最初にその企画を知ったのは、mixiででした。
ページ右上の一番目立つ広告欄に「あなたも作家になりませんか」とインテルの広告がありました。
4年ほど前に、4年の歳月をかけて初めて「報復」と題する1本の小説を書き上げました。
少なくとも数人には好評でした。もちろん、誰にも好評だったわけでもありません。職場の同僚などにも読んでもらいましたが、無反応だったり、けなされたりもしました。
それでもかわいい私の初めての小説。多くの人に読んでもらういい機会はないものかと思い続けていました。そんな時に目に飛び込んで来たのがこのインテルの広告だったわけです。
わずか4年とは言え、書き上げた当時とは社会状況が大きく変わってしまって書き直すべき箇所がいくつかあり、あわてて書き直しました。
事前に作家登録をし、4月1日に全文を投稿しました。
原稿用紙にして300枚程度、投稿書式でも144ページありました。
投稿し終わると、すぐに画面に「以下の言葉を書き直してください」というメッセージが。
どんな言葉が引っ掛かったと思います?
「ローター」
最終章にヘリコプターが登場するんですが、ヘリコプターの上に付いてる回転翼と言うかプロペラのことです。
なぜそれがダメなのか? まあ、賢明なる男性諸氏には(女性も分かっちゃう?)インテルが極めて品性下劣な連想ゲームをしていることがお分かりいただけると思います。
ローターにこだわって投稿できないのもしゃくなので、「ローター」を「ロータ」に訂正して投稿しました。
これで、一応は受理された・・・・と思いきや、今度は「事務局で審査します・・・」というメッセージが。
世界に冠たるコンピューターの演算装置メーカーが、人手に頼って審査とは・・・。
参加条件の中に以下の文面がありました。
万一、お客様が応募した作品について、第三者との間に紛争等が生じた場合にはお客様ご自身がその責任にて当該紛争等を解決するものとし、主催者、関係者、及び第三者に、一切の迷惑をかけないものとします。
つまり、「面倒なトラブルは投稿者自身で解決しろよ」ってことですよね。これを前提にしてるわけですから、投稿したら、すぐにでも誰もが読める状態になるのかと思ってましたが、そうではなさそう。さすがに大企業は逃げを打つだけでは安心できないらしい。
このキャンペーンで最優秀作に選ばれると、マガジンハウスから出版されます。最優秀作の選出方法は人気投票。
私の思い描いていた段取りでは、私の小説が公開された時点でmixiや みんカラ でこれに関する日記をアップし、マイミクの皆さんに組織票(つまりサクラですね)をお願いしようと考えていました。
何も本気で出版を考えていたわけではありません。そこまで自惚れてはおりません。でも人気投票で上位になれば注目度が上がり、読者が増えるのも事実。瞬間的でもいいから、10位までに入れないかと考えていました。
しかし、なかなか公開されない・・・・。
作家登録して数日してから事務局からメールが来ました。
ご執筆・登録いただいた情報のうち
利用規約上、以下のものを公開することができませんでした。
内容を適宜変更のうえ、再登録をお願い申し上げます。
●著者近影画像
作家登録をする際に、著者近影も登録することになっており、「ご本人の写真でなくても結構です」と添え書きしてありました。ペンネームでの登録とはいえ、誰でも見れるサイトに誰だか分かるような写真をアップする人はいないでしょう。
私はmixiのプロフィール画像にしている鉄人28号のフィギュアの写真を、著者近影としてアップしておきました。
それがアカンというわけです。それもすぐにではなく数日してから。
こりゃ、かなり過敏な事務局だなと直感しました。でもそれで公開できなくなるのもしゃくなので、円空仏の画像に変更。
そして4月5日。事務局からこんなメールがきました。
ご執筆・登録いただいた情報のうち
利用規約上、以下のものを公開することができませんでした。
内容を適宜変更のうえ、再登録をお願い申し上げます。
●章の内容 「報 復」第7章
●章の内容 「報 復」第8章
●章の内容 「報 復」第6章
アホか!と思いましたね。
これで数十ページある小説のどこを変更したらいいのか分かる人がいたら、それは神様です。それを分かっていて平気で送るのが大企業ってことなんでしょう。
「お役所的」の見本です。
で、事務局にメールを送り、どこがいけないのか問い合わせました。
その返事が、今日、来てました。
⇒実企業名の記載、死体のグロデスク表現、暴力的表現が
ございましたため公開を見送らせていただきました。
詳しくは応募規約をご確認ください。
はいはい、私の小説は実名企業や実名政党だらけです。死体も暴力も一杯出てきます。書き直しようがありません。応募しようとした私が悪うございました。
現在、唯一、審査を通った第1章だけが公開されています。
下記リンク先のページの右上の青い丸の「作家たちの本を読む!」をクリックすると、本棚が表示されます。その真ん中あたりの「小説(ミステリー)」の下の下向き矢印を2回ばかりクリックしていただくと、白い背表紙に「報復」と書かれた本があると思います。
それをクリックしていただくと、わずか12ページだけの第1章を読んでいただけます。
実は、その前に第0章といいますか、扉のページがありまして、コーランの一節を引用していましたが、それもNGだったようです。
経典を削除するって、どんだけ偉いんだ、インテルは!
暫くしたら、削除するつもりです。
冗談で、お気に入りに登録していただくのも一興かと存じます。
Posted at 2010/04/08 23:22:01 | |
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