15年くらい前、キャロル・シェルビーはキットカー屋のFactory Five Racingを訴えていますね。訴訟は退けられたんですが、その理由がデイトナクーペのデザイナーがPeter Brockであること、ナンバー付きはつくられてないことなど。キャロル・シェルビーはそのあとすぐこの世を去りました。判断力がすこし落ちてたか、「訴えれば勝てますよ」法曹界が主導だったのもですね、負けてるけど。
日産旧車の人にはデイトナクーペをデザインしたすぐあと、BREを結成したPeter Brockといったほうが通じますね。当時の彼は20歳そこそこですよ。
「オレがデザインした」とドヤらないのはそのレース好きでフランクな人柄もだいぶん効いてそう。世紀が変わるころにはすっかりモータージャーナリスト・カメラマンになってました。箱車のレース界で彼を他の記者同様ぞんざいに対応する人などいないわけで。
おそらくPeter自身、当時のかっこいいレース車両のモチーフをいっぱい拝借してデイトナクーペの形にまとめた負い目があり、「自身の代表作なんてよう言わんわ」みたいな気持ちなのでレプリカは放置してる、のでは。自身でも世紀が変わるころBrock Coupeという名のリプロを世に出しています。主導したんでなくグイグイ来る人達に言いくるめられたんじゃないかと。
事情は車種ごとに全然違う。コブラ427だと英ACEが元車の権利がありそうだし、GT40だと現存の本物がどこにあるかほぼ全部把握されているので、本物に偽装することは不可能なので勝手にやれ、みたいな感じでしょうか。
60セカンドのエレノアだと元車のシェルビーGT500を作っていたSherbyが訴訟に勝ったあと、エレノアの権利を買ったどこかの会社=ストーリーの原作者団体がエレノア公認を出す、みたいな商売をしていたんですが、下の裁判でそれがもう終わったのか?
ライターの遺族団体による訴訟、ホカホカの裁判結果、公認エレノアのデザイン権利は原作を書いたライターにはなさげ、そりゃそうだ文章で車の意匠をおさえるとか無理でしょ。公認エレノアがライター団体が出してたわけですがその正当性もないと。あれの後付けパーツデザインは当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったChip Fooseですけど、元車がマスタング→シェルビーGT500と二段重ねした上のデザインですし、既存の車の先人のデザインをなぞりだんぜん格好良くするのが彼の仕事の流儀ですから「エレノアのデザインはオレがいなければ世に出てない」なんて言わないでしょう。あの人も離婚で財産全部持っていかれてゼロからの再開、大変ですね

Posted at 2025/06/12 02:27:27 | |
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