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2011年10月28日 イイね!

間違えちゃったの?クルマ選び トヨタ アルテッツァ 損小痔 無恒



■概説

トヨタが1998年に発売した2リッターのFRスポーツセダン。

当時の市場で販売されていたセダンが軒並みFF車へとレイアウト変更をしていく中、敢えてプログレのプラットフォームを使用しFRスポーツセダンとして販売を始めたのが今回のアルテッツァである。

正式発表以前の各メディアでは、ハチロクの再来とまで書かれ巷での噂となり、丁度現在でいうところのFT-86のような賑わいを見せていた。

ところが、発売当初は話題からソコソコの販売数を稼いだものの、結局、前評判とのギャップが大きく、以降は閑古鳥となってしまい、2004年に市場から消えてしまった後、2005年に後継としてレクサスISが引き継ぐこととなった。

当時、中学2年だった筆者はこのアルテッツァのデビューに歓喜し、愛用の自転車を漕いでディーラーへ行き、カタログと記念品を頂いて帰宅した記憶がある…もう13年も前の話だ。

その1年後に、試乗会へ父:新一を強引に連れ出し、助手席で試乗したものの、あまりの退屈さにガッカリしたという記憶がある。

その際に、当時デビューしたばかりのクラウンアスリートVにも試乗したのだが、明らかに当時中学3年生だった筆者にもわかる位に造りも走りの質感もアスリートの方が数段上で、その前に試乗したアルテッツァの評価が格段に下がったのは言うまでも無い…。

その試乗から12年…今回借用した車両は後期型のRS200Zエディション6MT、平成13年式、走行10万キロの個体だ…果たしてあの時の自分の中での印象は間違いだったのか??

今回のインプレッションでその全容が明らかになる。

尚、今回借用した個体は、事前にエンジン&ミッション&デフオイル、そして純正エンジンマウント&TRDミッションマウントに交換したばかりという極上車だということを付け加えておく。


■スタイル、インテリア





全長×全幅×全高(mm)=4,400×1,725×1,410
車両重量(kg)=1310kg

スタイルは現在のセダン型乗用車には当たり前のパッケージングとなったロングホイールベース、ショートオーバーハングという内容だ。

外装に関してはヨーロピアンなデザインの中々美しいもので、滑らかな中にふくよかなデザインのフェンダー周りで力強さが表現されている。

レンズ類に関しては、マルチリフレクター方式のヘッドライトにクリアパーツを使用した各灯火類の組み合わせにより、現行車とさほど違いは無く、車両のデザインに古臭い感じは殆ど無い。



特徴的なのはリアのユーロテールで、コレは当時世界でもアルテッツァが先駆けて採用したもので、このアルテッツァのデビュー後はダイハツのYRVが続けて採用し、その後、チューニング業界でこの手のテールが大流行した。

アルテッツァと言えば、このテールと言って良い位のもので、オーナーを喜ばせるウチの一つでのパーツでもある。



インテリアに関しては、コストダウンの激しさが目立った当時のトヨタ車の中ではかなり頑張った方なのだが、それでも質感は2リッタークラスの4ドアセダンとしてはかなり低い。

またインパネはゴム系の素材が使われており、経年劣化や使用用途により傷が目立つのもマイナスポイントである。

この点ではジャグアーやメルツェデスには遠く及ばない。しかし、タタより圧倒的に良いのは言うまでもない。

書く必要は全く無いのだが、筆者の茶目っ気だ。許せ。



フロントシートの造りは結構良く、ホールド性も純正品としては上々だ。

ポジションの自由度も大きく、運転席まわりはタイトでも無ければ広々ともしておらず中々のものだ。

特筆すべき点は、各スイッチ類が非常に大きく、とても操作がしやすい。

日本ではあまり関係は無いが、北欧では厳寒期にグローヴをしたまま運転する機会も少なくなく、その際にスイッチが小さいと運転に支障をきたす場合が出てくる。このような気配りはとても大切だと思う。

但し、計器類に関しては特徴の一つであるクロノグラフメーターが見やすいようで少々見難い。

慣れるとそうでもないのだが、初めて運転する者にとっては少々戸惑うものだ。



リアシートに関しては、写真で見てもわかるようにとても広々としており、全く窮屈さを感じない。

この車両全長でこれだけの室内空間があれば、余程のコトが無い限り困ることも無いだろう。

尚、足元の工具箱はアストロプロダクツで筆者が購入したものだ。

中身は粗末な工具しか入っておらず、工具を寄贈して頂ける者を日々心待ちにしている所存である。






気にするオーナーがどれだけ存在するのかは把握出来ないが、フロントピラーが植毛仕上げなのに対し、センター及びリアピラーが粗末なプラスチック素材のままというのはいかにもトヨタらしいコストダウンの仕方だ。

細かい点なのかもしれないが、このような部分部分の仕上げが車の質感に大きく影響してくるのだと思う。


■動力性能



エンジンは3S-GE型。吸排気共に可変ヴァルヴタイミング機構を持つデュアルVVT-i方式。

スペックは210馬力、22.0kg・m2リッターツウィンカムとしてはスペックの数字で見れば中々のものだ。

コレを重量配分の最適化の為に若干後方へ配置したフロントミッドシップ方式で搭載している。



この3Sエンジンはヤマハが開発したもので、エンジンにもヤマハの刻印が明記されている。

しかし、このエンジンが困ったもので、低回転域のトルクが全く無い。

モッサリとした低回転域の後に、2500回転辺りからソコソコのトルクが出て来たかと思うと、デュアルVVT-iの割には今度は高回転は息継ぐようになんともフィーリングの悪い回転の仕方をする。

