと移動するという凝った機構を採用していました。
1952年5月19日に初飛行しましたが、機構の複雑性による重量過大・低整備性と、搭載するジェットエンジンJ40が非力であった事により、期待した性能を発揮できませんでした。特に後退角の変化により飛行特性が変化するため、非常に操縦がやりにくい機体になってしまったのが、一番の難点でした。後の実用可変後退翼機は、電子技術による補正で飛行特性が変化しても操縦特性が変わらないようにしていますが、この時代の技術では不可能でした。そしてスチームカタパルトとアングルド・デッキの実用化により、空母での離着艦が容易になった事が、本機の開発意義を失わせました。計112機が発注されていましたが、1953年4月に計画はキャンセルされました。
ここからキットのご紹介。キットのメーカーは PLANET models という、マイナーな機体しか商品化しないチェコの会社。お値段は5,460円もしました。まあ、私も安いとは思いませんが、マイナーな機体でフルレジンのキットですから、このくらいでしょう。よく行く模型店で取り寄せてもらったんですが、ネットで検索するともっと高い価格のものばかりでちょっと得した気にもなってるくらいです。
コクピットとシート。
分かりやすくするために墨入れがしてあります。コクピットの下は前脚の収容庫になっています。シートの出来はまあまあと言ったところでしょうか。コクピットの方は・・・・。でも資料もないので手の入れようがありません。
左から水平尾翼と垂直尾翼。
可変翼がこの機体の最大の特徴であることは間違いありませんが、このデルタ翼機を小さくしたような水平尾翼も他で見たことがありません。
左側胴体。
まるでサツマイモ。インテイクは開口しているものの、スライド金型など使ってあるはずもなく、穴があいてるだけで、インテークダクトもなければ、インテークリップもありません。何もしないわけにはいかないでしょうね。
左主翼上面。
実はマイナーな機体にも関わらず、1/72ではもう1社、ANiGRANDというアメリカの会社からもこの機体のキットが出ていまして、そのキットは大方のF-14のキットの主翼と同様に歯車で両翼が展開したりしますが、このキットは開閉を選択して固定です。
デカール。
そこそこ良質なものに見えます。デカールの品質保護のためにこの袋は開封していません。作るのが何年先になるか分かりませんからね。
キャノピー。
バキューフォームのキャノピーが二つ入っていました。予備があるのは安心できます。
組説。
左上の図を見ていただくと、主翼の開閉どちらかの状態を選択し、それに合わせて付け根の一部を削れと指示があります。いかに瞬間接着剤が強力だと言ってもイモ付けでは主翼はもげるでしょうね。ここは胴体を貫通する桁を作るなどして主翼を固定させるべきでしょう。
完成した姿。
2009年の岐阜コクピットの展示会で展示してあった作品です。主翼のフラップを切り離し、下げ状態にしてあるなど、あちこちに手が入れてあり、かなり達者な方の作品とお見受けしました。
今にして思えば、この作品が頭の隅にあって、今回、買おうとしたのかも知れません。
さ、点検も済んだし、積んどくか。
Posted at 2013/01/14 23:30:50 | |
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