近年見たアニメーションの続き。その5。
これでいったん終わりにする予定。
豊郷小学校旧校舎群の話の中で書いてしまったため、今更な感じがしないでもないが、けいおん!である。
ラブライブ!を調べていたらちょこちょこ比較作品として名前が出ていたので、見た結果がこれである。
コミックが原作だが、私はコミック原作の方を一切見ていない。見たのはアニメーション版のみである。
1期(2009年)が全14話(番外編含む)、2期(2010年)が全27話(番外編含む)、劇場版(2011年)が1本。
部活動を中心とした日常を描いたものと言えるだろうか。
楽しく平和な日常と学校生活。極端に言えば、それだけ。
大きな事件も起こらないし、不幸な出来事も何もない。ラブコメ要素もない。
スポ根的な要素もない。
これで成立するのが凄いと思う。
ただし、作品内でも時間は経過していく。この辺が時間が進まないサザエさんとか、じゃりン子チエ(世代がばれるな[笑])との違いか。日常の出来事の積み重ねが進行していく。
作画はテレビ作品としてはかなり丁寧な部類。
主要な登場人物が軽音部の部員であるため、楽器の演奏シーンやライブシーンがあったりするわけだが、これをちゃんと描いていたりするわけである。
実はライブシーンはそう多くはないし、楽器の演奏シーンにしても、楽器自体はフレームアウトしていて、楽器が見えなかったりというのも、ままある。
それでも、歌との口パクはちゃんとしているし、動きも曲に合わせてあったりするので、テレビ作品としてはかなり大変だっただろうなあ、と思う。
どの位大変かというのは、涼宮ハルヒの憂鬱で登場した演奏シーンが参考になる。
同じ京都アニメーションの製作であるため、けいおん!の作画スタッフもハルヒでも名前が出ている。
通常、原画マンは8人位で作っているところを21人まで増やして対応したとの事である。
問題のライブシーンだが、歌の部分で演奏の作画があるのは約3分。
MCの部分を入れるともう少し長くなるが、この3~4分位のために8人が21人まで必要になるわけである。
エンディングでの原画のスタッフ数を見るとよく分かる。この回だけかなり多い。
演奏シーンとなると、アフレコではなく、プレスコになってしまう。
音が先にあって、絵を音に合わせて描く事になるからだ。
日本のアニメーション作品の場合、ほとんどの場合、セリフはアフレコだが、まれにプレスコのものもある。
まあ、ほとんどないだろうが、記憶にある作品の中では「火垂るの墓」の節子の声がプレスコだったはずである。
話を戻そう。
音に合わせる必要から、適当に描けないわけである。当たり前であるが。
ましてや、音楽に合わせるとなると、タイミングがずれるだけで絵がおかしくなってしまう。
口パクも楽器の演奏もテレビ作品としてはよく描いたなと思う。
日常の動作とかも割と丁寧に描かれていて、好感が持てる。
京都アニメーションの特徴だろうか、キャラクターの足の動きで感情表現をするカットも割とある。
外国人の反応などを掲載しているサイトでこの作品の反応も見てみたが、やはり、最終話で泣いたという反応が結構多い。それより少し前のラストライブとなる学園祭の話でも同様の反応が多い。
卒業式の話など、劇的な場面があるわけでもないのだが、演出で見せているわけである。
この演出は、話を積み重ねていないと出来ないもので、話数を積み重ねて登場人物の感情の変化等をちゃんと描いていないと成立しない。
2009年の始まったものを今頃になって見たわけだが、素直に面白かった。しかし、なぜ深夜アニメの枠でなければいけなかったのだろうか。
エロもグロも暴力もないから、普通の時間帯で放送しても特に問題にならないと思うが、万人に受けるかどうかは微妙かもしれない。
それにしても、ラブライブ!と比較していたのは何故なんだろうと、考えてみると一つの理由は脚本家であろう。
花田十輝氏である。
けいおん!では何本か脚本を書いている。ラブライブ!ではシリーズ構成と全ての話の脚本を手がけている(サンシャインを含む)。
前にも少し書いたと思うが、ラブライブ!1期10話とけいおん!1期4話は合宿の話であり、構成が非常に似ている。
脚本は両方とも花田氏である。
キャラクターの性格設定なども類似点があり、そのような要素も比較される理由なのかもしれない。
またこの花田氏の脚本には特徴があり、割と強引に話を盛り上げるようなシーンを入れる事がままある。
それにしても、今この人は売れているということなのだろうか。
ライブシーンや演奏シーンが凄いと言う事で、ラブライブ!やけいおん!を見た結果、今度は「響け!ユーフォニアム」という作品に行き当たったのだ。
これも去年放送が終わった作品だが、今年の10月から2期の放送が始まるそうである。
そして、シリーズ構成と脚本がまたしても花田十輝氏なのだ。(^^;
なんなんだ一体。
豊郷小学校旧校舎群の別棟になる、酬徳記念館内。
これがけいおん!での図書館のモデルと思われる。
奥の方に展示されている楽器類。
寄贈品のようだが、結構な金額になると思う。
さらにこの二階に展示されていたのが…。
けいおん!のグッズ(?)だらけの空間。(^^;
最初こういう展示があるのは知らなかったのだが、向かい側の二階に何やら見えるよな、と気付いたのである。
それが、これ。
まあ、文化財という雰囲気ではないわな。(^^)
豊郷町は観光客の減少で困っているというような、報道記事を最近見たが、観光資源が少ないわな。
豊郷小学校旧校舎群もけいおん!が関係しなかったら、少なくなったとはいえ、外国からも見に来てくれるような場所にはならなかっただろう。
三階の部室のホワイトボードとか黒板とかを見たら、外国語の書き込みがあったりするからである。
アニメーションの話はこの辺でいったん終わりにして、次は時代劇の事でも書くかな。