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2013年06月16日

箱を開けたら(12)・・・・アメリカも変なことを考える

箱を開けたら(12)・・・・アメリカも変なことを考える やっと梅雨らしくなってきたかな。今日は一日中降ったりやんだりで、はっきりしない天気でした。でも降雨量は例年に比べるとかなり少なく、また渇水の真夏を迎えるんでしょうか。

てなことはさて置き、久しぶりの「箱を開けたら」シリーズ。最近立て続けにアメリカの実験機のキットを入手したので、それについて。

「世界に冠たる兵器大国はどこか?」と聞かれて「アメリカ」と答えない人はまずいないと思いますが、振り返ると、アメリカもかなり変な兵器を考えてた赤面の歴史があるんです。実機が飛行した順にご紹介します。

まずは、タイトル画像のBELL YF-1 AIRACUDA。
実機が少しだけ登場する動画があります。



アメリカに限らず、どの国も爆撃機の護衛には頭を悩ませてました。敵地の奥深くまで進攻する爆撃機は当然、航続距離が長い。ところが戦闘機は航続距離が短く、爆撃機を護衛して目標上空で敵の戦闘機を追い払うなんてことはまず無理。目標上空で戦闘機の援護を受けられない爆撃機の損耗率は高くならざるを得ません。そこで、各国は航続距離が長めの双発の戦闘機を考えます。このYF-1もその1例と言えます。ただ、かなり極端な回答ではありました。
まず、プロペラは通常とは逆で主翼の後ろに付いています。推進式というヤツですね。なぜそうしたのか? それは左右のエンジンナセル部分にもキャビンを設け、そこに銃手を乗せたかったから。
確かに銃の数は増えるかも知れないけど・・・・、銃手の道中はかなり孤独で不安な飛行になりそうですね。怪我しても誰も手当にこれないし。

ベルXFM-1/YFM-1は、第二次世界大戦前にベル社がアメリカ陸軍航空隊向けに試作した戦闘機である。4発重爆撃機を護衛する目的で開発された双発機だったが、完全な失敗作となり開発は中止となった。1939年9月に初飛行したYFM-1の飛行性能は貧弱なものだった。速度は本来護衛するはずのB-17を下回った。また、鈍重なためスピンロールや宙返りができないなど、戦闘機としてはあまりにお粗末な運動性能だった。この他、運用面においても、エンジンが冷却不足のためオーバーヒートしやすく地上滑走時は自力で走れない点や、エンジンナセルに設けた銃座の居住性や安全性の問題などがあり、実用化に向けては問題点が多すぎた。

Wikipedia 等の資料より。



そんなYF-1ですが、キットは割とマトモ。細かいリベットの表現もあり、結果的に今回ご紹介する3点の中では一番今らしいキットです。エッチングやレジンパーツも入って3,150円なら、こんなもんでしょう。

お次は体当たり(?)機、ノースロップ XP-79フライング・ラム試作戦闘機。



私も長いこと、この機体のことを敵の爆撃機に体当たりする、アメリカ版の特攻機だと思ってたんですが、どうやら敵の爆撃機とぶつかっても壊れないように頑丈に作ったことから生まれた誤解のようです。しかし、腹這いの操縦姿勢とか、かなり変な機体であることは間違いありません。

拠点防衛用の迎撃機であるため機体には急上昇急降下の能力が求められ、操縦士にかかるG(重力加速度) は非常に高くなると予測されたため、操縦士は高Gに耐えられるうつぶせ姿勢で操縦するようになっており、 また前述の理由から非常に頑丈に作られた機体は、追いつめた敵爆撃機尾翼に接触しても耐えられると考えられ ていた(そのため当機は体当たり専用機であるような印象を持たれていることがある)。大戦終結な どの影響から原型機製作は1機のみに削減され、実際にエンジンを搭載した原型機は1945年9月12日 の初飛行で墜落し、当機の開発もそこで打ち切られてしまった。

Wikipediaより。



一緒に置いてあるピックアップトラックのミニカーも同じ1/72スケールですから、ホントに小さな機体であることがお分かりいただけると思います。キットは難物の気配を感じます。

