どうも(*'▽')
今回で「失敗車」をお題としたカタログのアップもラストになります。
散々ズッコケまくった輸入車…ありましたねぇこんなの。
サターン 2代目Sシリーズ
97モデルです♪
当時マスコミが盛り上げた「日本車キラー」のウチの1台ですよね…(汗)
正直このアクの強過ぎるフロントマスクに、軽のようなチープな内装。
安さが取り柄なこのクルマに食いつく人はとにかく少なかった訳で…(^_^;)
さて、元々サターンというメーカーはGMが100%出資した会社だそうで。
今回の2代目Sシリーズというのは1996年にデビュー、日本導入が1997年になります♪
初代は日本導入されてませんが、この2代目から日本に正規ディーラーを立ち上げ、黒船来航となった訳です。
最もこの頃は貿易摩擦緩和やらの政治的背景が絡み、シボレーキャバリエをトヨタで販売したり、コレまた日本車キラーみたいな感じでクライスラーネオンを日本上陸させ…瞬間風速で誰も見向きすらしなかったけど…(苦笑)
そしてこのサターン…と。
礼をつくす会社。
礼をつくすクルマ。
なんて感じで当時はCMバンバン流してましたよね…懐かしい。
CMはバンバン流すけど実車そんなに見ねぇっつの(爆)
で…今回は2冊のカタログを併用で話題とします…。
この左の本カタログが、意外や写真が少なくてですね…(苦笑)
ってコトで、左の方は1997年8月、右は1997年10月の内容になります。
そんなサターンはアメリカはテネシー州のスプリングヒルってトコにワザワザ工場を建て、ジャマになる木はソコのけソコのけで切らずに植え直してます。
除草剤も撒きませんし、訳の分からない諸費用も取りません。
その前にスプリングヒルなるトコが全く土地勘も無いのでフ~ン…ってなる訳で。
スプリングフィールド…アレはシンプソンズでしたか…(爆)
そしてテネシー州スプリングヒルで生産され、遥々価格破壊の元にやってきたサターンですが、まずはセダンモデルのSL2。
いかにも悪人ヅラ…走る悪役商会。テネシー州の八名信夫。
まず全体のフォルムはそんなに悪く無いのに、グリルレスのフロントマスクは当時の日本人にとってタブーとも言えそうな感じです…(汗)
SL2…セダン・レベルの略らしく、本国ではSOHCのSL1、そして日本ではDOHCしか無かったので、SL2となるそうで♪
しかし、四半世紀を経て、改めて見直しますと、フロントマスク以外は至ってクセの無い…いや…意外とイイじゃないかと思える感じです(*'▽')
予想外!?フロントに比べ、リアから見ると結構カッコイイ。
横長のテールランプに丸いフォルムは若干ながら2代目トーラスのような雰囲気もありますが(笑)
セダンにしては細めのリアピラーで視界も良さそうですし、個性もあります♪
全長4520×全幅1695(㎜)で、意外やコレが5ナンバーサイズのアメ車だったりして、日本に本気で売り込もうとする感じはこういうトコで分かります(*'▽')
一方、コッチはワゴンのSW2…セダン・ワゴンの略らしいけど…(苦笑)
どうなってどうなる(爆)?
で…このワゴンも意外や結構今見るとスタイリッシュで、このボディカラーですと、アコードワゴンのような垢抜けた印象さえあります…コストコの駐車場が似合う♪
リアから見てもそんな感じですし、リアバンパーに入ったSATURNの文字も雰囲気に合ってます!
このゴールド系のボディカラーもこれまたソレらしくてイイですね(*'▽')
で…最後はクーペモデルのSC2…スポーツ・クーペの略で一番フツーな名称(笑)
SC2のみ全幅が3ナンバーサイズで、全高も60㎜程度低く、造り分けてます。
コレもヘッドライトを除いて、ドコかで会ったコトあるよなお前?的な見た目。
このクーペは後に観音開きのモデルが追加され、コレが話題になりました(*'▽')
クーペのリアはカタログに出てこないので割愛。
インパネは助手席のモッコリが妙に気になります…要るんかコレ?
