2013年03月24日
雪道 (1)
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私はかつて書店に勤めていたが、近年の不況の煽りで閉店してしまい、出版社の営業に転職した。時に2003年6月の事である。
そして、2003年12月19日。
私はその営業の仕事で、鳥取県倉吉市へ向かっていた。
大阪から中国自動車道を走って、米子自動車道に入るルートだった。
関西圏を走っている間は何事もなく、天気も晴れていて、順調だった。場所によっては若干曇っていたかもしれないが、雨や雪が降るようなことはなかった。
交通事故などによる渋滞もなく、順調に走っていた。強いてあげるなら、交通集中による若干の渋滞くらいだった。
中国自動車道と山陽自動車道の分岐である神戸ジャンクションを通過し、ひたすら西に向かって走る。
そのうち、上月パーキングエリアを通過してしばらくすると、兵庫県を脱して、岡山県に入る。
岡山県に入ると、中国自動車道と米子自動車道の分岐である落合ジャンクションまでそう時間もかからない。
ただ、要所要所で聞くことの出来る道路情報を聞いてみると、米子自動車道は雪のため冬用タイヤ規制があると放送されていたのだ。
嫌な予感がした。
この時の規制区間は米子自動車道に入って二つ目のインターチェンジである、湯原から江府までの区間だったように思う。湯原インターチェンジははっきり覚えているのだが、途中の蒜山インターチェンジで米子自動車道を下りたので、その先のことはうろ覚えなのだ。
そうこうするうち、米子自動車道への分岐が近付いてきた。顔を右前方に向けて―東から西へ向かっていたので、北西の方を見たわけだ―米子自動車道方向を見てみると、山が濃い雨雲(雪雲?)に覆われていて、いかにもあの下は厳しい天候ですよ、という感じだった。
本当に嫌な予感がしたのだ。
営業車は雪道に備えて、冬用タイヤ―スタッドレスタイヤ―に交換済みではあった。しかし、私自身は本格的な雪道を走った経験がなかったのだ。
正直言って、大阪圏内での軽い雪道の経験しかなかったのである。
従って、山陰地方の雪がどの程度のものであるかがわからなったのだ。
天気予報等の映像で見た事はあっても、現実の雪にあった事はないのだ。知識としてわかってはいても、実際に経験するのとは全然違うものだ。
美作追分パーキングエリアに近付いてきた。このパーキングエリアを過ぎるとすぐに米子自動車道への分岐である落合ジャンクションだ。地図を見るとわかるのだが、このパーキングエリアから分岐までの距離はすごく短いのである。
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Posted at
2013/03/24 20:34:30
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