しかし、当時はこんな機体を本気で考えるくらい、ソ連の爆撃機の来襲を現実的に心配していた時代だったんですね。

最後は垂直離着陸機、コンベア XFY-1 ポゴ。



垂直離着陸機と言えば、あのオスプレイが海自の艦船に離着艦を実施したようですね。日本が導入を表明する日も近いかな。この報道で気がついたんですが、「オスプレイは”試験段階で”事故が多く・・・」と、表現が厳密になってきてますね。

さて、本題。ポゴとはポゴスティックの略で、ポゴスティックとは日本でホッピングとか読んでた、バネのついた竹馬の商品名のようです。ま、垂直に立った機体がそのように見えたってことでしょうか。
ニコ動に実機の動画もあります。(ご覧になるには登録が必要です。無料)

XFY-1は飛行船格納庫で繋留テストを繰り返した後、1954年8月に屋外垂直上昇飛行テストを行い、11月に垂直上昇から水平飛行への移行を行った。デルタ翼形式は、当時のコンベア社が積極的に採用していたものであるが、急激に失速しないという長所があり、垂直離陸から水平飛行への転換の際に有利に働き、この形式の垂直離着陸機の翼形としてはぴったりであった。
この形式の垂直離着陸では、パイロットは着陸時に地面が見えないため、着陸が非常に困難なものとなり、この問題解決の見込みが全く立たなかった。また、既に超音速機の時代に入っており、亜音速にも届かないこの機体では、同時代の戦闘機に及ばないのが明白であることからである。

あのぉ・・・、こんなこと、普通は開発する前に気付きませんか? こういう無駄な投資こそが当時のアメリカの余裕でしょうか。

パーツはこんな感じ。そう大きくもない機体であることがお分かりいただけると思います。



KPmodelsはロシアのメーカー。筋彫りが単調なのがちょっと淋しいですが、ま、こんなキワモノのキットを出してくれるだけでもありがたいと思わなきゃ。

しかし、このポゴはまだましで、ロッキード社はもっと無駄な投資をしていました。



ポゴとよく似てますが、ポゴと採用を争った、ロッキードのXFV-1です。この機体は垂直離着陸には成功したものの、そこから水平飛行に移行できませんでした。ロッキードにもそんな暗黒史があったんですね。








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Posted at 2013/06/16 00:08:46

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この記事へのコメント

2013年6月16日 8:27
いつもながら勉強になりまする。

しかし実験段階の戦闘機もさることながら、クルマも新発売されたクルマは一般客への実験みたいなモノで、色々な苦情、故障、あらゆる支障の結果、改善、改善で後期モデルが完成されたそのモデルの最高のクルマだなんて笑えませんよね。

で、何が言いたいのか?

成田のオッサンさんとワタクシ。後期individualなE39。やっぱりと言いますか何と言いますか、本当にいいクルマやと思います(笑)
コメントへの返答
2013年6月16日 22:25
いやいや、受け売りの知識ばかりですが。

はい、お互いにモデル末期の車、ホントに故障が少なくて・・・・???
よくできた子なんですけど、時々やんちゃを言うんですよね。

しかし、車とは比較にならない多額の開発費を投入してる航空機の開発のはずなんですが、どうしてこんな無駄がまかり通るんでしょうね。
2013年6月16日 10:58
XP-79って、エイっぽいですね。
しかしアメリカ人が考えると、なんとなく説得力というか納得性を感じでしまうのは、日本人としてのコンプレックスなのかなぁ、なんて。
コメントへの返答
2013年6月16日 22:31
確かにエイっぽいですね。こういう形の航空機を全翼機といいますが、ノースロップ社はこの全翼機にご執心で、他にも全翼の爆撃機などもありました。
最近のB-2ステルス爆撃機も全翼機です。レーダー波をあさっての方向に反射するには有効な形なんですけどね。