やたらとクセの多いスイッチ類の配置…ドアミラーのスイッチは運転席ミラーの付け根にあるわ、パワーウインドウもドアに付くであろうマスタースイッチがそのままセンターコンソールに埋め込んだカタチ。
で…このクラスのアメ車らしく、キャバリエもそうだけどチープな質感。
けど、ヘッドライトスイッチとウインカーレバーの配置はちゃんと日本仕様に直してきてて、その辺りでやはり売りたいって気はあったらしい(笑)
この辺りドイツ車なんてのは郷に従えと言わんばかりに何も手直ししてこない…ソコは21世紀に入り四半世紀が経とうとし、世の中は電動化とか言ってるのに、ココを頑なに変えやがらない。
そして今日も最新型車だろうと、ウインカー出そうとして、ワイパーを動かし…なんていうコトが起きているのをまずはイイ加減どうにかしやがれと思う訳で(爆)
ちなみにどうやらエアコンのドレンホースが当初は無かったようで、ユニットドレンがそのままダッシュパネルに繋がる構造…なもんで、エアコンユニットとインパネの穴がズレると車内が水浸しになるらしく…(汗)
シートは本革もありますが、このようにパッと写真で見ただけでも、コレは明らかに安いの使ってそうだなぁ…という感じの本革シート…キライじゃないけど(笑)
そんなサターンSシリーズに搭載されるエンジンは1機種のみ…。
・1C…直列4気筒1900㏄DOHC、124馬力、16.8kg-m。
型式だけ見ると、トヨタのディーゼルみたいですな(爆)
どうやら、ロストフォーム・キャスティング製法というのを採用してるらしく、エンジンの型を発砲スチロールで造ってから、砂型に埋めちゃう(笑)
んでソコにアルミを流し入れると、発泡スチロールは蒸発して、代わりにアルミが埋まって行ってエンジンブロックが出来ちゃうよ…と(笑)
オールアルミエンジン…なんてよく聞きますが、この場合、アルミ99.9%、元発泡スチロール0.1%エンジンとかそんな感じになっちゃわないとか…。
コレに組み合わされるのが、意外や5速マニュアルを全車に用意!!
そして4速オートマもしっかりとあります(*'▽')
足回りはフロントがストラット、リアがパラレルIアーム+トレーリングリンクという構造なんですが、イラストも無く…(汗)
ブレーキは97年のみ4輪ディスク、ソレ以降はリアがドラムになっちゃうらしい。
で…サターンと言えば、凹んでも元に戻るドアパネルで話題になったのを、記憶に残ってる人も多いのではないかと(*'▽')
コレ…98年の九州モーターショーにドアパネルが展示されてて、実際に体重掛けて凹ましたものの、見事パネルが戻ってきて、「コリャスゲェ♪」となったのを覚えてます…そんなんで喜ぶ変な中2でしたが…(爆)
樹脂パネルを使っているというカラクリですが、当時の印象は画期的♪
今でこそ「マルチマテリアル」なんて言っちゃって、アルミにカーボン、ポリカーボネート…更に溶接じゃなくて構造用接着剤なんてのも当たり前になっちゃってますが、この当時こういうのはホントに珍しい…
んだけど、どうやら熱膨張率の管理なんてのが未熟だったようで、凹んで元に戻るのはともかく、ソレ以前にボディパネルの建付が合わないという本末転倒な結末になったようですね…(苦笑)
大体の新素材やら新機構やら世界初やらなんてのは、何かしらやらかしてます…コレは今も変わりませんね…(汗)
他に装備としましては、この時代にしては珍しくトラクションコントロールが標準!
