1月末にシンガポール国内でワールドプレミアされた新型(ポルシェ)マカンの発表から約2か月、同じくBEV専用設計の新アーキテクチャー“PPE”
(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)を用いた姉妹車たるQ6 e-tronが標準モデル・Sモデル揃って本国デビューを飾りました。
事前に確認した情報ではQ4およびQ8 e-tron同様のSUVタイプ(無印)とスポーツバックからなるボディスタイルを用意させるという話だったのですが、まずは前者が一足早く発表になったようです。すでにSUVタイプの姿は
公式カモフラージュを纏ったプロトタイプで想像付いていたものの、外観上はQ4とQ8どちらのデザインに寄せたかと聞かれれば、前後オーバーハングを短く見せてたくましい雰囲気も漂う造形とした前者に近いかなと思います。
全長は4771mmでモデル名どおり2車の中間(Q4 e-tron:4590mm、Q8 e-tron:4915mm)なのが明解に伝わる値です。しかしその一方で全幅は1965mmとQ8から3cm、1648mmの全高も同じくQ8から約1.5cm上回ってしまっています。ネーミングの割に…と躊躇なく言いたくなりましたが、これはQ8がビッグMC前の“e-tron”から数えると設計年数的に古参の部類に入るため、Q6とは開発タイミングの差に開きが生じてしまったことも要因でしょうね。
昨秋のIAAモビリティ(ミュンヘンモーターショー)開催にあわせ先行公開していたインパネは、メーターパネルとセンターモニターが一体に見えるドライバー寄りの横長ディスプレイと新型マカンにも採用された助手席ディスプレイ(恐らくオプションのはず…)が、ブランド内の他モデルでは現状見られないぶんとても新鮮に感じました。
ただセンターコンソール側のエアベントが大きく目立っていない造りなのと横長ディスプレイの傾き方から、第8世代以降のiDrive搭載により同じようなデザイン言語を採り入れたBMWを強く意識したの?と思いたくなったのはここだけの話…(汗)
ちなみに標準モデルは前:非同期モーター(ASM)・後:永久磁石同期モーター(PSM)搭載の4駆で387hp。しかし本来ならパワー的に「55 クワトロ」相当のグレード名が与えられるはず…ところが本国プレスリリースを拝読してもそのような記載は見当たりませんでした。アウディがエンジン車含む大半のモデルで該当馬力を25~70の2桁数字に換算するグレード命名規則を採り入れてから数年経ちますが、予てより『出力からくるイメージが浮かびづらい』という声は多かった印象だし、今やBEVのラインナップは徐々に増えいろんな意味で複雑化が進んだため、'26以後のブランド方針を考えても見直さなければならない時が来てしまった感じでしょうか。
Posted at 2024/03/20 20:16:04 |
ドイツ車(アウディ) | クルマ