●Cesano Maderno - Milano (個人タイムトライアル) 28.5km
M・ピノッティ(ハイロード)がトップタイムでステージ勝利!
A・コンタドール(アスタナ)が総合優勝!!
ついに、今年のジロも最終ステージを迎えました。
長い長い3週間、3423.8kmの旅も終着します。
最終ステージは、チェザーノ・マデルノ~ミラノ/コルソ・ヴェネツィア、距離28.5km、決戦の平坦路・個人タイムトライアルです。
大注目は、総合トップのコンタドールが総合優勝を決めるのか、総合2位のR・リッコ(サウニエ・デュバル)が逆転総合優勝をするのか?・・・ということです。
前日までのコンタドールとリッコとのタイム差は、わずか4秒!!
コンタドールはタイムトライアルが速く、タイムトライアルが苦手のリッコには不利な状況です。
リッコ、大激走を期待して、いよいよリッコのスタートです。
スタート台で出発を待つリッコ。
新人賞ジャージ、マリア・ビアンカを着ています。
集中した表情・・・。
・・・逆転を賭けたリッコがスタート!
続いて、最終走者、マリア・ローザを着るコンタドールがスタート台に現れます。
コンタドールのマリア・ローザ姿も板に付いてきました。
まず、コンタドール有利の下馬評ではありますが、ゴールするまでは何が起こるのかは分かりません。
コンタドールが、総合優勝へ向けてスタート!
リッコは集中した走りに見えます。
不得意とはいえ、現状ではスピードに乗った良い走りに見えます。
コンタドールはペダルを軽やかにクルクルと回す独特のペダリング。
かの、L・アームストロングを思わせる走りです。
注目の第1チェックポイント(10.9km地点)をリッコが通過!
(この時点でのトップタイムは、M・イグナチェフとピノッティが出した13分19秒。)
タイムは・・・。
+1分16秒遅れ・・・。
第1チェックポイントで、すでに1分以上の遅れです。
続いて、コンタドールが第1チェックポイントを通過!
タイムは・・・。
+21秒遅れ!!
この時点で、コンタドールはリッコに55秒のアドバンテージを得ています。
総合タイムでは、59秒差に広がっていますね。
やはり、コンタドールは速い!
どんどん、コンタドールとリッコのタイム差が開いて行きます。
リッコ、ここまでか・・・。
コンタドールはハイピッチでペダリングをこなしています。
リッコとはスピード感が違いますね。
19.7km地点での第2チェックポイントでは・・・。
リッコ、トップから+1分46秒遅れ・・・。
コンタドールは+20秒遅れのタイムで通過。
この時点でのタイム差は1分26秒。
総合タイムで、1分30秒差です。
コンタドール、総合優勝が確定です!!
リッコがゴール地点にやって来ました。
ダンシングで今年のジロ、最後の走りです。
リッコ、ゴール!(+2分32秒遅れ)
コンタドールがゴール地点に近づいた!
総合優勝へ向けて、ラストスパート!
ゴール直前、両手を挙げて総合優勝をアピール!
そして、コンタドールのトレード・ゼスチャー、
“バキュン・ポーズ”でゴール!!(+39秒遅れ)
最終総合成績です。
総合優勝 コンタドール 89時間56分49秒
2位 リッコ +1分57秒差
3位 M・ブルセギン(ランプレ) +2分54秒差
4位 F・ペッリツォッティ(リクイガス) +2分56秒差
5位 D・メンショフ(ラボバンク) +3分37秒差
6位 E・セッラ(CSFグループ・ナビガーレ) +4分31秒差
7位 J・ヴァンデンブルック(サイレンス・ロット) +6分30秒差
8位 D・ディルーカ(LPR) +7分15秒差
9位 D・ポッツォヴィーヴォ(CSFグループ・ナビガーレ) +7分53秒差
10位 G・シモーニ(セッラメンティPVC) +11分3秒差
ステージ優勝はピノッティ。
最終ステージを制して気分は最高でしょう。
総合優勝を果たしたコンタドールの表彰式です。
久々のイタリア人以外の外国人がジロを制しました。
それは、1996年のP・トンコフ以来、12年ぶり。
スペイン人としては、1993年のM・インドゥライン以来、15年ぶりとなります。
シャンパンファイトをいつもより派手に行なうコンタドール。
とてもうれしそうです。
今年のジロはタイムトライアルが明暗を分けました。
コンタドールはタイムトライアルでは常に上位に食い込み、安定した実力を発揮しましたね。
山岳コースでは、タイムトライアルで貯めた貯金に助けられました。
第19ステージでリッコのアタックに置いていかれ、タイム差わずか4秒にまで迫られましたが、リッコに対するタイムトライアルのアドバンテージでは、十分、勝算はあったと思います。
実は、コンタドールは山岳でかなり遅れると私は予想していたのですが、完全に遅れる場面が少なかったような印象です。
タイムトライアル、山岳とオールラウンドに強さを発揮しましたね。
この調子では、おそらく参加するであろう7月のツール・ド・フランスでも総合優勝候補筆頭に挙げられるでしょう!
