2023年11月26日
自宅ガレージでレストアというテーマの日本の動画をサムネだけでちら見、仕事で培ったスキルがあるのを隠し、「器用だけど知識も道具もない素人のコスプレ」をしてるっぽくて萎えました、具体的にどれとは言いませんがよくあります。クルマに潜んでいる地雷、つまりイケイケ素人ならドツぼにはまる難易度が高い要修理箇所を避け、ぱっと見仕上がりに影響しないとこばかり選ぶの上手すぎるし、途中、料理番組みたいに唐突に出来上がり前まで工程が飛ぶ編集…工場持って行ってやったろ?
職場だと機械を使って簡単にできる作業だとドヤれないから、自宅の素人レベルの貧弱な環境で機械に頼らないで行う工夫やテクを褒めてほしいってことなの?
まあ逆に素人以下の仕事でドヤってる動画がだんぜん多いほうがつらいし、素人以下というベクトルでないヤバイ人たちの動画もみました。従来型の錆取り叩き溶接などの板金作業をはしょるのはよくありますが、それはまあ貰える工賃そして修理後の車両価値とのバランスによっては省力は有りでしょ。ひどいとこだと「うちで開発したこれがすごいんです」の謎パテみたいなのを盛って塗装。独占使用できるそれを使った板金仕事で稼ぐわけでなくそれを売って儲けたいらしい。お前ら地獄から這い上がってきてそんなことを始めたのか?
ああ心がざらついたので口直しに…
相変わらずの勢いのオーストラリアのコスモスポーツ×3の人、ちょっと更新があいてたのはプルマックスにリニアガイドを付けるという独創的なことを。動画残りの1/4もないくらいに出てきます。
量産車だからパーツに補強リブがプレス加工でいっぱい入ってるのに生産台数も残存数も少なく純正部品は当然無いし、流行りの台湾製プレスリプロパーツも数がまとまらないと生産できないなか、フルスクラッチで板を形成していきます。そんなちゃんと作ってもそのデキ映えを評価できるほどコスモスポーツを手掛けた人が他に居ないし、リプロパーツとして売り出しても数が出ないという世界。
プルマックスの遣い手が居ないわが国ではここまでゼロからのパネルを苦も無く作れる人は居ないし、代替手法や機械も無いのでは。
もともとの器用さとプルマックス等機械の知識と理解があるからこそ3年もやってると世界トップになります。量産車で補修パネルが売ってない場合のワンオフ製作という狭いジャンルですけどね。「BCNR33、BNR34のパネルがない」「うちは将来3Dプリントで」なんての「ないなら板金で作ればいいのに」としか思わないんだろうな。
ちらっと映るライトカバー枠も今後作るはず。おそらくプルマックスで。どういうダイセットを使うのかプルマックスを持たないけれど参考にしたい。コスモスポーツのそれはGノーズのそれよりさらに形状が平坦で、ノーマルノーズのS30のほうが難しいのは確か。
オーストラリアの人に「バイブロシャーがプルマックスの代用で使えるよ、というか使ってる人がちらほら」と教えてもらい、日本もバイブロシャーならたくさんあります。切断だけでなくドームをたたき出すダイがオプションにあったそうですが、プレスラインを作るのに使った例はマツダのレースカーの室内パネルの円周フランジを作ってたのしか見たことなく、主に円軌道加工する道具という先入観から抜けてなかったような
今の板金は損保がらみの仕事ばかりで切り貼りでパネルをゼロから作る職人はもう引退してしまい…なんてのはウソっぽく、酸素アセチレンで薄板突合せ溶接ができ、あぶって叩いてが少しできたくらいなのでは。
日本で下働き(≒低ちんぎん)で修行して盗んだ「熟練の職人技」ってのは伝統工芸にはあるかもしれませんけど、スチールボディの板金は親方になったところで金が落ちてこないジャンルだったのでそこまで高尚な扱いを受けたことなど無いと思います。一方海外では職人技以前に、日本で使われていない機械がある…
プルマックスでのパネル生産は金型プレスによる大規模生産に比べると一個あたりの手間もコストもかかります。それでもコスモスポーツは現存数が少なすぎてリプロパーツを売り出すのは現実的でないですが、S30のフロアパネルはプレスでなくプルマックスで作って売ってる人が東欧に居ます。低生産コストのクルマなのでリブ形状もコスモスポーツよりはるかに単純、わざわざ金型起こすほどでなく、プルマックスに向いてるかのも。
しかし流通コストどうなってんのよ って思いますよね。板にすこし凸凹をつけたような体積効率の悪い製品がグローバルに流通してる。日本は島国だからハンデ大きいな…いやいや台湾にリプロの大工場がある
Posted at 2023/11/26 17:08:58 | |
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