どうも(^^)v
今回は1週間チョット前の話題になります。
キッカケは4月上旬にみん友さんの桂秋さんから来たLINE…
あら…画像にしてみたら分かりにくい…(爆)
まぁ…とにかく北九州58ナンバーのとあるクルマを手放されるというので、購入検討で下見に行きませんか?
と言う内容。
こんなやり取りがありまして、4月末の土曜日に北九州某所へ向かいました。
見に行った車種は…
トヨタ セラ♪
価格はセラの最近の相場を知ってると破格値ではあります。
平成4年式のスーパーライブサウンドシステム装着車になります。
見た目は結構キレイですよね(^^)v
気になるオプションとしましては、ガルウイング上部のサンシールドデカール。
そして、リアウインドウガラス上部にもSERAのデカールが付いております♪
で…今回のセラはどのようなオーナーさんなのでしょうか??
オーナーさんは平成11年にディーラー中古車で購入された女性の方でした。
余談ながら購入されたディーラーはなんと我が家がPHVを購入したところ(笑)。
コチラのオーナーさん、22年に渡りセラを所有されておりますが、決してカーマニアの方という訳ではなく、このセラが昔から欲しかったから購入し、共に日々を過ごしていたら22年が経過した…と。
ですからメカに精通された方でも無ければ、ネットでオーナーズクラブに入って云々でも無く、「天然オーナー」さんとなります。
しかし…拘りはとても強い!
「元々は福岡市内にあったターコイズのセラを検討していましたが、ディーラーの方の熱意でこのセラを購入するコトになりました…けど黒だったんですよね…(^-^;」
本来は青系のセラに乗りたかったオーナーさん…
納車時にディーラーで当時のプリウスのブルーに全塗装して納車することに!!
「ところがですね…見に行ったら手違いで紺色になってまして…(苦笑)」
なのでソコから更に水色にちゃんと塗り直してからの納車になったんだそうです。
エピソードが最初から濃厚。
そして購入当初は僅か5万㎞だった走行距離…22年共に歩むと気付けば…
36万3800㎞…(汗)!!
「職場が福岡市内なので、北九州からの往復の通勤で距離がドンドン伸びました。」
ナルホド…そして通勤以外にもドライブ等のプライベートもこのセラ1台で過ごされてきました…。
ステアリングも年数の経過と共に年輪を刻むように擦り切れ、シートも乗降する度に布地どころかフレームまで出てきています。
しかし、そんなシートですら、ご自身で当て布を貼られてまで使いこなされてるのには愛着の凄さ…そして共に刻んだ時を感じます。
「私は機械のことは分かりませんし、ディーラーでも『さすがに年式が古いので』という理由で断られるようになりました。」
「ソコで現在は知人が経営している長崎の大村にある整備工場まで預けに行ってますね。エンジンオイルも3000㎞毎に交換しています。」
自分達からすれば、ワザワザ長崎まで!?と思ってしまいがちだが、一般的に近場で都合良く長年乗ったクルマを診てくれるお店を探すのは容易なコトでは無いのだと思います…変に近場の修理工場に預けても幾ら請求されるか分からないし、知らない修理工場の門を叩くのは確かに中々行い難いところではありますね…(^-^;
そしてさすがに29年オチ36万㎞…トラブルも多い。
「バックドアからは雨漏りがしているようで、スーパーライブサウンドのスピーカーが壊れてしまったので外すことになりました…(T_T)」
なるほど…。
そしてバックドアのダンパーはとうに抜け、セラなら肝心のガルウイングのダンパーが両方とも抜けており…更に助手席パワーウインドウは閉まったまま開かない。
しかし、オーナーさんはソレでもこのセラが好きで好きで仕方が無い。
長年乗ってることから体に自然と染み付いているのか、ドアを上に上げると背中でドアを支えながらスルリと乗り込んで行ってしまう。
しかし、そんなセラとのカーライフにもとうとう終止符がやってきてしまうようで…。
「ヒーターコアって言うんですか??ソコから水が漏れだして、とりあえずは粉状の漏れ止め剤を入れて短距離ならなんとか乗ってるんです。」
しかし、家族の反対やもうソロソロ諦めてもイイのでは無いのか?という周囲の声もあり、とうとう先日ヤリスクロスを新車購入してしまったらしい。
「納車が8月なので、ソレまでになりました。誰か引き継いでいらっしゃる方がいれば嬉しいのですが、それも無ければ引き取られて廃車です…(~_~;)」
後は走って状態がどんなものなのか…??
まずは桂秋さんの運転で、自分は助手席へ。
カプセルに入るような独特の空間…そして入り込む日差しは春と言えど暑く…。
気付けば右足の靴に緑色の液体がポタポタと…ヒーターコアは結構漏れてるみたいで…(汗)
水温計を見ると、水温計自体が壊れててHを振り切ったままだからもう何も分からない。
ステアリングラックはガタガタになってて、この辺りも交換していかないと行けないかなぁ…と。
しかしながらエンジンとミッションは36万㎞とは思えない程に調子がイイ!!
