概要
今回、GX61マークⅡ・セダングランデの代車として数日間のみやってきた代車、GX61マークⅡ・ハードトップグランデ。
今回の代車はなんと走行2万6000キロという新車に近いコンディションのクルマであり、筆者はあまりのコンディションのあまり、このような車両を貸して頂いて本当に宜しいのであろうかと心底驚愕した。
登場から今年で丁度30年。 現在はマークXという車名で販売を継続している車両であるが、30年前のトヨタの技術力は果たしてどのようなものなのであったのだろうか。
尚、今回の代車は84年式である。
スタイル、サイズ
全長4640mm、全幅1690mm、全高1395mm、ホイールベース2645mm。全高はセダンに比べて30mm低い。その違いもあり、このハードトップのスタイルは実に伸びやかでスマートだ。
1982年より採用された、通称 「イーグルマスク」 「Vマスク」と呼ばれるこの独特のフロントマスクがこのスマートなデザインに迫力を与える為のキーポイントとなっている。
なるほどこの精悍かつ豪華なフロントマスクをしばし見ていると、当時の若者から中年までこのクルマに憧れた理由が実によくわかる。
リアスタイルに関しても、ただ角ばっているだけではなく、Cピラーからトランクにかけて斜めに入るラインが鋭く、そして優雅な印象を与え、この車を大きく見せる一つの要因となっている。
動力性能
エンジンは1G-E型直列6気筒、12バルブ。出力は125馬力、17.5kg-m。
一見現代の車両から比べればなんとも低いスペックなのだが、このエンジンとそれに組み合わされる、2ウェイオーヴァードライブ付き4速オートマチックが実に素晴らしく、現代の交通事情でも全く苦にならないどころか、リードできる動力性能である。
ATに関しては、このGX61型のグランデ以上よりロックアップ付きが採用された為、60km/h以上より、非常に静かであり、快適になる。
それに付随して燃費も良く、街乗りでリッター10km/lも可能な程である。
フィーリングも直列6気筒らしく、実になめらかでどこまでも走りたい気分になる。
しかしながら、今回の車両は走行2万6000キロの為、距離を伸ばすのが非常に怖かった次第である。
<写真>
本当に走行距離は2万6000キロである。
距離を伸ばすのが実に惜しい個体である。
操縦性、乗り心地
今回の車両に組み合わされる足回りについてだが、スプリングはノーマル、ショックはAE92用とAE86用のショートストロークのショックアブソーバーであったことを付け加えておこう。
上記の仕様の為、普段ならかなり柔らかく、コーナーリング時に不安を覚える感じもあるのだが、この仕様だと足回りが固まり、まるで別の車に乗っているかのような感覚である。
車内は終始跳ね続けるが、ロングドライブやワインディングを走るのであれば、この仕様で十分だとも思わせる内容だ。
ボディ剛性に関しては、このGX61型全てに共通するのだが、ボディ剛性がとにかく低く、歩道に乗り上げる際のボディの捻じれで異音が発生するほどである。
この点では意外だがピラーレスのC33型ローレルの方が勝る。
<写真>
ステアリングも社外のナルディに交換されていた。
これにより、かなりクイックとなり、最早マークⅡというより、別の車両に乗っている感覚であった。
助手席に載っている傘も社外品だ。
最近はダイソーなどで販売されているものでも十分実用に耐えるものとなっているのだが、たまにビニール同士がくっついてしまい、開く際が多少面倒である。
購入するのが、面倒な場合は雨の日の終電の置き傘を利用するとリーズナブルかつエコだ。
居住空間
居住空間についてはセダンと比べ実に狭い。
身長175cmのドライバーが乗ると髪が天井に触れてしまう。
リアのシートベルトがセダンの3点式と比べ2点式になってしまうのもマイナスポイントである。
シートに関してはとにかく柔らかく、現代の車と比べると考えられないような仕様である。
ところがこのシートがなかなかよくできており、長距離走行をしても全く苦にならない。
このようなバブリーなシートをもう一度設定してもらいたいものである。
<写真>
リアドアの内張りはご覧のように新車時のビニールが未だに付いている程の極上車である。
ボタン付きのルーズクッションシートはアメリカのキャディラックを意識したものであり、徳○寺は大変悪趣味とするシートである。
尚、筆者の特大痔はこのようなシートの方がメルツェデスのものより好みであり、現代の車でも、ウェルカムバブリーシートな気分だ。
結論
30年前の車両であるが、現代の車両と比べても全く遜色の無い素晴らしい車である。
装備も必要十分で、当時の国民の憧れの1台だったマークⅡは今でも全く色あせないどころか年々魅力が増している。
現代でも十分に通用する魅力を持ちつつ、また現在の車を上回る素晴らしさを持つこの車両を、機会があればゼヒ乗って頂きたいものである。
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インプレッション | クルマ
Posted at
2010/06/05 18:57:56