更にキーレスもコレまた標準で、車両価格を考慮すると装備は結構充実してたりします♪
他にクルコンやサンルーフはパッケージオプションで選べます(*'▽')
で…グレードはこんな感じで…。
・SL2セダン (MT/AT)…156万円/163.5万円
・SW2ワゴン (MT/AT)…168万円/175.5万円
・SC2クーペ (MT/AT)…172万円/179.5万円
基本装備は特段変わらないので、ココは一気にご紹介♪
■各種標準装備
・ABS
・トラクションコントロールシステム
・運転席&助手席エアバッグ
・ポリマーサイドパネル
・リモートキーレスエントリーシステム
・電動格納式ドアミラー
・ウォッシャー連動間欠式フロントワイパー
・リアワイパー(ワゴン)
・リアスポイラー(クーペ)
・フォグランプ(クーペ)
・チルトステアリング
・助手席側バニティミラー
・シートハイトアジャスター(運転席)
・グラフィックイコライザー内蔵AM/FM付ラジオカセット
・P185/65R15タイヤ
・SL2セダン Gパッケージ (AT)…181.5万円
・SW2ワゴン Gパッケージ (AT)…188.5万円
・SC2クーペ Gパッケージ (MT/AT)…188万円/195.5万円
各種豪華装備をプラスしたのがGパッケージになります(*'▽')
■Gパッケージの主な装備
・クルーズコントロール
・チルトアップ式電動ガラスサンルーフ(セダン/クーペ)
・ルーフレール(ワゴン)
・フォグランプ(セダン/ワゴン)
・アルミホイール
・SL2セダン GLパッケージ (AT)…190.5万円
・SW2ワゴン GLパッケージ (AT)…197.5万円
・SC2クーペ GLパッケージ (MT/AT)…197万円/204.5万円
上記Gパッケージにレザーインテリアを追加した仕様です(*'▽')
コレに仕様で選択出来る内容は異なりますが、ボディカラーが全部で7色。
意外とブルー系とかは無いですね。
内装も基本3色、コレの布か本革か。
自分でしたらSW2ワゴンGLパッケージのオートマ、ボディカラーはミディアムレッドって感じでしょう(*'▽')
で…今回のカタログはお客様の声なんてのも掲載。
まぁ確かに輸入車だから関税も掛かるんですが、ソレを入れた上に装備を考えるとこの車両価格は当時でもかなりリーズナブルだと思いますね!
ちなみにサターンは納車式が結構強烈だったようで、各担当が一斉に並び紹介された後…
「I say Saturn!」
なんて全員でコールをするという、一種の宗教団体のような何とも言えない内容だった模様で…(爆)
気付けば路上トラブルゼロになる壺や、凹みが戻る磁気ネックレス、下取りがアップする除草剤なんて売りつけられるんじゃないかと(ぇ
もう全然サターンに似せてもない(爆)
ユーザーも箱乗りしてますし、センターピラー付近に切断した跡まであります。
さて…そんなサターンですが、確かに1.9リッターのこのクラスでこの装備、内容をこのクルマ単体で見ると安くは感じます。
しかし、保守的な日本で新規参入のブランドが少ない店舗網で売れる訳が無く…。
よく考えたら、当時の日本車だってこのクラスは戦場、そしてそれなりに安価で、コロナプレミオやU14ブルもソコソコ売れてましたし、なんせA32セフィーロやアコードもモデル末期ながら廉価グレードだと結構バッティングするんですわこのクラス…(苦笑)
ソコにサターンに飛び込む人なんて極少数…ましてやアクの強い外観。
案の定売れるハズも無く、バンバンCM流して数年後にはあっけなく撤退してますし、後に本国でもブランド消滅…どうやら部品確保に苦労するクルマにまでなってます…(苦笑)
後はアメ車=フルサイズの図式は未だ日本は定着したままじゃないですか。
フォードもフィエスタ出したりして撤退したり、シボレーソニックなるコンパクトカーも一時期ありましたが、ソレらの目撃頻度よりもダッジチャレンジャーや、カマロの方が遥かに見かけます(笑)
唯一、この手の新規参入でクラスレスで定着した近年のアメ車…テスラはある意味コレらの概念をEVというキャラクターでぶっ飛ばした型破りなメーカーですかね…そう考えるとテスラやりますねぇ~。
さて…四半世紀が経過しつつあるサターン。
現在日本でどれだけ現存してるんでしょうかね…ドアパネルも経年で変形して戻らなくなってたり(爆)!?