2012年のドイツ車を振り返る…アウディ編です。
まず、い~ちばん←
A1スポーツバック発売
待ちに待ったA1の5ドアモデルですね。ドイツ本国などのヨーロッパでは1月、日本へは6月から発売が開始されました。
全長が3ドアとまったく同じ
(ただし全幅と全高は、3ドアより6mm拡大されている)になっていることだけでなく、日本で発表されて以降、バージョンの違うテレビCMを、夏と秋に約3本
(私が確認できたのは、いずれも15秒版のフェア告知ありバージョンでした)を流したのも、私的に驚きでした。
に~ばん←
A3&S3、本国でフルモデルチェンジ
VWのゴルフⅦなどに先駆けて、次世代のMQBプラットフォームを採用したモデルとして登場した新型A3は、まず3月のジュネーブショーで3ドアが、10月のパリサロンでは5ドアのスポーツバックと、高性能なS3
(3ドアモデル)がそれぞれ発表されました。
とくに3ドアモデルは、4237mmという全長と1421mmという全高は従来型と同じであるものの、A1が登場している関係もあってか、全幅とホイールベースは多少拡大されていますが、私が見た限りでは、フロントのデザインなどから『間延びしたA1』という感じが強く出ているように思えました。
さ~んばん←
A6ハイブリッドとQ3の日本導入
A6ハイブリッドの日本仕様は、奇しくもBMWのF25 X3 xDrive20d BluePerformanceと同じく9月24日に発表されましたね。
このモデルは、すでに本国でA6・A8・Q5とラインナップされているハイブリッド車シリーズの日本導入第一弾として発表され、日本仕様のA6としては史上初となる4気筒エンジンを搭載したモデルであるほか、先代A6のマイチェン前のモデルにラインナップされていた、V6エンジンの「2.4」以来となる2WD
(FF)仕様でもあります。
10月半ばからO.AされたテレビCMでは、いつものドイツ本国の制作によるものではなく、アウディ ジャパンとしては珍しく、アメリカで制作されたものの焼き直しが放送されました。
また、このA6ハイブリッドのCMから
「For Motorsport from Production(=モータースポーツで培った技術を、市販車にも)」と題し、冒頭で今年のル・マン参戦マシンである『R18 TDI e-tron クワトロ』と、A6ハイブリッドやA1スポーツバック、A4セダンといった各モデルの正面画像が映し出されたものが挿入されています。
そしてQ3は、5月に本国よりも1年遅れて導入が開始されました。
個人的にQ3は、本国で発表されたときから気になっていたモデルの一台でしたが…
ボディサイズこそ少し異なりますが、
E84 X1を徹底的に意識した車というイメージがどことなく強いんです。

その証拠に、ボディカラーを改めて見ると、画像上の『カリブーブラウン』と『サモアオレンジ』は、E84 X1の『マラケシュブラウン』と『バレンシアオレンジ』と瓜二つに見えますね。(笑)
Q3の『カリブーブラウン』は、E84 X1のデビュー時
(=マイチェン前)のイメージカラーが『マラケシュブラウン』だったので、あえてそれを意識し、逆にX1のマイチェン後に追加された『バレンシアオレンジ』は、Q3の『サモアオレンジ』を意識して用意されたようにも思えます。
本当に最近のアウディは、BMWの真似事ばかりで…(爆)
あとはディーゼルの2.0TDIも、来年以降に日本市場に導入すれば、間違いなく他のライバルにも影響してくるです。
よ~んばん←
R8 e-tron、ニュルブルクリンクでEV最高タイムを樹立
このブログでは取り上げませんでしたが、R8をベースにしたEV
(電気自動車)の『R8 e-tron』が、6月にニュルブルクリンク
(ノルドシュライフェ)で行ったタイムアタックにおいて、EVとしては新記録となる8分9秒099というタイムを叩き出しました。
『R8 e-tron』は、前後アクスルにそれぞれ2個、合計4個のモーターを搭載し、最大出力は313馬力で、最大トルクは500kgmを発生しています。使用されている二次電池は、蓄電容量49kWhのリチウムイオンバッテリーが用いられ、4輪を駆動するクワトロとなり、0-100km/h加速4.6秒、最高速200km/h(リミッター作動)を誇り、1回の充電でなんと最大航続距離215kmの性能を実現したのだそうです。
この『R8 e-tron』をドライブしたドライバーのマルクス・ヴィンケルホックは、「今回のR8 e-tronはあくまで量産モデルであり、レーシングカーのような空力のアシストはありません。しかし、低重心化とリヤ寄りの重量配分により、非常にスポーティなキャラクターを発揮してくれました。電気モーター特有のトルク特性のおかげで、上りでは今まで体験したことのない加速フィールが感じられました。スタート時にも、ほとんどノイズが出ないのですから、まったく新しい経験でした。トラクションが必要なセクションでは、トルクベクタリング(駆動輪間でトルクを最適配分するシステム)の効果に大いに助けられました。」とコメントしています。
そしてモータースポーツでは、スーパーGTのGT300クラスに、3チームから4台のR8 LMS ウルトラが参戦を開始したり、ル・マン24時間レースでは、2台のR18 TDI e-tron クワトロと旧型を改良したR18 ウルトラを走らせ、最大のライバルと言われていたトヨタ・TS030ハイブリッドを圧倒する速さを見せ、結局ブノワ・トレルイエらが操ったe-tron クワトロの1号車が見事総合優勝を果たし、メーカー通算11勝目を達成しました。
【アウディの2013年は…】
本国では前述の新型S3やRS6アバントなどの販売が開始され、日本市場ではQ5とA8のハイブリッドや、新型のA3スポーツバックなどが中心となるでしょう。
このうちA3スポーツバックについては、ある雑誌によると、導入時期は来秋まで待たなければならないそうです。
モータースポーツにおいては、BMW勢と同様にDTM
(ドイツツーリングカー選手権)の参戦ドライバーが8人となり、メルセデスから移籍のジェイミー・グリーンをはじめとした体勢でタイトル奪還を目指します。
そしてル・マンを含めたWEC
(世界耐久選手権)では、ドライバー体制はトレルイエやトム・クリステンセンといったおなじみのドライバーを中心にシーズンを戦い、今年走らせた『R18 e-tron クワトロ』をより発展させたニューマシンで参戦すると予想されます。
あとは、今秋に開催されたワークショップで発表されているV6の電動ターボディーゼルエンジンが、本国仕様のA6などに積まれてラインナップされるかにも注目したいところです。
残るはあと2メーカーですが、次回はメルセデス・ベンツ編です。
Posted at 2012/12/29 12:54:21 |
ドイツ車(アウディ) | クルマ