もし、ツールに総合優勝すれば、「ダブル・ツール達成」になります。
※ダブル・ツール;同一シーズン内にジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスに総合優勝すること。
近年のダブル・ツールは、1998年のM・パンターニが達成しています。
もし実現すれば、パンターニ以来、10年ぶりの快挙になります。
これは、期待してしまいますね~。
ツールでも頑張ってもらいましょう!!(^.^)
コンタドールは一旦舞台裏へ引っ込み、お次は総合上位3人の表彰式です。
コンタドール、リッコ、ブルセギンが表彰式に登場。
3人がポデュウムへ上がります。
ファンの声援に応える3人は、晴々とした表情です。
長い戦いを終えた男たちの心境が表情に表れていると感じます。
総合2位のリッコ。
今年は安定して山岳ステージもこなしてきました。
第19ステージのゴール、プレゾナーラ-モンテ・ポーラの上りでのアタックでコンタドールに総合で+4秒差に肉迫。
しかし、翌、第20ステージ、モルティローロの上りでは、コンタドールに差をつけることができずに終わりました。
ここが、総合優勝をできるか・できないかの分かれ道となりましたね。
厳しい山岳ステージを乗り越えてきましたので、体力的に限界をむかえていたのかも知れません。
最終個人タイムトライアルでは、やはりコンタドールには敵いませんでした。
タイムトライアル強化が今後の課題になるでしょう。
総合3位のブルセギンは、ペッリツォッティの猛追をかわして、何とか2秒差で総合3位に入りました。
今年のジロはタイムトライアルが重要な役割を果たしました。
ポイント賞、マリア・チクラミーノはD・ベンナーティ(リクイガス)が獲得。
ステージ3勝はすばらしい結果でした。
厳しい山岳コースの今年のジロを走り切って、ミラノへゴールしました。
おそらく、ツール・ド・フランスには出場するでしょうから、マイヨ・ヴェール争いの急先鋒となること間違いナシですね!
山岳賞、マリア・ヴェルデを獲得したのはセッラ。
山岳ステージ3勝は、驚異的な走りでした。
体は小柄なのですが、激坂で力強い走りを見せてくれましたね。
彼こそ、“小さな巨人”という形容がピッタリ当てはまると思います。
新人賞、マリア・ビアンカはリッコが獲得。
リッコはまだ新人賞対象選手だったのですね。
これからまだまだ進化して行く選手でしょうから、将来が楽しみです。
他に、ジロを沸かせてくれたのがディルーカ。
第19ステージのアタックは、凄かったです。
1発の大勝負に出たディルーカの勇気を称えたいですね。(^.^)
個人的には、シモーニの大失速はショックでした。(+_+)
37歳という年齢も厳しいものがあるのかもしれません。
今年のジロは、近年稀に見る大接戦でした。
とても面白いジロを見ることができましたね。(^.^)
また来年、ジロがスタートするまで楽しみに待ってみようと思います。
これにて、第91回ジロ・デ・イタリアは完結でございます。
この3週間、ジロ一色になった当方ブログも、これにて通常モードに戻る予定です。
3週間、お付き合いいただきました方々には、厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございました。m(_ _)m
そして、最後に・・・。
ロードレースのお祭り、ジロに乾杯!!
Grazie! Giro D’Italia!(ありがとう! ジロ・デ・イタリア!)
Arrivederci! Ci vediamo!(さようなら! また、会いましょう!)