
ネタが無い時の ChatGPT 頼み。いや、中国の新手の Deep Seek も気になってきましたが、今回は慣れた ChatGPT で。
これまで
「占う」と「占める」、
「易の意味」と、一つの漢字が二つの離れた意味を持っていることが不思議で ChatGPT にその経緯を尋ねてきましたが、今回は英語。
ふと、そう言えば酒場を意味する bar と、棒を意味する bar が同じ綴りであることに気づきました。語源が同じである可能性はあるかも知れないが、どうしてそうなったのか? どちらの意味が先なのか?(棒の方が先である可能性は高いだろうが)ChatGPT に聞いてみました。いや~、聞いてみないと分かんないもんですよ。
問1.酒場を意味するbarと棒を意味するbarの語源は同一か?
はい、**酒場を意味する「bar」と棒を意味する「bar」**は、語源的には同じ単語から派生しています。
語源について
両方の「bar」は、**ラテン語の「barra」(棒、障害物)**に由来します。この単語が古フランス語を経て、中英語の「bar」として英語に入ってきました。
棒(bar)としての意味の発展
「bar」はもともと**「棒」や「横木」**を指していました。
そこから「障害物」「仕切り」「横木のようなもの」という意味が生まれました。
例えば、「prison bars(牢屋の鉄格子)」や「barrier(バリア、障壁)」もこの派生です。
酒場(bar)の意味の発展
昔の酒場では、カウンターの前に「横木(bar)」を設置して、客が乗り越えないようにしていました。
この「bar(仕切り)」が転じて、酒を飲むカウンターそのもの、さらには酒場全体を指すようになったのです。
結論
酒場の「bar」と棒の「bar」は、もともと同じ語源(ラテン語の「barra」)を持ち、「仕切る棒」から「酒場のカウンター」、そして「酒場」という意味へと発展しました。
問2.先の質問の回答にある「中英語」とは?
**中英語(Middle English)**とは、1150年頃から1500年頃までの英語の形態を指します。この時期の英語は、**古英語(Old English, 450年頃〜1150年頃)と近代英語(Modern English, 1500年頃〜現在)**の間に位置します。
中英語の特徴
ノルマン・コンクエスト(1066年)の影響
1066年、ノルマンディー公ウィリアム(後のイングランド王ウィリアム1世)がイングランドを征服し、フランス語(特にノルマン・フランス語)が上流階級の言語になりました。
その影響で、多くのフランス語の単語が英語に入ってきました(例:government, justice, beef, pork など)。
古英語の文法の単純化
古英語では名詞の格変化(主格・対格・与格・属格など)があったが、中英語ではそれが大幅に簡略化されました。
動詞の活用も簡単になり、現代英語に近い形に変化しました。
地域ごとに異なる方言
中英語は標準化されておらず、地域ごとに大きく異なる方言(ノーサンブリア方言、マーシア方言、ウェスト・サクソン方言など)がありました。
しかし、14世紀になると、ロンドン方言(主に東ミッドランド方言)が標準英語の基盤になりました。
印刷技術の発展と英語の標準化
1476年、ウィリアム・キャクストンがイングランドで活版印刷機を導入し、書かれる英語が次第に統一されるようになりました。
代表的な中英語の文学
ジェフリー・チョーサー(Geoffrey Chaucer)の『カンタベリー物語(The Canterbury Tales)』
14世紀末に書かれた物語で、中英語の代表的な作品です。
中英語の例
次は、『カンタベリー物語』の冒頭の一節です。
中英語(14世紀)
Whan that Aprill with his shoures soote
The droghte of March hath perced to the roote
現代英語訳
When April with its sweet showers
Has pierced the drought of March to the root
このように、中英語は現代英語とは異なるが、古英語よりは理解しやすい形になっています。
結論
中英語は、1150年から1500年頃に使われた英語で、フランス語の影響を受けながら、古英語の文法を単純化し、現代英語の基礎を作った時代の英語です。
問3.棒を意味するbarが酒場の意味も持つようになったのはいつ頃からか?
「bar」が「酒場」を意味するようになったのは、16世紀後半から17世紀頃と考えられています。
時系列で見る「bar」の意味の変化
「bar」=棒・横木(12世紀以前)
「bar」という単語は、**ラテン語「barra」(棒、障害物)**に由来し、古フランス語を経て中英語に入った。
もともとは「棒」「横木」「仕切り」などの意味で使われていた。
「bar」=仕切り、柵(14世紀)
英語では、法廷や市場などで使われる「仕切り」や「障壁」を指す言葉として使われるようになった。
例:「behind bars(牢屋の鉄格子の後ろ)」のように、物理的な仕切りを意味する用法が確立。
「bar」=カウンター(16世紀)
16世紀になると、酒場で酒を提供するカウンターを「bar」と呼ぶようになった。
これは、酒場のカウンターの前に設置された「横木(bar)」が由来。
当時の酒場では、客が酒を飲むカウンターの前に「仕切りの棒(bar)」を設置し、店員との間を区切っていた。
「bar」=酒場(17世紀)
17世紀には、カウンターがある場所全体を指して「bar」と呼ぶようになった。
この時点で「bar」は「酒を提供する場所(酒場)」という意味を持つようになった。
辞書での記録
オックスフォード英語辞典(OED)によると、「bar」が「酒場」を指す最古の記録は1630年頃とされている。
ただし、16世紀後半にはすでにカウンターの意味で使われていたため、そこから自然に派生したと考えられる。
まとめ
「bar」はもともと「棒・横木」という意味だった。
14世紀頃には「仕切り」「障害物」の意味として使われた。
16世紀に**「酒場のカウンター」**の意味が生まれ、
17世紀には**「酒場全体」**を指すようになった。
つまり、16世紀後半〜17世紀頃にかけて「bar」が酒場の意味を持つようになったと考えられます。
こうなると、かつて酒場のカウンターにあったという棒の絵を見たくなりますが、見つかりませんでした。そして酒場が bar と呼ばれる前はどう呼ばれていたかも気になりますね。