「銀残し」ってご存知でしょうか? Wikipediaから抜粋ですが・・・
銀残し(ぎんのこし)は、フィルムや印画紙での現像手法の一つで、一般的に映画の現像で行われるもののことを言うが、写真のカラープリントでも同様の作業が可能である。英語ではブリーチバイパス(bleach bypass)と云う。この作業により映像の暗部が非常に暗くなり、画面のコントラストが強くなるので引き締まった映像になる。又、彩度の低い渋い色にもなる。
1960年の日本映画『おとうと』(市川崑監督作品)で、初めて実用化された。
日本で生まれた技術だが、世界中で使われている。大映社員のカメラマン、宮川一夫がこの手法を完成させた。この手法は輸出されアメリカ映画『セブン』で用いられた。
ま、とにかくモノクロっぽく渋く写る現像方法なんですよ。私が昨年末買った、ペンタックスのK-5というカメラには、この銀残しで撮るモードがあり、ネット上でも作例が多くアップされています。そして、この機能を生かせる被写体として私が前から目を付けていたのが円空仏。
円空ってご存知ですよね? 親しみを込めて円空さんと呼ばれたりもしますが、江戸時代の修行僧で全国を歩き、行く先々で仏像を彫り、その総数は12万体とも言われています。
この円空が生まれたのが私の実家のある羽島市で、実家から車で15分ほどのところに円空仏を展示した中観音堂というお寺(?)と円空資料館があります。4年前に前のカメラを買ったときもここで円空仏を試し撮りしましたが、今回はその時以来。
温帯低気圧の影響で時折強い雨が降る先週の土曜。観覧者は私一人。暇そうな留守番のおばちゃんが出迎えてくれました。
そのおばちゃんに恨みはありませんが、悲しかった。円空仏が木の格子で囲われていたんです。4年前は遮るものは何も無く、触りはしませんが触ろうと思えば触れる状態だったのに。しかも300円取られました。前回は無料だったのに・・・。
格子の間からレンズを突き出して撮った写真を、”銀残し”でご覧ください。
十二面観音像。円空仏で最大のものだそうです。
聖徳太子像。やさしい顔立ち。
金剛力士像。これは力強い。
上の金剛力士像の顔。いかめしい顔。これだけは4年前に撮った写真です。銀残しでもありません。
護法神像(の複製だと思う)。ここからは、隣接する資料館の仏像です。名古屋市中川区にある荒子観音にある仏像(の複製?)です。円空らしい作品の一つ。
円空仏の分布図。中部地方を中心に北は北海道、南は四国にまであります。そのまま円空が歩いた範囲です。
因みに、円空(えんくう、寛永9年(1632年) - 元禄8年7月15日(1695年8月24日))。間宮林蔵(まみや りんぞう、安永9年(1780年) - 天保15年2月26日(1844年4月13日))。
円空が北海道(当時は蝦夷)を歩いたのは、間宮林蔵のずっと前。
自刻像。自分で自分の顔を描くのは自画像。自分の像を彫るのは自刻像と言うらしい。
これぞ円空仏の真骨頂! 木っ端を刻んだ仏様(これも荒子観音所蔵の複製)3体。円空はとにかく手当たり次第に仏を彫りました。
上の3体の真ん中の仏様のクローズアップ。やさしい顔をしています。
最後に愛車も銀残しで。久し振りに愛車を撮りました。銀残しだと汚れもキズも隠れて、渋くてシャープに見えるぜ。
Posted at 2011/05/30 23:38:35 | |
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