そう、確かに説得力は感じますね。SF映画ならこのまま登場しても問題ないって完成度が感じられますよね。
こんな恥ずかしい試行錯誤を経て、現在のアメリカの兵器産業があると言えるのかも知れません。
2013年6月17日 9:52
 W.W.Ⅱの戦前・戦中期は各国揃って早発戦闘機開発にことごとく失敗してますね。アメリカも日本も戦争末期まで双発戦闘機に妄想してましたが、日本を灰燼にしたB-29爆撃機が、朝鮮戦争でドイツジェット戦闘機の流れをくむMig-15にコテンパンにやられた上に、落とせない(使えない・・・抑止のみの)核爆弾や水爆を持って冷戦期に入っていった時代の吉本新喜劇状態だったころの米ソの軍用珍兵器は今の目で見ても、サンダーバードか円谷プロ製作の空想宇宙兵器のオンパレードですよね。

 X-プレーンやセンチュリーシリーズ等、拙も萌えの対象ですが、昨今のアメリカより因果を含めて押し売りされてるPAC-3やBMDシステム等、ウン十年後、いやウン年後にあの時代の妄想兵器だった!の烙印を押されない事を願います。

 それよりか、国や政府が率先して、三菱も富士も大変でしょうが自主開発で日本独自の技術で次期防空戦闘機を製造し、F-22との模擬戦闘で圧倒的評価をされる第6世代!の戦闘機を開発して欲しいと切に願います。
コメントへの返答
2013年6月18日 0:37
双発戦闘機がことごとく失敗してるのをご存じなのは、やはり飛行機モデラーならではですね。
妄想兵器がまかり通っていた時代って、ある意味、豊かな時代だったのかも知れませんね。

ナイキとかPAC-3とかは、毎年、米大陸に持って行って試射してるんじゃなかったっけ? そこではいい成績で目標を迎撃してると聞きますが、ま、本番とは違いますからね。
不謹慎な話ですが、内心、北のミサイルをイージス艦のミサイルで落とすとこ、見たくないですか? 私は見てみたいです。ホントに迎撃できたら、納税者の文句も減ると思いますよ。

戦闘機の国産化の話はよく出ますが、エンジンもステルス技術も、その他諸々も、アメリカには何年も(何十年も?)遅れてるでしょう。貿易不均衡是正の意味もあるし、おとなしく買っとけばいいと、私は思ってます。でも、F-2の後継機が純国産化される目もあるかも知れないし・・・。私が生きてる内に見られるかな?
わが岐阜県内では、川崎重工でXC-2とPX-1が生産されてますが、XC-2はC-1の後継ですから国産も当然かも知れませんが、PX-1はP-3Cの後継になるわけですが、よくアメリカが黙ってるなと思ってるくらいです。
2013年6月19日 8:44
はじめまして~(だったかな?)

自分も大好きな懐かしのヒコーキの話題なのでコメントさせていただきます。

XFY-1やXFV-1のプラモデルは昔ノンスケールのモノがあったと記憶していますが、1/72で、それもKPから出るとは驚きです。
KPと言えば30年くらい前にMig-15~19とかの東側の機体を買い漁った思い出があります(^^)
YFM-1のキットも驚きですが、その動画に出てくるXB-15に嬉しくなってしまいました。
コメントへの返答
2013年6月19日 22:33
多分、コメントいただくのは初めてだったような・・・? 私も のんパパ さんのページはおじゃましたような記憶はあります。

模型屋のオヤジは、KPのキットは新しい物ではないようなことを言ってたんですが、どうなんでしょうかね? 上にも書いたように、筋彫りが単調なのが気になりますが、何とか組めそうな感じです。
私もKPのMIGは何機か持ってます。キャノピーの透明度が最悪なんですが、プロポーションはいいんですよねぇ。そう言えばエデュアルドから72でMIG‐15が出ると言われて久しいのに、なかなか出ませんね。
XB-15についてはよく知らなかったんですが、これも調べてみると面白いですね。量産には至らなかったものの、B-17などの先駆的役割を果たしたんですね。勉強になりました。

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「交通事故の目撃者探しのタテカンは時々見るが、これは珍しい。倒れてたのは刑事課だから、行き倒れとかじゃなくて暴行事件の被害者なのか?」
何シテル?   08/17 17:51
昔、メルマガで漫画のコラムを書いてました。
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