2023年12月19日
テスラサイバートラックボディのすごい作られ方
EV無関係の成分が先鋭的なサイバートラックの生産。
生産技術の大家、御大Munro氏のこのクルマへの驚きはかなりデカい感じ。動画としてはとても地味です。最初に出てくるのはステンレス板のロール、t=1.4と1.8。ロールからレーザーで抜いて使う率が驚異の80%、そう、製造・産廃処理コスト低減に全振りして作ってるんです。テキサスにメガファクトリー建設したのもそれ。ロールからまず長い距離をたくさんのローラーを通して平面に。ラインをカーブさせたりは不可能。そして分断しない1ロールの長さのまま端から進めて順次レーザー切り出し。
冒頭しばらくしてから何分か氏が自ら喋る3D屋さんかなんかの広告が入りますからスキップ。
ボディの扱いがあのマツダとは真逆、デザイン料をケチるのと生産性のため外板の曲線曲面は排除、凝った塗装なしというか素地。ステンレスは高いけれど防錆処理も不要。
ボディのドアんとこなど開口部やドア自体のインナーはちゃんとプレス。金型はアルミ青銅でホットプレス。つまり外板が折り紙状態なのはステンレスのプレスが難しいからではなく、理由があるわけ。
この動画ではチラ写りしかしないけれど、シャーシは従来車種とさほど変わらずフロア部分を電池の殻として活用、フロア前後のパーツはアルミ合金メガキャスト。
外板は極力加工傷が生じない配慮の下、CNCプレスブレーキによる2D曲げだけで、インナーとはエッジのレーザー溶接で接合する…厚い1.8ミリのステンレスなので。プレス加工のインナーとは表面租度がまったく違い、2D曲げで終わらせれば塗装をしないだけでなく磨き工程も省ける。ラインを流れる板には保護フィルムもない。
ステンレスの板金修理は難しい、傷ついたり凹んだりしたのが気になるなら買い替え…は極端にしてもドアごと替えろ。外観を損ねる傷であっても機能に問題ないならそのまんま乗っていい錆びるわけでもないし、とユーザーのクルマ外装への意識改革を促してるような。発表してからだいぶん経ってからの生産だけど、カクカク折り紙ボディも含め、これまでの車とは違うんだとユーザーの理解を待ってた感じがする。
大学生のとき買った中空ステンレス板金のマグカップを手入れなどせず40年使ってますが、落っことして底角に凹みというかフラットがいくつかできた以外に劣化ないですからあの素材。
文中「メガ…」と書いたのは「ギガ…」が正しいようで
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Posted at
2023/12/19 04:36:53
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