実際に当時の雑誌でのインプレッションでも4気筒の3S-GEモデルより、6気筒の1G-FE版の評判が良く、この辺りが市場での評判が今一つだった原因でもある。




ミッションは6速マニュアルトランスミッション。

意外なことにS15シルビアと共通のミッションで、ギア比に違いがある意外はほぼ同じである。

このミッションはバックギアがローの位置にあるローバック方式で、コレが非常に入りにくく使いにくい。

叩き入れるようにしてやっとバックギアに入る為、慌てて1速に叩きこむようなシチュエーションの場合に間違ってバックに入ることが少なくなく、非常に危険且つ不愉快だ。

また肝心のミッションもこれまた排泄物…すなわちクソで、このミッションがこのクルマ最大の失敗と言っても過言でない。

2,3速のギア比がやたらと離れており、渋滞時に2速だとやたらとエンジン回転が高くなり、かと言って3速入れるとギクシャクと車が振動し、ただでさえ渋滞でイライラとする場面の中でさらに非常に苛立ちを増幅させる。

また、なぜか5,6速がやたとクロスしており、エンジン回転数でいうと僅か300回転程しか変わらない。

したがって燃費も悪く、使い勝手も非常に悪い。

このような6速ミッションは1~5速をクロスして加速性能をアップさせ、6速は高速巡航用と割り切った方が燃費も向上していいのだが、このミッションに関しては全てが悪い方向に設計されている。

さらに1速での発進時のクラッチジャダーがとても酷く、少しでもクラッチミートをミスしてしまうと、車体が激しく振動する。

聞けばフライホイールが12kgととても重いのが原因の一つだそうだ。

シフトフィーリングも今一つでヌルっとシフトが動いた後に最後だけカチッと入り非常に気持ち悪い。

いかにもスポーティな感じに人工的に仕上げた感じがあり、2枚目っぽいクセにドジなキャラの東幹久のように残念な限りである。

実際にギア比が最適化されているS15用ミッションに載せ換える例も多々あるようだ。


足回りに関しては、これまたハーシュネス(突き上げ)の多いもので、低速では非常に乗り心地が悪い。

かと言って、高速時での乗り心地がいいかと言えば、そこでも悪く、ハーシュネスは終始続く感じだ。

さらに、固めの足と思わせておきながら、急な車線変更などの際はロールがこの手のクルマとしては比較的大きく、スポーティでも無ければ快適でも無いという捕えどころの無いセッティングとなっている。

ボディ剛性に関してはかなり高くガッチリとしており中々である。

誉められる点はブレーキで、制動力がとても高く、フィーリング、制動力も最高レベルにある。

ノーズダイブも最小限で、このクルマで1,2を争う程の美点だ。


■使い勝手



収納は現行車と比べれば少ないが、それでもそこそこあり、写真のようにトランクは広大で使い勝手も良い。

乗降性も非常に良く、この辺りはトヨタらしくソツの無い造りだ。

取り廻しに関してはボディが小さい割には4隅の感覚が掴み難く、また、最小回転半径は5.1mと、この手の車両に関しては大きいせいか、小回りが効かず乗りにくく、路地などの場面での取り廻しは少々コツが要るようである。

現に筆者は今回左後輪を縁石に当ててしまい、オーナーに平謝りをするという大変情けない実態がある。

運転ヘタなんだろ?って言わないで…

腕が無いだけなんです…。


■結論

比較対象としてはキャラクターが全く違うが、AW11MR2と比べると走りの楽しさに関しては遠く及ばず、個人的には寧ろ乗っていて退屈なクルマであり、ローレルと比べても数値に表れない部分に関しては全く足りていない。

12年前の筆者が感じたものはあながち間違いでは無かったのだと今回確信できた。

実際にこのクルマを筆者が手にした場合、間違いなく4日後にはカーセンサーを見ていると思う。

また、今回思ったのは筆者がコレ位の年代になると、新し過ぎて全く似合わないということが分かった。

実は内緒にしていたのだが、FT-86の新車購入を計画していたつもりが、今回アルテッツァでも新し過ぎて似合わないというコトが解ってしまったので、またこの計画はどうやら振り出しになる予定だ。

しかし、勢いでFT-86を新車購入しないとは限らないので念の為。

また、今回は4気筒モデルに限っての話で、6気筒モデルは同じアルテッツァでもかなりキャラクターが違って来るらしいので、本音を言うと6気筒モデルにも試乗してみたいところだ。

決してゆーとん氏へのフォローでは無いので、そのところだけは誤解の無き様にお願いしてもらいたい所存である。




現在は、このようなスポーツセダンが手軽に所有出来なくなっているので、この手のクルマを望む者にとっては、貴重な1台かもしれない。

そのような意味では、比較的手軽に所有できるアルテッツァを今から購入検討するのはあながち間違いではないだろう。

パッケージングは悪くは無いので、後はオーナーが好みに味付けすればよいのだから。


※追記

・ブログ内にS15ミッションを交換するケースが多いと書きましたが、正しくはミッション本体内部の6速ギヤのみの流用が可能だそうです。

・今回の車両はNO.2ロアアームブッシュをTRD製に打ち換えられているそうです。

・今回お借りしたオーナー様のブログがアップされています。(今後更新するか知りませんが…)

アルテッツァの詳細を知りたい方は以下リンクへ…

見ればいいじゃん

今回のオーナー様の方が運転レベルは間違いなく一枚どころか二千三百六十枚は上手なので、より詳細がわかることでしょう(笑)

Posted at 2011/10/28 05:42:53 | コメント(21) | トラックバック(0) | インプレッション | クルマ

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