
昨年末にイギリスのエアフィックスから新しい 1/72 B-17G のキットが発売されました。これを機会に出揃った4社の 1/72 B-17G を比較してみようと思います。
その前に、映画の B-17 を振り返ってみましょうか。古くは1949年のアメリカ映画「頭上の敵機」(Twelve O'clock High)(邦題も原題もカッコいい)。主演はあのグレゴリー・ペック。比較的新しいところでは「メンフィスベル」(1990年公開)。
もっと新しいのもあります。「The Mighty Eighth」(第8空軍)。(ショッキングな場面もありますのでご注意)
期待させるティーザーですが、2013年にアップされてその後の音沙汰がない。お蔵入りなんでしょうか?
さて、キットですがタイトル画像にボックスアートを並べてみました。古い順に、左上がハセガワ(1976年)、右上がアカデミー(1995年)、左下がレベル(2010年)、右下がエアフィックス(2016年)。
人生の残り時間が気になるお年頃の私としては、新しい方の2社のどちらかを作るのが幸せへの近道に違いないとは思うものの、先人の道しるべがあれば心強い。ところが検索してもそれらしきものが見当たらない。仕方なくやれるだけやってみるかと重い腰を上げたのが今回のブログです。
まずは全長。
上からハセガワ、アカデミー、レベル、エアフィックスです。さすがに人気の機種とあって、全長を間違えてるキットはないようですね。主翼や尾翼の位置も各社で違いはない。ところが機体後部側面の銃手(gunner)用の窓の位置は各社マチマチ。垂直尾翼の動翼の位置もわずかながら差があります。
残念ながらどれが正しいのか私にはわかりません。(正解が分からないのに、この比較に意味があるのかという突っ込みはしない方向でお願いしたい)
全長とは関係ありませんが、ハセガワやアカデミーの古いキットは全体にリベットが打ってあったと思い込んでいましたが、そうじゃなかった。4社ともあっさり表現ですね。
次に機体の内側。
ハセガワは機体内部のリブの表現はなし。アカデミーは銃手用窓の周辺のみ、レベルとエアフィックスはほぼ全体にリブが再現してあります。完成後はどうせ見えないなら、アカデミー程度でもいいような気もしますが。
一番古いハセガワと一番新しいエアフィックスの胴体を合わせてみました。天測用の窓の大きさが異なるのが気になりますね。これもどっちが正しいのか私には分かりません。
次に各社の主翼下面を比較します。実はここに差がありました。
①は下図で分かるように、スーパーチャージャーとインタークーラー用の空気取り入れ口。ハセガワが一応、開口してますね。アカデミーはモールドのみ。
②は潤滑油冷却用の空気取り入れ口。ハセガワは開口しているものの、穴だけ。アカデミーは表現なし。
さすがに新しい方の2社はこの辺は抜かりがない。しかも開口だけでなく、奥行きも再現に努めています。
ついでに実機の写真も
やはりこれで新しい2社に絞られるわけですが、どっちでもいいか?と言われるとそうでもない。
上がレベル、下がエアフィックスの機体先端の半球状のクリアパーツです。
レベルのはいかにも厚い。いわゆる瓶底眼鏡風。ネットで作例を探してみても、この機首でがっかりさせられます。レベルは箱が大きくてパーツ数も多く、機内再現にかなり力が入ったキットですが、これは問題。人形は顔が命。飛行機は機首が命。私には致命的に思えます。
機内なんて見えないところは作る気もないし、よしこれで作るキットは決まった。あとはオクに流すか。
2019年10月7日追記
ようやく、エアフィックスのB-17Gが完成しました。よろしければ、製作過程をご覧ください。
B-17G製作記(1)・・・まずはフィギュアから
B-17G製作記(2)・・・機体内部から外部塗装直前まで
B-17G製作記(3)・・・A BIT O'LACE という機体
B-17G製作記(4)・・・塗装・ウェザリング
B-17G製作記(5)・・・完成! エアフィックス B-17G
Posted at 2017/03/20 00:13:25 | |
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