ショックも少ないし、変なノイズも無い♪♪
エンジンルームを一通り見てみると、パワステホースの漏れ、デスビOリングの漏れ、エアコンコンプレッサーの滲み…そしてタイベルがそろそろ3回目?みたい。
う~ん…致命的な故障は無いんだけど、コツコツと全てに手を入れていくと恐らく巷の中古車市場に並んでいる中の上の程度のセラが来ちゃう感じではあります。
「もう気持ち的にもコレだけ乗ったからイイと思うんです。」
と、口頭ではおっしゃっていたが、どうもオーナーさんはそれでもなんとかかんとか人に聞いたりしてネットオークションでヒーターコアを落札されておりました。
更に…
「ココの凹みは以前シカと当たったとこでして、フロントガラスは交換しましたが、ココまでは…ということで残ったままになってるんです」
等々、思い出を話されてはどうもまだ心の中ではこのセラに乗りたくて仕方が無い気持ちしかどうも自分には感じ切れなかった訳です。
「HVでセラのようなクルマを出してもらえないのかトヨタ自動車へ嘆願書も出しました!」
愛着は尽きない。
10分程度だけど、自分もこのセラの歴史に参加させて頂き、一回り走ってみた訳です。
確かに修理箇所は多々あるのだが、少しずつ手を入れていけばまだ走れる気がする。
何よりエンジンとミッションの調子がイイし、オーナーさん自体の乗って行きたい気持ちが尽きていないようにしか思えないのです。
整備しようとなれば、いつものアソコに相談して(その後相談してみた)、少しずつ手を入れて休日専用で乗るなんてことでもいいのではないだろうか??
「顔を上げると夏は花火がキレイに見えるのがイイんです♪♪」
コレはもうセラの唯一無二の世界でしょう…比較自体がナンセンスですが、ヤリスクロスではこうは行かない。
セラから眺める花火は8月で最後になってしまうのだろうか??
色々と話を伺い感じたのは、このセラが他の人に渡るのも悪くは無いのだろうが、どうもそうなってしまっては、もう違うクルマになって行くような気もしてしまうし、また、かと言って程度の良いセラに乗り換えたらいいのかというとソレもまた違う…個人的にはこのオーナーさんにはこのセラにずっと乗っていて欲しいなと。
当初はクルマを見に行くだけのハズが、気付けばクルマの域を超え、セラと共に歩むオーナーの半生を覗かせて頂くようなカタチになってしまった。
とりあえず、桂秋さんと相談し、余計な世話ながら「8月にヤリスクロスが来たら、手間も費用も掛かるが別の駐車場を用意し、少しずつ手を入れて休日のクルマにするのがいいのではないでしょうか?」と、提案をしてきました。
その後、オーナーさんと別れ桂秋さんとお好み焼を食べに行き、前述の通りいつものボディワークスさんへ行くと、やはり似たような境遇の駆け込み寺な感じになってましたね…(笑)
ワンオーナーのパオがいたり、コレじゃないとダメっていうL900ムーヴの前期がいたりと(しかもカスタムじゃないホントの素のムーヴ)。
現車を見せてないのでなんとも言えないが、セラの話題を振ると、「まぁなんとかなるんじゃないのかな」的な話もしてましたし。
「貴重なナンバーが~」とか「珍しいクルマだから~」とか、そんなコトは自分はどうでもよくって、22年でこの距離を乗っていて、尚且つ愛着は衰えず…。
実は今回、2時間に渡ってオーナーさんの話を伺った訳ですが、もうとにかく話が止まらない…好きで好きでたまらないという気持ちしか伝わってきませんでした。
とても手放そうと思ってる方の声には思えなかった訳です。
帰りのクルマの中で1人運転しながら改めて思ったのは、「クルマが好きな人は沢山いるが、1台のクルマを長年愛する人はそうそういない。ホントにスゴイ方だなと。」
同時にこのセラと歩むストーリーはもう終わってしまうのか??
なんて思うと泣けて来まして…(汗)
どうなるかは分からないですが、あと3ヶ月…
何気に帰宅後、当時のセラのCMを今一度こうやって見てた訳ですが…
「もうはなさない。君がすべてさ」
乗ったら余計思いますね…唯一無二の楽しいクルマです。
今回ブログをアップするに辺り、オーナーさんの承諾を頂いている訳ですが、果たしてこのブログがレクイエムとなってしまうのか…はたまた今後の起爆剤となるのか…。
余計な世話ながら後者になればこの上ないのですが、一旦はこのセラの今日までの歴史をこのブログに刻むコトが出来ましたことを改めて御礼申し上げます。
ではまた。