連休3日目　「余生あるいは一周忌コンサート」　小椋佳

三連休の3日目に小椋佳のライブ・大宮ソニックシティーに行って来た。彼は1970年代に活躍したシンガーソングライターである。
拓郎、陽水と同じ世代で、ある意味ライバルでもあった。

当時、最も違うのは容姿を見せない謎の歌手であった。
レコードジャケットにも彼の写真は一切無い・・・

謎のシンガーソングライターとしてデビューした当時をよく覚えている。

謎は徐々に解けるもの・・・・
ようは、容姿が極端に悪く、歌声とのギャップが大きいのだ。


さらに東大卒の現役銀行員が人気を後押しした。

当時の写真から　　正に銀行員だね。







最近の小椋さん（笑）



デビュー前の逸話がNetに載っていた。

ポリドールレコードのある新人プロデューサーが声のイメージから美少年だと思って会おうとしたところ、関係者から「やめた方がいいよ。彼は東大のエリート銀行員だし、なんと言っても歌手という感じじゃないし⋯」と助言されたそうだ。

以下、彼の回顧録

喫茶店で待っていたらやってきてさ。一目見てなんと言って断ろうかと思った（笑）。
銀行員で結婚していて、とても歌手という風貌ではないので、どう断って帰ろうかとそればかり考えた。

当時はアイドルにしろ歌手にしろ必ずテレビで売るから容貌が悪いのは問題外だったんだよね。

小椋君が「『初恋地獄篇』の曲、僕の曲じゃないんだ。僕の曲、聞いてくれる？」というので断るわけにもいかず聞いたら、思わず「この曲、私がなんとかするから私にくれ！」と叫んでいた。すごく興奮したことを覚えている。その曲が『しおさいの歌』だった。



前置きはこれくらいにして、

ライブのタイトルは、「余生あるいは一周忌コンサート」
変なタイトルだ。小椋さんは「小椋佳　生前葬コンサート」 として自分の葬儀を生前葬として2014年９月に東京・NHKホールで4日間に渡って行った。

そして、今年は生前葬から1年であることから「余生あるいは一周忌コンサート」 として全国ツアーの最中である。

こちらも陽水と同じで大宮に来なければ行かなかったかも・・・



小椋さんはソングライターとして、布施明、中村雅俊、堀内孝雄、美空ひばり等、多数のアーティストへ作品を提供している。

「シクラメンのかほり」「俺たちの旅」「夢芝居」「愛しき日々」「愛燦燦」など数多くのヒット作品があり、今回のライブでも披露した。

リアルタイムでもある「俺たちの旅」は個人的に感涙であった。

二部構成で、第一部は「しおさいの詩」から始まり、初期のヒット曲が中心。72歳とは思えない声量、僕が子供のころに聞いたレコードと同じだ。

MCは今まで聞いたシンガーの中で一番流暢で上手い。さすが、東大卒である。
ステージ衣装の白い着物は、"一周忌" らしく "死に装束" のつもりのよう。

アンコールでスーツ姿に着替えたのだが、妙に体が細くアンバランスであった。過去に胃がんの病歴があるようだが、ちょっと危ない痩せ方にも映った。

膵臓癌との噂もあり、生前葬から死を覚悟し、人生の最後を歩んでいるとも感じた。

ひょっとして最初で最後の小椋佳かも知れない・・・・・・・・・・・・

ｾｯﾄﾘｽﾄ
1.しおさいの詩
2.木戸をあけて
3.この汽車は
4.大いなる旅路
5.大地は
6.俺たちの旅
7.旅を感じる時
8.旅仕度
9.Long Distance Call
10.揺れるまなざし
11.泣かせて
12.恋、してしまうもの（ちょっと怪しい・・・）
･･休憩･･
13.改めて　恋は妙
14.愛しき日々
15.少しは私に愛を下さい
16.夢芝居
17.シクラメンのかほり
18.愛燦燦
19.山河･･･ｱﾝｺｰﾙ･･･
20.次の街へ
21.顧みれば
22.サヨナラ