既に2月も後半ですが、皆さん、今年の干支を覚えておいででしょうか?
そう、兎。
年が明けてすぐにでもこれをご覧頂きたかったんですが、今年の干支を忘れてしまいそうな時期になってしまいました。
かつて、干支に因んだマーキングの機体の模型を作り、その写真で年賀状を作っていたことは何度かご紹介しております。(「
干支に因んだ飛行機年賀状」参照)
そこで8枚の年賀状をご紹介しておりますが、兎年のはありません。12年前の兎年用に作ったのが今回ご紹介する画像のF-4J ファントムⅡ Black Bunny です。
全面グロッシーブラックの機体に、白いプレイボーイのマーク。こんなオシャレなファントムもあったのかと、驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ファントムファンには有名な機体です。ひょっとすると、最も人気のあるファントムかもしれません。
その年の年賀状はデータを紛失してしまいご紹介することはできませんが、残っていたとしても酷い出来でして、お見せできるような代物ではありませんでした。幸い機体はほとんど無傷でしたので改めて撮り直しました。
12年前と言えば、長女は5歳で次女が1歳。我家ではその頃、屋内での塗装禁止令が敷かれており、困った私は職場に一式を持ち込み、昼休みに寒~い地下倉庫でシコシコとこれを作ったのでありました。あの時の私を褒めてやりたい、よくやったよ、ホントに。
エアブラシまでは持ち込めず、筆塗りで塗装し、一生懸命磨いてこの艶を出した覚えがあります。
他にも画像があります。フォトギャラリーをご覧になってください。
一緒に添えたファントムと同じ1/72のミニカーはセリカ・リフトバックとフォードF-150。セリカ・リフトバックは1973年に生産が始まっていますから、年代考証的には矛盾はありませんが、フォードのトラックの方は・・・・。ま、雰囲気優先てことで。
F-4J Black Bunny (1)
F-4J Black Bunny (2)
エ~、ここから先はちょっとマニアックな話になります。私の記憶の整理的な意味合いもあります。興味のある方だけどうぞ。
【実機について】
この機体が所属するアメリカ海軍のVX-4は、戦闘機の運用および空対空兵器の開発試験などを任務としており、その一環として各種の塗装を試験的に行っていました。そして耐腐食性新塗料の試験に際し、新塗料が黒色しかなかったため、こんな塗装になりました。
実は最初はこんなでした。
73年の実機写真です。兎のマークにご注目。間の抜けた兎でしょ。
おそらく米海軍といえどもプレイボーイのマークをそのまま機体に描くわけには行かず、こんな姑息なコピーになったのではないかと思われます。
ところが・・・・。
76年の写真です。機体後部側面の機体番号で上と同一の機体であることが確認できます。つまり、この頃、どうやらプレイボーイ社から正式の許諾を得てちゃんとしたウサギちゃんになったようです。しかし、なぜか、背中と翼端に描かれた青地に星のストライプがなくなり、派手さが激減。寂しい機体になってしまいました。
実は、私の作例は、この機体の変遷のいいとこ取りなんです。青いストライプもあるのに、ちゃんとしたウサギちゃん。つまりこのままのマーキングの時期は存在しなかったのではないかと思われます。
F-4J型の延命改修型であるF-4S型でも Black Bunny は存在しました。
そして、最近の Black Bunny 。
勤めを終え、飛行機の墓場デビスモンサンで眠る Black Bunny 。黒いペンキが剥げて消されたウサギちゃんが見え隠れしています。
ネットで検索すると、どうやらこの機体を保存しようという運動もあるようです。
【キットについて】
人気のある機体であるにも関わらず1/72のF-4ファントムは、長い間、いいキットに恵まれませんでした。古くは60年代発売のレベルB型、ハセガワJ型などがありましたが、間違いも多く制作意欲が起きるものではありませんでした。
83年になって、イタリアのエッシー社がやっと新しいキットを発売しました。繊細な全面スジボリモールドと 見事なスタイルで その後のファントムモデルの方向性を決めた記念碑的キットでした。
私もその時は喜び勇んで、一気に5箱買いました。その後、ハセガワ、フジミが後を追うように良質のファントムを送り出しました。
今回のF-4Jファントムは、その5箱の内の一つです。ただし、水平尾翼(水平じゃないけどね)と脚はハセガワのキットから持ってきました。シートもそうだったかも知れません。
Black Bunny(ハセガワはBlack Phantom と呼んでいる)は人気の機体ですから、各社から各スケールで発売されています。ハセガワはつい最近も再販しています。
私の作例に使用したデカールは、ハセガワの最初のBlack Phantom に入っていたものです。現在再販されているものとは違い、コーションデータが豊富に入っており、薄くて良質のものでした。しかし、12年も経つと国籍マークの白い部分は黄ばんでしまっているのが残念です。プレイボーイマークは白いデカールから切り出して貼りました。ここは変色していないようです。
実はそのハセガワの最初のBlack Phantom は買い逃していました。デカールだけをハセガワから取り寄せようと電話すると、そのキットは持っているのかと聞かれました。正直に持っていないと答えると「ホントはいけないんですよ」と言いつつ、送ってくれました。あの時のハセガワのお姉さん、ありがとう!
Posted at 2011/02/20 02:31:29 | |
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